温室効果ガス (GHG) 削減

方針・基本的な考え方

環境方針

当社グループは、環境課題(温室効果ガス (GHG) 削減を含む)に取り組む方針として、環境方針を策定しており、下記のページに記載しております。

当社グループの環境ビジョン2050

当社グループが事業を継続的に行うためには、地球環境から得られる資源、水、エネルギーの利用が欠かせません。また、事業活動の結果として、CO2、NOx、SOxなどが大気中に排出されるほか、排水や廃棄物も発生します。このような状況を踏まえ、地球環境への負荷を最小限に抑えながら事業活動を行うとともに、生み出した製品やサービスを通じて環境・社会価値を提供する取り組みを推進しています。
当社グループでは、特に重要な課題である温室効果ガス(GHG)の排出量削減に重点を置いた「環境ビジョン2050」を作成しています。2025年度は、1.5℃基準に適合した2030年目標を設定し、Scope1およびScope2においては2021年度比で49%削減となり、2030年目標を前倒しで達成しました。
2026年度はさらに削減を進めるため、2030年に向けて58%以上削減という新たな目標を設定しました。また、サプライチェーン全体での取り組み(Scope3)も開始しました。
今後も2050年のカーボンニュートラル達成に向け、取り組みを継続して進めていきます。

2050年目標 カーボンニュートラルの達成
2030年目標 GHG排出量(2021年度比)
Scope 1+2 58%以上削減
Scope 3
(カテゴリー 1, 4, 5, 12)
25%以上削減

●カーボンニュートラル達成に向けたGHG排出量の推移

カーボンニュートラル達成に向けたGHG排出量の推移

なお、当社グループの2030年度のGHG排出量削減目標は、1.5℃基準に適合したSBTi(Science Based Targets initiative)による科学的根拠に基づく目標(48%削減/2021年度比)を上回る、58%以上削減(2021年度比)を設定しています。

SBT認定ロゴ

環境ビジョン2050

01. GHG排出量 (Scope1、2) に関して、2050年カーボンニュートラルを達成します。

●省エネルギー活動・MFCA※1活動・プロセス効率改革により、GHG排出量を削減

●ボイラーの電化、水素アンモニア燃料等の新技術の導入を検討

●再生可能エネルギー由来電力を外部調達

●CO2吸収等のネガティブ技術の導入を検討

02. サプライチェーンを含めたGHG排出量削減に貢献します。

●ライフサイクルのGHG排出量削減を考慮した製品開発
(高効率、軽量化、高寿命、リサイクル、バイオマス、モノマテリアル化等:LCA活用)

●サプライチェーンとの協力

※1 Material Flow Cost Accounting(マテリアルフローコスト会計)の略で、環境負荷低減とコスト低減の両立を同時に追求することを目的とした環境管理会計の手法です。当社グループでは分析手法として活用しています。

体制(ガバナンス)

当社グループにかかわる環境課題(温室効果ガス(GHG)削減を含む)に関する監督・管理の体制は、下記のページに記載しております。

リスク管理

当社グループにかかわる環境課題(温室効果ガス (GHG) 削減を含む)に関するリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、下記のページに記載のリスクマネジメント体制・リスクマネジメントプロセスに沿って実施しております。

指標と目標

GHG排出量削減

当社は、SBTi (Science Based Targets initiative) により認定を受けた「Near-term 1.5℃基準目標」に基づき、GHG(温室効果ガス)削減のための活動を推進しています。
2030年までのGHG排出量 (Scope1+Scope2) の削減目標として、「2021年度比で48%以上削減」を掲げて取り組んできましたが、2025年度の排出量は2021年度比で49%に削減され、2030年目標を前倒しで達成しました。
この結果を受けて、2026年度からさらなる削減を目指し、「2021年度比で58%以上削減」という新たな2030年目標を設定しました。
今後も持続可能な社会の実現に向け、積極的に脱炭素化を推進してまいります。

● CO2排出量 (Scope1+Scope2):住友ベークライトグループ

CO2排出量
CO2排出量

※集計対象は、GHGプロトコルの経営支配力基準に基づき、住友ベークライトおよび連結子会社としています。

※GHG排出量の定義・算定方法についてはサステナビリティ関連詳細データ (環境)に記載しています。

当社グループでは、環境・社会価値の創造を「経営の重要課題」の1つとして選定、 GHG排出量削減率を「経営の重要課題」のKPIとして設定し管理しております。

主な取り組み

カーボンニュートラル推進委員会の活動

カーボンニュートラル推進委員会では、毎年度末に環境中長期目標に対する活動進捗を総括し、次年度目標を決定し上位組織であるサステナビリティ推進委員会の承認のもとで活動しています。目標達成のため委員会内に2つの部会を設け、環境負荷の低減に向けて取り組んでいます。
ライフサイクル部会では、研究段階から科学的、定量的、客観的に評価をする活動を通じ、環境負荷を最小化する生産方式の確立を目指しています。
カーボンニュートラル実現に向けたグローバルな動きの中で、商品を原材料から使用、そして廃棄に至るまでの長期間にわたる評価を行うLCA (ライフ・サイクル・アセスメント) の観点が欠かせないものとなっており、顧客、サプライヤーとの対話の中で「LCA」という言葉が一般化してきています。
このような状況を踏まえ、LCAの社会背景、LCA手法の基礎、住友ベークライトグループの取り組みなど、基本的な知識を身に付けるため、本社所管社員を対象に、2023年度からe-ラーニング「LCA基礎」を開講しています。
全研究開発部門で実施すべきテーマを決めて、原材料の採取から最終的な廃棄 (Cradle to Grave) までのLCA を意識して取り組んでいます。2024年度はLCAを理解し製品のカーボンフットプリント (CFP) を計算できる有資格研究開発者を「全研究者の25%以上を維持する」という目標に取り組み、LCA導入コース、LCAトレーニングコース、LCA実践コース (LCAにかかわるすべての教育・個別指導) をオンライン形式で行い、2025年度実績37%と目標を維持しています。なお、2023年度からは有資格者の中から各所で指導係を選び、各所のLCA取り組みのレベルアップを行っています。2026年度も教育機会の充実を継続し、有資格研究開発者25%維持に努めます。
2020年10月の日本政府による温室効果ガス排出のネットゼロ宣言以降、顧客からの製品カーボンフットプリント (CFP) にかかわる問い合わせが増加していることなどから、当社グループの全製品について原材料の採取から工場出荷 (Cradle to Gate) までのLCA手法に基づくCFPデータをスピーディーに提供できる体制(提出依頼後7営業日内に提供)を2024年度に確立しました。
2025年度は、このLCA手法に基づくCFP算定体制のもとで計算・分析を継続し、新たに20製品のCFP算定を行いました。併せて、既存製品についても各事業部門(情報通信材料、高機能プラスチック製品、フィルム・シート製品、産業用機能材料、防水シート製品、バイオ製品)の代表品番68製品のCFPを再計算・更新し、最新の環境負荷原単位データを反映させました。
CN技術検討部会では、省エネルギーの取り組みとして、国内では各所の自主推進などにより省エネルギーアイデアを継続的に抽出・実現するしくみを根付かせる活動を行っています。
2025年度は2024年度比で主に都市ガスと電力使用量の削減により、トータルで原油換算1,682kL (65,184GJ)、CO2換算で3,245t-CO2の削減を達成しました。海外では国内の活動を準用するとともに、活動手法・事例の横展開推進を継続しています。また、前記に示す2050年目標であるCNへの推進の一環として、国内事業所の購入電力について、主要事業所すべて再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを2022年1月より実施、今後も契約を継続していきます。また、海外グループ会社でも再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを進めています。
2026年度は、CN推進委員会の目的に沿い、CN技術検討部会として直近の2030年目標に向けた計画を立案し取り組みます。また、省エネルギーについてはこれまでと同様に、省エネルギー目標を掲げ、事業所単位削減計画の達成も目指した取り組みを継続します。特に、国内事業所間で省エネルギー事例や技術情報を共有し、全社的に省エネルギー技術のレベルアップを図るしくみづくりや、国内マザー事業所と全社省エネルギー事務局が連携して系列事業所を技術支援する省エネルギー活動に取り組みます。

気候変動プログラムへの取り組み・TCFDの取り組み・GXリーグへの参画

CDP※1 (本部:ロンドン) は、2000年に世界の機関投資家が連携して設立した国際NGOです。世界の主要企業や自治体に対して「気候変動」「水セキュリティ」「フォレスト」などの質問票を送付し、気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクトを行っています。2024年から、これまでの気候変動・水セキュリティ・フォレストの3つの質問書が、CDP2024質問書として1つに集約され、環境課題の相互関連性を認識し企業の取り組み状況を総合的に捉えられる構成となりました。
CDP2025の調査では、総運用資産127兆米ドルを有する640の投資家が、CDPを通じた情報開示を企業に求める一方、270社以上の主要な購買企業が、CDPサプライチェーンプログラムを通じて、約45,000社のサプライヤーに環境データの提供を要請し、23,100を超える企業と自治体がCDPを通じて環境情報を開示しています。
当社は、2025年度のCDPの回答要請に対応し、2025年12月、気候変動「A」、水セキュリティ「B」評価を受けました。2026年度も、気候変動および水セキュリティへの回答要請を受けており、回答を行いました。
2021年2月に賛同を表明した、TCFDの取り組みについては、【TCFD提言に基づく情報開示(気候変動対応)】で紹介しています。
2022年度経済産業省が公表した「GXリーグ※2基本構想」への賛同の表明に続き、2023年5月に参画企業となった「GXリーグ」については、住友ベークライト国内グループにおける目標値を設定し2024年度のGHG排出量実績値を報告しています。
(https://dashboard.gx-league.go.jp/company/9010701005073/)
なお、2026年4月から、「TCFDコンソーシアム」と「GXリーグ」とが発展的に統合する形で、「GX フューチャー・コンソーシアム (GXFC)※3」の活動が始動しており、住友ベークライト国内グループで引き続き参画しています。
当社グループは今後も、気候変動にかかわるリスクおよび機会に関する積極的な情報開示を行い、ステークホルダーの皆さまへの説明責任を果たしていきます。
環境負荷低減、省資源・省エネルギー化、化学物質管理、環境に貢献する製品の開発を行い気候変動への対応に貢献しつつ、今後も環境情報の開示を進めます。

※1 CDP:以前の「The Carbon Disclosure Project」。現在は「CDP」が正式名称。

※2 GXリーグ:2050年カーボンニュートラル実現と社会変革を見据えて、GXヘの挑戦を行い、現在および未来社会における持続的な成長実現を目指す企業が同様の取り組みを行う企業群を官・学とともに協働する場。

※3 GXFCは、GXに志を持って挑戦する多様なプレイヤーが緊密に連携し、先導的な役割を果たしながら新 たな需要創出や円滑な資金供給に向けたルール形成を推進するイニシアティブ

省エネルギーとGHG排出量削減

当社グループでは、再生可能エネルギーの導入を計画的に推進しています。国内のすべての製造および研究拠点では購入電力を再生可能エネルギー由来へと切り替え済みであり、海外事業所でも段階的に再生可能エネルギーの導入を進めています。加えて、太陽光発電設備の新設も積極的に行ってきました。
これらの取り組みの結果、2025年度は売上高に対するエネルギー使用量原単位およびGHG排出量原単位のいずれもが削減に向かいました。

● エネルギー使用量および原単位※1

エネルギー使用量および原単位

● GHG排出量 (Scope1+Scope2) および原単位※2

GHG排出量および原単位

※1・※2 エネルギー使用量およびGHG排出量の原単位は次式より求めた売上高原単位です。集計対象は、住友ベークライトおよび連結子会社

 • エネルギー使用量原単位=エネルギー使用量 [千GJ]/売上高 [百万円]

 • GHG排出量の原単位=GHG排出量 (Scope1+Scope2)/売上高 [百万円]

また、当社グループにおける再生可能エネルギーの全エネルギー中の使用比率は、2025年度で30%を超える結果となりました。
これにより、再生可能エネルギーの活用により削減されたグローバルでのGHG排出量は全体の47%を占めることになりました。

● 全エネルギー中の再生可能エネルギー使用量推移

全エネルギー中の再生可能エネルギー使用量推移

※集計対象は、住友ベークライトおよび連結子会社

● 再生可能エネルギーによるCO2削減量推移

再生可能エネルギーによるCO2削減量推移

※集計対象は、住友ベークライトおよび連結子会社

インターナル・カーボンプライシングの導入

2025年度より、CO2排出量削減に貢献する投資を推進していくために、投資判断の基準としてインターナル・カーボンプライシング(ICP)の運用を開始しました。
ICPはCO2削減効果を定量的に評価し、経営判断に組み込むための手法です。当社グループのICP価格は10,000円/t-CO2としてスタートしましたが、この価格は外部環境の変化や技術進展に応じて適切に見直していくことを想定しています。
今後は、ICPを活用して気候変動対策への投資をより一層加速し、バリューチェーン全体でのCO2排出量削減に貢献してまいります。

Scope3排出量削減の取り組み

当社グループは、バリューチェーン全体のGHG排出量削減を重要な課題として認識し、2030年までに2021年度比で25%削減するScope3削減目標の達成に向けて取り組んでいます。
Scope3の大部分を占めるのは、原材料等の調達段階での排出 (カテゴリー1) であり、これらを削減していくことが今後の大きな課題となっています。
2025年度は、取引量や排出量の多いサプライヤー約250社を選定し、GHG排出量や削減目標などの実態把握を目的としたアンケートを実施しました。
今後はこれらの活動をさらに進化させ、サプライヤーとの連携を強化することで、Scope3削減に向けた取り組みを加速してまいります。

● CO2排出量(Scope 3 カテゴリー別):住友ベークライトグループ

カテゴリー 排出量(千t-CO2/年)
2021年度 2022年度 2023年度 2024年度 2025年度
1. 購入した製品・サービス 939 856 718 761 707
 
2. 資本財 39 50 65 49 53
3. Scope1・2に含まれない燃料およびエネルギー関連活動 45 40 39 40 39
4. 輸送・配送(上流) 93 81 70 72 72
5. 事業から出る廃棄物 13 10 6 6 6
6. 出張 2 2 2 2 2
7. 雇用者の通勤 5 5 5 5 5
8. リース資産(上流) ※1 - - - - -
9. 輸送・配送(下流) ※2 - - - - -
10. 販売した製品の加工 ※3 - - - - -
11. 販売した製品の使用 ※4 - - - - -
12. 販売した製品の廃棄 49 43 40 43 40
13. リース資産(下流) ※1 - - - - -
14. フランチャイズ ※1 - - - - -
15. 投資 9 10 11 9 8
Scope3(Scope1・Scope2以外の間接排出) 1,194 1,097 956 987 931
Scope1(燃料の使用などに伴う直接排出) 97 86 81 79 78
Scope2(電力や熱などのエネルギー使用に伴う間接排出) 149 96 75 56 46

※1:事業の性質上、該当なし

※2:当社グループが荷主となるさらに先の輸送・配送については、詳細な把握ができず算定が困難であるため対象外とした

※3:当社グループの製品は素材がメインであり、用途や加工法も多岐にわたり詳細の把握が困難であるため、WBCSDが策定した化学セクターのガイドラインに基づき対象外とした

※4:当社グループが販売する製品において、使用時のGHGはないため対象外

集計対象は、GHGプロトコルの経営支配力基準に基づき、住友ベークライトおよび連結子会社としています。

算定方法:
サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出量の算定のための排出原単位データベース ver. 3.6 および一般社団法人サステナブル経営推進機構 IDEA ver. 4.0 の排出係数を使用

※★で示す数値については、サステナビリティレポートで開示される値に対して、KPMGあずさサステナビリティ株式会社による第三者保証を受けている。

フロン排出抑制の取り組み

「フロン類の使用の合理化および管理の適正化に関する法律(フロン排出抑制法)」に基づき、当社では各事業所への法令周知を徹底するとともに、所有する業務用冷凍空調機器等(第一種特定製品)の適切な管理とフロン漏えいの予防に取り組んでいます。
定格出力7.5kW以上の機器を対象とした専門的な定期点検に加え、法令で定められた簡易点検も確実に実施する体制を維持しており、特に生産拠点においては機器の設置台数が多くなるため、更新時の抜けや点検漏れが発生しないよう、毎年の社内監査を通じた管理体制の強化に努めています。
さらに、オゾン層の保護や地球温暖化の抑制に向けて、オゾン破壊係数ゼロで温暖化係数の低い冷媒への切り替えを積極的に推進しています。既存の機器については「フロン排出抑制法」に基づき、特定フロン(CFC、HCFC)を含むフロン漏洩量を適切に算定し数量を把握しています。
当社のこれらの取り組みが評価され、経済産業省および環境省と連携して「フロン排出抑制法」の普及と順守を推進する一般財団法人日本冷媒・環境保全機構(JRECO)による「第5回 JRECOフロン対策格付け」において、前年に続き最高ランクの「A」に選出されました。

第5回 JRECOフロン対策格付け表彰式

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