リスク管理
当社グループにかかわる環境課題(化学物質管理を含む)に関するリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、下記のページに記載のリスクマネジメント体制・リスクマネジメントプロセスに沿って実施しております。
主な取り組み
ライフサイクル全体の化学物質管理
WSSDで合意された2020年目標では、化学物質の製造と使用による健康と環境への悪影響を最小化することを目指して、製品の開発から製造・使用・廃棄に至るまでの製品ライフサイクル全体を通じた総合的な化学物質管理が世界的に求められました。以降、各国で法規制がより厳格化されており、当社グループでも法規制を順守した活動を行っています。
2030年のSDGsの達成に向けて、各国政府が積極的に取り組みを行っています。当社グループ(国内外に展開する各工場、研究所)でもレスポンシブル・ケア活動の一環である化学物質管理を通して、SDGsに取り組んでいます。
当社グループの化学物質管理では製品開発段階から国内外の化学物質関連法規制を事前に調査・審査するしくみを設けて、含有化学物質を管理することで、各国の法令を順守して、製品ライフサイクル全体を通じて環境への悪影響を最小化するよう取り組んでいます。
環境への影響を最小限に抑えつつ、業界における高い信頼を獲得するため、以下の施策を通じて、リスク評価と管理体制の強化を推進しています。
1. 化学品管理に関わる国際基準の順守
〈国内法規制対応について〉
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)、労働安全衛生法(安衛法)の新規化学物質届出、毒物及び劇物取締法(毒劇法)による取扱責任者設置や記録保管を行っています。改正安衛法にて2024年より物質が追加となっており、SDS更新を含めた対応を行っています。
〈海外法規制情報およびインベントリ情報の最新化〉
製品のグローバル展開を念頭に置き、各国の化学物質規制やインベントリ情報を最新の状態で管理を進めております。法規制専門家チームが、REACH規制(EU)、TSCA(米国)、K-REACH(韓国)等の最新動向をモニタリングし迅速に対応しています。化学物質総合管理システムを活用し、グローバルな視点で製品開発や販売時のリスクを最小化しています。
2. 化学物質のリスク管理の取り組み
〈① 調査計画段階(ゲート1/採用部門の上司承認)〉
新規原材料評価時に、研究担当者は原材料メーカーから最新版SDSを入手し、懸念物質・禁止物質の非含有確認を行います。承認後、評価用サンプルを入手します。
〈② 設計開発段階(ゲート2/新規原材料採用審議会の合議)〉
商流や価格、BCPを含む供給安定性を調達本部で調査、新規化学物質届出状況(国内、出荷予定国)や禁止物質非含有保証書などの資料を収集します。「新規原材料採用審議会」でリスク評価を実施し、使用可能性を総合的に判断します。
〈③ 生産準備段階(ゲート3/新規原材料採用伺い・生産担当事業所長の決裁)〉
購入仕様書や禁止物質非含有保証書などの最終資料を整備し、新規原材料採用伺いを回覧して関係者で製造上の健康・環境安全性の最終確認を行います。
〈④ 定常生産段階〉
各事業部は品質保証推進部、環境・安全推進部と連携し、法規制変更や懸念物質リストの更新情報を継続的に収集します。製品SDSの内容確認・更新および顧客への発行を実施します。
メーカー | 研究 | 事業部 | 調達 | 環境安全 | レビュー | |
①調査計画 | ● | ● | SDS入手。 懸念物質、禁止物質確認。 |
|||
②設計開発 | ● | ● | ● | ● | ● | 化学品法規確認。 供給安定性、リスク確認。 |
③生産準備 | ● | ● | ● | ● | ● | 購入仕様書締結。 原料登録。製造上安全確認。 |
④定常生産 | ● | ● | ● | ● | ● | 法令情報継続確認。 新規出荷国登録、SDS発行対応。 |
3. 最先端の化学物質管理システム導入によるSDSの発行・提供
化学物質総合管理システムを導入し、国内外の法規制情報開示、自主的な情報公開のため、製品の安全データシート(SDS)の発行と提供を効率的に行っています。
化学物質の危険有害性や規制情報が記載されたSDSを国際規格(GHS)に準拠して作成、顧客や取引先へ各国言語に対応したSDSをオンラインプラットフォームで46か国に向けて提供可能な体制を整えています。
- ※1 SDS: Safety Data Sheet(安全データシート)の略。化学物質の安全情報を記載したシートで、ほかの事業者に出荷する際に添付します。
- ※2 GHS: The Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)の略です。
- ※3 ExESS: 多言語でSDSを作成発行するシステム。2020年に導入しました。
●当社のSDS提供対象の国と地域
(2025年4月1日現在、最新版として提供可能なSDSの件数)

- ※SDS提供対象の国と地域:46の国と地域(アジア:12、欧州:23、北米:3、中南米:3、オセアニア:2、中東:2、アフリカ:1)
4. 製品ライフサイクル全体を通じた総合的な化学物質管理活動の推進
全社横断的な化学物質総合管理を行うため、研究、営業、品保、調達等が定例打合せに参加し、課題共有、継続的改善を行っています。
5. 化学物質管理・法規制に関する教育プログラム
従業員や取引先の意識向上とスキルアップを目的に、全社員を対象に教育プログラムを実施しています。
e-ラーニングや社内冊子内による啓蒙活動、Web社内内部セミナーや外部講師を招いたセミナー等を行っています。
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