リスクマネジメント

リスクマネジメント体制

当社グループのリスクマネジメント体制は下記のとおりです。

●サステナビリティ推進委員会

当社グループのサステナビリティ活動を継続的かつ全社的に行う母体として設置しています。下部委員会であるリスクマネジメント委員会の方針・計画・実績・外部公表する項目および数値について承認し、これらを取締役会に報告しています。

●リスクマネジメント委員会

当社グループの経営成績等に重要な影響を与える主要リスクの選定、主要リスクの対応策の妥当性確認、追加検討すべき対策についての指示などを個別リスク主管部、各事業部門に対して行っています。リスクマネジメント委員会の委員は、社長、事業統轄役員、個別リスク主管部の長で構成されています。

「リスクマネジメント委員会」の活動の状況については、「サステナビリティ関連詳細データ(ガバナンス)>リスクマネジメント関連」をご覧ください。

リスクマネジメント体制

●個別リスク主管部

総務本部・人事本部・経理企画本部・生産技術本部・研究開発本部・IT推進本部・調達本部などの個別リスク主管部は、所管するリスクについて、当社グループの各事業部門と連携を取りながら、当社グループ全体の対応策を立案・推進しています。

●各事業部門

当社グループの営業部門、工場、研究開発部門などの各事業部門は、本来業務の一部として、自部門、自社の業務遂行上のリスクを適切に管理するためにさまざまな対策を講じています。

なお、上記のほか、当社グループは「コーポレート・ガバナンス」に記載のとおりのコーポレート・ガバナンス体制を整え、リスクマネジメントを含む内部統制システムを整備・運用しています。

主要リスクの選定・承認フロー

当社グループにおける主要リスクの選定・承認は年1回実施しており、そのプロセスは次のとおりです。

  • リスクマネジメント委員会は、各事業部門・個別リスク主管部の統轄役員から「主要リスク抽出質問票」(リスクの内容と当該リスクが顕在化した場合の影響、影響度、発生可能性について、個別リスク主管部・各事業部門が抽出したリスクを踏まえ、統轄役員が分野ごとに主要リスク候補を選定の上、統轄役員としての評価を記入)の回答を収集。
  • 「主要リスク抽出質問票」の回答をもとに、リスクマネジメント委員会にてリスクマップの作成、主要リスクの選定・承認、主要リスクに対する次年度の対応計画への反映を実施。
  • サステナビリティ推進委員会は、選定された主要リスクおよび主要リスクに対する対応計画を承認し、取締役会に報告。

なお、2026年度に取り組むべき主要リスクの選定(2025年度に選定)より、主要リスク選定のプロセスのうち、以下の点を一部変更しました。

  • 影響度×発生可能性の段階を3×3から4×4に変更のうえ、影響度のレベル選択の目安を当社グループの規模に合わせる見直しを実施することによる、リスクごとの差異を明確化
  • 「主要リスク抽出質問票」の構成と作成手順の一部変更による、統轄役員による評価結果の可視化とリスクのとりまとめ過程の可視化
主要リスクの選定・承認フロー

●影響度のレベル選択の目安 (下記の複数が当てはまる事象については、一番影響度のレベルが高いものを選択してください)

影響度 小 ――――――――――――――→ 影響度 大
1 2 3 4
金銭的影響 ~1億円 1~10億円 10~100億円 100億円超
人命への影響 休業4日以上の災害 休業1か月以上の災害 後遺症が残る重篤災害(※) 死亡者が1名以上発生
評判への影響
(レピュテーション)
日常の管理で解決する マスメディア・ウェブ媒体に(悪い意味で)小さく取り上げられる マスメディア・ウェブ媒体に(悪い意味で)大々的に取り上げられる 一般的な社会問題になる
一部の取引先や消費者の信用を失う 一部の取引先や消費者の信用を著しく失う
稼働への影響 1拠点に限り1週間程度の稼働に影響 1拠点に限り1か月程度の稼働に影響 1拠点に限り3-6か月程度の稼働に影響 1拠点に限り1年以上稼働に影響
複数拠点で1週間程度の稼働に影響 複数拠点で1か月程度の稼働に影響 複数拠点で3-6か月程度の稼働に影響

※1-14等級(社内定義)

●発生可能性のレベル選択の目安

発生可能性 小 ――――――――――――――→ 発生可能性 大
1 2 3 4
発生可能性はきわめて低い 発生可能性は低い 発生可能性が高い 発生可能性が非常に高い
中長期的(3-5年)に発生 短期的(1年)に発生 頻繁に発生

主要リスクの内容と顕在化した際の影響、主要リスクへの対応策

当社グループは、前述の主要リスク選定のプロセスに基づいて、グループの事業に重要な影響をおよぼす可能性のある主要リスクを以下のとおり抽出するとともに、これらを機会と捉え、対応を進めることで将来の価値創造につなげます。
2026年度に取り組むべき主要リスク(2025年度に選定)は 、①災害・事故・パンデミック、②地政学リスク、③情報セキュリティインシデント、④環境負荷低減対策(気候変動対応含む)、⑤法令および規制への対応、⑥製品の品質、⑦原材料の供給問題・価格変動、⑧人的資本リスクの8項目です。

リスク リスクの内容および顕在化した場合の影響 対応・機会
災害・事故・パンデミック
発生可能性 2
影響度 3
内容
  • ●地震、爆発・火災、風水害、パンデミック
対応
  • ●BCPの策定・対策の妥当性の毎年検証、BCPの見直しおよび訓練の継続実施
  • ●適正在庫の確保、生産体制の二重化、予備品の増強等による減産対応や持続性確保のための対策の実施
  • ●「爆発・火災」の原因解明・対策立案・グループへの対策展開、異常予兆管理システムの運用継続
影響
  • ●近隣住民・従業員の人的被害、施設・設備の損壊、電気・ガス・水道・通信機能の停止による製品供給への支障、サプライチェーン分断による事業活動の継続への支障
  • ●多額の損害賠償の請求など
機会
  • ●BCP対応の充実化による顧客との取引拡大・取引継続
地政学リスク
発生可能性 2
影響度 4
内容
  • ●各国の経済安全保障政策が強化され、最先端技術の国外流出を阻止するための法規制や、制裁・法規制の対象となった企業との輸出入取引や資金決済が停止
対応
  • ●専門家や政府関係機関等からの情報収集、海外拠点の危機管理マニュアルの整備、実効性の強化
  • ●影響を軽減、極小化するため、輸出入規制や経済制裁などの情報収集、マルチファブ化やマルチソース化
影響
  • ●情勢変化に対応できない場合、刑事罰や行政罰や民事訴訟、信用失墜
  • ●従業員の人命・資産に対する脅威、物流・調達・インフラの寸断による事業継続への支障
情報セキュリティインシデント
発生可能性 2
影響度 4
内容
  • ●サイバー攻撃による重要なシステムの誤作動や停止、保有する機密情報の流出
  • ●生産現場におけるIoT機器の利用拡大等のスマートファクトリー化による、工場OT(Operational Technology)機器へのセキュリティリスク増加
対応
  • ●組織横断的機関「SUMIBE-CSIRT」の設置、有事に経営層を含めた対応や外部機関との連携を行う体制の構築
  • ●脆弱性対応徹底、対策製品導入によるリスク検知、外部機関によるセキュリティ評価、サイバー攻撃の常時監視等の対策
  • ●国内外の全役員・従業員を対象に情報セキュリティ教育を定期的に実施するなど、予防強化と意識向上を推進
  • ●社内でのインシデント発生訓練に加え、外部団体との合同訓練にも参加
  • ●セキュリティ人材強化策として「情報処理安全確保支援士」の取得促進、国外拠点へのセキュリティ人材配置・育成
  • ●「OTセキュリティ対策委員会」を設置し、OTセキュリティに係る対策基準の浸透や社内教育の実施等の活動を推進
影響
  • ●信用失墜、事業活動の混乱や停滞、取引先等への補償等の費用発生
機会
  • ●情報セキュリティ管理体制の整備・運用の維持改善による顧客との取引拡大・取引継続
環境負荷低減対策
発生可能性 2
影響度 3
内容
  • ●気候変動問題(温室効果ガス排出規制の強化、カーボンプライシングなど)
対応
  • ●2030年温室効果ガス排出量削減目標(Scope1+2:2021年度比48%削減、Scope3:2021年度比25%削減)に向け、再生可能エネルギー由来の電力への切り替え拡大、サプライチェーンとの協力による削減の取り組み加速、インターナルカーボンプライスの導入による、GHG排出量削減を目的とする設備投資の促進
  • ●環境負荷低減に必要なイノベーション技術の開発、産学官連携プログラムや産業界プロジェクトへの積極参画
  • ●SDGs貢献製品の売上収益比率目標達成への取り組み
  • ●TCFDタスクチームによる当社主要事業についてのシナリオ分析
影響
  • ●対策の遅延による市場からの淘汰
機会
  • ●SDGs貢献製品の需要拡大
法令および規制への対応
発生可能性 1
影響度 4
内容
  • ●機能性化学品メーカーである当社グループの事業内容に密接にかかわる法令・規制の大きな変化
対応
  • ●コンプライアンス委員会による違反リスクの極小化、しくみづくりの推進、意識の啓蒙活動の推進
  • ●個別リスク主管部によるしくみづくりや教育の実施、事業部門への指導・支援、内部監査部門によるモニタリング
  • ●各国の最新の化学物質規制への対応をキャッチアップ可能な管理システムの運用・維持管理によるリスクの低減
  • ●役職員だけでなく、ステークホルダーも通報可能なコンプライアンス通報制度の運用
影響
  • ●法令・規制の変更に対する新たな対策コストの発生
  • ●法令・規制に抵触した場合の刑事罰・課徴金・民事訴訟による多額の損失発生、信用失墜
機会
  • ●法令・規制への対応、コンプライアンス体制の整備・運用の維持改善による顧客との取引拡大・取引継続
製品の品質
発生可能性 1
影響度 4
内容
  • ●大規模な製品事故
  • ●科学技術の進歩や顧客市場や使用方法の変化による上市後に顧客等から求められる品質管理水準の高度化
対応
  • ●国際的な品質管理基準に準拠したマニュアルに従った設計管理から製造・販売までの一貫した品質管理体制の構築
  • ●有資格者による品質管理状態の毎年度実地検証、FMEA・FTAを用いた潜在的リスクの洗い出しと低減対応の実施
  • ●国内主要工場におけるAI/IoT技術を駆使した人的変動要素排除とトレーサビリティ強化、海外主要工場への展開
  • ●国内外全事業所で発生した品質問題を一元管理可能なシステムの構築、品質問題に対する対応・対策の効果性検証
影響
  • ●損害賠償やリコール等で多額の費用負担、信用失墜による経営成績等への悪影響
  • ●品質管理水準の高度化による予期せぬ品質問題の発生
機会
  • ●品質管理体制の維持改善による顧客との取引拡大・取引継続
原材料の供給問題・価格変動
発生可能性 4
影響度 3
内容
  • ●原材料メーカーの事業ポートフォリオ見直しによる事業撤退
  • ●各地の紛争等の地政学要因、自然災害による供給問題
  • ●物流の2024年問題、法令改正、環境規制の強化に起因する供給不安
  • ●円安、原油・非鉄金属などの相場に連動した価格の高騰
対応
  • ●重要原料の調達先の複数化、適正在庫の確保などによるリスク低減の実施
  • ●重要原料の国内調達先とのBCP対策実施・計画作成、重要原料の欧米・中国調達先との代替品や安全在庫の確保に向けた対応
  • ●新規原材料採用時にBCP対策確認、禁止物質等を含まないことを基準に設定し、リスク低減を実施
  • ●主要原材料の価格変動に対するフォーミュラ制(原料価格変動分を製品価格に自動反映)の適用
影響
  • ●売上減少や収益性の悪化、事業の継続への支障
機会
  • ●BCP対応の充実化による顧客との取引拡大・取引継続
人的資本リスク
発生可能性 3
影響度 3
内容
  • ●少子高齢化による労働力人口の減少による、必要な人材の確保・維持ができない
  • ●未来予測が困難な時代に即した柔軟な組織マネジメントができない
  • ●DX推進に必要な人材が確保できない
  • ●キーパーソン・有能な社員の離職転職、人材採用遅滞による重要業務の停止・停滞・遅延
対応
  • ●DE&I推進による、多様な人材の活躍によるイノベーション創出
  • ●マネジメント教育充実・360°評価を用いた教育拡大による、マネジメント層のリーダーシップ強化、個人・組織のパフォーマンス向上
  • ●新卒+キャリアのハイブリッド採用推進
  • ●データサイエンス活用・DX推進関連教育講座増設、データサイエンティスト社内認定制度導入、各種教育を通じたデータ活用人材輩出
  • ●エンゲージメントサーベイの分析結果をもとに必要な施策をとり、従業員のエンゲージメント向上・パフォーマンス向上
影響
  • ●事業継続に支障

なお、上記に掲げる主なリスクは、当社グループに関するすべてのリスクを網羅したものではなく、記載された事項以外の予見しがたいリスクも存在します。有価証券報告書にも個々のリスクとその対応・機会を記載していますので、併せてご参照ください。

事業継続計画(BCP)

想定される災害・事故のうち、「地震」「爆発・火災・漏洩」「風水害」「パンデミック」を重大事態と位置付けています。こうした事態発生時の事業の継続性を確保するため「事業継続計画(BCP)」を作成し、必要に応じて取引先と共有しています。これまで、製品や原材料の適正在庫の確保、生産体制の二重化、予備品の増強や復旧体制の制度化といった対策を実施してきました。また、調達先各社の協力を得て、サプライチェーンにおける上流のBCP確認と追加対応策の検討、当社グループで引き起こされる可能性のある火災・爆発への未然防止対策として、AI・IoT技術を応用した異常予兆管理システムを国内外の事業所に展開済みです。
パンデミック発生時の社内対応については、「全社『新型感染症』対策マニュアル」に基づき、2020年から2023年にかけての新型コロナウイルスによるパンデミックの際と同様、本社に緊急対策本部と対策事務局を設置し、感染状況に応じた対策を検討し、都度通知文を発信するなど柔軟に運用いたします。関係会社においても、このマニュアルを参考に、所在国の法令・規制や就業規則の違いなどを考慮した対策体制、行動計画等に基づき対応します。
なお、当社グループでは、科学技術の進歩や気候変動の影響により、重大事態と位置付けた災害・事故の発生頻度や影響の大きさ・範囲は、毎年変化するものであると認識しており、現在のBCPの妥当性を最新の情報を踏まえて毎年検証しています。今後もBCPの見直しおよび訓練を実施していきます。

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