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コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスに対する基本的な考え方

当社グループは、プラスチックのパイオニアとして、プラスチックにより高度な機能を創出し、当社の製品を利用することにより「うれしさ」を提供して、お客さまをはじめ当社を取り巻くさまざまなステークホルダーの価値の創造に貢献したいと考えています。そのためには、社会から信頼され、社会に必要とされることが重要であり、コンプライアンスの徹底をはじめ社会・環境への適合性の高い経営、経営を取り巻くリスクへの対処が効率的かつ効果的に行われる体制の構築を進めています。

コーポレート・ガバナンス強化の取り組み

2002年 社外取締役1名を選任
2004年 経営の意思決定迅速化・経営責任の明確化を図るため、執行役員制度を導入し、取締役の員数を17名から8名に削減
2005年 取締役の任期を2年から1年に短縮
2015年 社外取締役を1名から2名に増員
2016年 取締役の指名・報酬について独立社外取締役の意見聴取を行う仕組みとして、指名・報酬諮問委員会を設置
社外取締役を2名から3名に増員
社外監査役として女性監査役1名を初めて選任
取締役会実効性評価を開始
2018年 社外役員との情報交換・認識共有を図る場として、社外役員会を設置
2021年 社外取締役として女性取締役1名を初めて選任
独立社外取締役3名体制(取締役の1/3)
指名・報酬諮問委員会の権限を強化し、独立社外取締役が過半数を占める指名・報酬委員会に改組
2023年 役員に対する譲渡制限付株式報酬制度の導入

経営体制

取締役会

当社は、監査役設置会社であり、2023年6月22日現在、取締役9名(うち独立社外取締役3名)、監査役4名(うち独立社外監査役2名)を選任しています。取締役会の議長は、代表取締役社長が務めています。

例月の取締役会では、重要な業務の決定とともに、月次の業績の報告と各取締役から重要な業務についての進捗などが報告され、議長は十分な議論が行われるよう配慮し、監査役からの意見や報告を聴取しています。なお、競業取引や利益相反取引に該当する場合には、あらかじめ取締役会で承認を得るとともに、事後適宜にその結果を報告することとしています。

監査役会

監査役会は、常勤監査役2名および非常勤の独立性を有する社外監査役2名で構成されており、財務・会計・法務に関する知識を含む適切な経験・能力を有する者からなる多様な構成を維持し、公正不偏で効率的な監査活動を実施していく方針です。また、監査役の指揮命令下で、監査室との兼務で内部監査に関する知見を有するスタッフ(監査役付属)1名が監査役会および各監査役の活動を補佐しています。

監査役会は、取締役会に先立ち月次で開催するほか、必要があれば臨時に開催することとしており、2022年度は19回開催し、開催時間は平均1時間13分でした。また、監査役会は、実効性向上のために毎年度監査活動を振り返り、その実効性の評価・検証を全監査役で議論しています。

監査役会は、会計監査を行う有限責任 あずさ監査法人との間で、監査法人の年間監査計画、リスクの評価、監査上の論点、監査の進捗などに関して相互に協議や情報交換を行っているほか、常勤監査役が監査法人による海外子会社の往査への同行や、国内の事業所や子会社の往査の監査講評会への参加などを行い、相互連携を深め、会計監査の信頼性の確保に努めています。

監査役会は、取締役会や監査役監査の実効性をより高めるため、社外取締役との連携も重視しており、取締役会の前に後述の社外役員会に全監査役が出席し、意見の交換や経営に関するさまざまな情報の共有を行っています。

常勤監査役は、社長と並行して個々の内部監査の結果報告を受けているほか、内部監査の監査講評会や往査への立ち会い、さらには内部監査を行う監査室との原則四半期ごとの会合を通じて、監査計画、監査アプローチ、結果報告、監査後のフォローの各段階について、その実効性の確保に向けた助言や意見交換を行っています。常勤監査役は、それらの状況を適宜監査役会に報告するほか、毎年社外監査役も加わって監査室と交流会を開催するなど、監査役会は監査室とも緊密な連携を保っています。

各監査役は、監査計画に基づいて、取締役会をはじめとする社内の重要な会議に出席するほか、代表取締役社長と定期的な会合を行う(原則四半期ごと)などの監査活動を行い、これらの監査活動を通じて気づいた事項について、取締役や業務執行部門に適宜課題提起や提言を行います。その中で、常勤監査役は、常勤者としての業務分担に従って、重要な稟議案件の回覧を受けているほか、リスクマネジメント委員会やコンプライアンス委員会などの重要な会議への参加や、事業所や子会社への往査および会計監査人や内部監査部門が行う往査への立ち会いを積極的に行っています。さらに、子会社の監査役との連携を深めるため、子会社の監査役との交流会や監査の実施状況に関する情報交換を行っています。

執行役員制度・役員連絡会

当社は、執行役員制度を導入し、取締役会で選任する執行役員は業務執行の責任者として、取締役会で決定された方針に基づいて社長の指揮・命令のもとで業務を執行しており、2023年6月22日現在、執行役員20名(取締役兼務者6名を含む)を選任しています。

毎月1回取締役、執行役員および監査役で構成する役員連絡会を開催し、取締役会で決定された方針や重要事項が周知されるとともに、業績の報告および各執行役員からの業務の執行状況の報告がなされ、重要事項のレビューおよび情報の共有が行われています。

なお、2023年6月22日時点における当社の役員(取締役、監査役および執行役員)27名のうち男性は23名、女性は4名であり、女性の比率は約15%となっています。なお、監査役1名を除き、全員50歳を超えています。

社外取締役・社外監査役

社外取締役阿部博之氏は、大学教授としての専門的知識、豊富な経験および幅広い見識を有しており、これらの知見を生かして客観的な立場から適切な意見や貴重な助言をいただくことを期待しています。また、同氏には、指名・報酬委員会において委員を務めていただいています。

社外取締役松田和雄氏は、金融機関および事業会社の経営者として培った豊富な経験と幅広い見識を有しており、これらの知見を生かして客観的な立場から適切な意見や貴重な助言をいただくことを期待しています。また、同氏には、指名・報酬委員会において委員を務めていただいています。

社外取締役永島惠津子氏は、公認会計士としての専門的見地ならびに財務および会計に関する幅広い見識を有しており、これらの知見を生かして客観的な立場から適切な意見や貴重な助言をいただくことを期待しています。また、同氏には、指名・報酬委員会において委員を務めていただいています。

社外監査役山岸和彦氏は、弁護士としての専門的見地および経営に関する幅広い見識を有しており、これらの経験や知見を当社の監査に生かしていただいています。

社外監査役川手典子氏は、公認会計士および税理士としての専門的見地ならびに財務、会計および経営に関する幅広い見識を有しており、これらの経験や知見を当社の監査に生かしていただいています。

なお、当社は、取締役会の決議により、「取締役・監査役の独立性基準」を定めており、上記の社外取締役および社外監査役の各氏は、同基準に基づき独立性を有していると判断しています。また各氏は、株式会社東京証券取引所が定める独立役員として届出を行っています。

また当社では、社外取締役、社外監査役、総務本部・経理企画本部統轄取締役、総務本部担当執行役員、常勤監査役、総務本部および経理企画本部から構成する社外役員会を毎月開催しています。社外役員会では、当社グループの決算概況の報告、各セグメントの担当役員からの事業紹介、取締役会の議題に関する事前説明などを行っており、社外取締役および社外監査役との間で、当社グループの事業戦略や経営課題に関する情報の交換および認識の共有を図っています。

コーポレート・ガバナンス体制

体制図
2023年6月22日現在

指名・報酬委員会

当社は、取締役の指名・報酬等に係る取締役会の機能の独立性・客観性と説明責任を強化するため、独立社外取締役(株式会社東京証券取引所に対して独立役員として届出を行っている取締役をいいます。)が過半数を占める指名・報酬委員会(従来、取締役の指名および報酬等の額の決定に関して取締役会に答申を行ってきた指名・報酬諮問委員会を、権限を強化して2021年6月24日付で改組。委員長:代表取締役社長藤原一彦、委員:独立社外取締役阿部博之、松田和雄、永島惠津子)を任意に設置しています。

指名・報酬委員会は、取締役の指名に関しては、取締役の選任および解任、代表取締役の選定および解職ならびに代表取締役社長の後継者計画について審議を行い、その審議結果を踏まえて取締役会に対して答申を行うこととしています。また、取締役の報酬に関しては、取締役会の決議に基づく委任を受けて、取締役の報酬等(制度・方針を含む。)に関する事項について決定を行うこととしています。

2022年度においては、上記に従い、取締役の指名に関しては、取締役候補者の選定、社長の後継者計画および経営陣幹部の解任基準等について審議を行い、取締役の報酬に関しては、取締役の月額報酬および賞与の役位別の支給額を決定しました。

なお、同委員会は、2022年度において合計5回開催され、構成員の全員がそのすべてに出席しました。

役員報酬

取締役の報酬は、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能するよう、業績や株主価値と連動した報酬体系を構築することとしており、具体的には、役位に応じた固定報酬として「月額報酬」、事業の年度計画の達成への意欲を高めるための短期インセンティブとして「賞与」、および株主との価値共有を促進するための中長期インセンティブとして「株式報酬」により構成しています。ただし、社外取締役の報酬は、月額報酬のみとなっています。月額報酬は、在任期間中に毎月定額を金銭で支給することとし、経営環境や経済情勢などを総合的に勘案し、役位ごとに個別の支給額を決定しています。賞与は、事業利益に一定率を乗じて算出した額を支給総額とし、個別の支給額は、役位や職責などに応じて支給総額に一定率を乗じた額により算出しています。株式報酬は、譲渡制限付株式報酬とし、役位ごとに定めた支給額に応じた数の譲渡制限付株式を割り当てることとしており、その譲渡制限期間は、当社の取締役および執行役員のいずれの地位からも退任する日までとしています。当社の取締役(社外取締役を除く)の個人別の報酬などの総額に対する各報酬の割合は、当社の企業価値の持続的な向上を図るインセンティブとして機能するよう、役位や職責などに応じて適切に定めることとしています。

なお、取締役の個人別の報酬などの額を決定するにあたっては、指名・報酬委員会に対し、取締役会決議により、その決定を委任しています。

監査役の報酬は、基本報酬(月額報酬)であり、その総額および個別支給額は、株主総会で決議された報酬の限度額の範囲内で、監査役の協議により決定されます。

2022年度における役員報酬は、取締役(社外取締役を除く)8名に対して総額388百万円(月額報酬263百万円、賞与125百万円)、監査役(社外監査役を除く)2名に対して総額54百万円(月額報酬54百万円)、社外役員5名に対して総額58百万円(月額報酬58百万円)、また2022年6月23日開催の第131期定時株主総会終結のときをもって退任した取締役1名に対して退職慰労金制度廃止に伴う打ち切り支給額として36百万円を支給しています。なお、株式報酬は2023年度からの支給となります。

取締役会の実効性についての分析・評価

当社は、取締役会の実効性評価を毎年度実施することとしており、取締役会の構成員であるすべての取締役・監査役に対するアンケートに基づく自己評価・意見集約、その分析結果に基づく各会議体での議論・意見交換、これらを踏まえた取締役会での評価結果の総括・課題設定、そして課題の改善に向けた取り組みの実施というプロセスを通じて、PDCAのサイクルを回すことで取締役会の実効性を向上させることとしています。
2022年度の取締役会の実効性に関する分析・評価の結果の概要は、次のとおりです。

1.評価プロセス・評価方法

  • ・2022年12月開催の社外役員会(社外役員、総務本部・経理企画本部統轄取締役、総務本部担当執行役員、常勤監査役にて構成)において、前年度の実効性評価結果に基づく課題の改善に向けた取り組みの進捗を確認するとともに、2022年度の実効性評価の実施方針・方法について議論を行い、前年度に続きアンケートに基づく自己評価を行うのが妥当であるとの結論に至りました。
  • ・その結果を踏まえて、2023年1月開催の取締役会において、2022年度の実効性評価の実施方針・方法・アンケート項目等を確認した上で、2023年2月にすべての取締役および監査役を対象に、アンケートを実施いたしました。
  • ・アンケートでは、定量評価の観点から前年度に続き、「取締役会の構成」「取締役会の運営」「付議事項」「情報提供」を大項目として設定し、各設問を4段階で評価する方式といたしました。また、忌憚のない意見を収集することを目的として各設問に自由記述欄を設けるとともに、設問趣旨を設けることで焦点を絞ることとしました。アンケートの設問設定にあたっては、客観性・透明性を確保することを目的として、前年度に外部弁護士の意見も参考としたほか、前年度に認識された課題や当社の現状の取り組みを踏まえた内容といたしました。
  • ・上記のアンケート結果を匿名化した上で集計を行い、その集計結果をもとに、2023年4月開催の経営会議(常勤取締役が出席)および社外役員会でそれぞれ意見交換を行いました。これらの会議体での議論や提示された意見等を踏まえて、2023年5月開催の取締役会で審議を行い、次項以下のとおり、評価結果の総括および新たな課題とその改善に向けた取り組み方針の設定を行いました。

2.評価結果の概要および前年度に掲げた取り組みの対応状況

アンケートの結果、定量評価の観点では、前年度と比較して総じてポイントは向上しており、実効性は全体としては確保されていると評価いたしました。

また、前年度に取り組むべき事項を次のとおり定め、それぞれ対応を進めた結果、いずれも改善傾向にあることを確認いたしました。

  • ・取締役会報告資料の要点をより明確化し、簡潔明瞭化を進める。
    (主な対応)各議題のサマリー資料の準備。報告事項の焦点を絞ることを取締役会で審議。
  • ・取締役会付議案件のフォローアップ報告をより徹底する。
    (主な対応)従前経営会議のみで実施していた投資案件のフォローアップ報告を社外役員会および取締役会でも実施することを確認。
  • ・取締役会資料の早期提供を進めるとともに、新任役員への必要な知識習得の場の提供にも努める。
    (主な対応)取締役会の決議・報告に係るすべての資料を可能な限り事前に出席者に送付。新任取締役に対する弁護士講話を実施。

3.新たに認識した課題とその改善に向けた取り組みの方針

前述のとおり、全体としての実効性は確保されていると評価されたものの、相対的にポイントの低い設問もあり、これらの設問に対して、取締役会の審議事項における中長期にわたる議論の充実や、経営会議や社外役員会など他の会議体の議論の取締役会への積極的なフィードバックを求める意見がありました。そこで、これらを課題と認識し、次に掲げる事項を今後の取り組みの方針と位置付けることで、さらなる取締役会の実効性向上に努めることといたしました。

  • ・中長期の企業価値向上に資するテーマの取締役会での審議を強化する
  • ・付議に至る議論の共有を促進する

内部統制

当社グループでは、「基本方針(経営理念)」に基づき、会社の業務が適正に行われることを確保するための体制を整備しています。さらに、取締役会で定めた「内部統制システム構築の基本方針」(サステナビリティ経営やガバナンス強化の取り組みを踏まえ、そのさらなる推進を目指して、2023年2月28日開催の取締役会の決議により一部改定)に基づき、定期的に体制の見直しを行うとともに、内部統制のさらなる充実に向けたさまざまな活動に取り組んでいます。

財務報告にかかわる内部統制については、「財務報告に係る内部統制基本規程」に基づき、当社グループの財務報告の信頼性を確保するための体制を充実させ、内部統制の実施、評価、報告および是正などの適切な運営を行うとともに、会社情報の適時適切な開示を行っています。さらに「連結子会社の内部統制に係る包括的指針」により、子会社における内部統制構築および統制活動の持続的な運営を図るため、子会社が取り組むべき事項を明確にしています。

2023年3月31日現在の当社グループの財務報告にかかわる内部統制については、内部監査部門による評価の結果、有効であると判断しています。さらに会計監査人による監査の結果、財務報告にかかわる内部統制の評価について、内部統制報告書に適正に表示していることも認められました。

取締役および監査役のスキル・マトリックス

当社の取締役会は、会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図り、経営陣の業務執行を監督するという責務を遂行するための知識・経験・能力を備えた社内の取締役、および客観的な視点に基づいて会社の方針や業務執行に意見を述べることが期待できる社外取締役により構成していく方針です。取締役会が必要とする重要な知識・経験・能力などと各取締役との関係は、以下の表のとおりとなります。

2023年6月22日現在
氏名 会社における地位 知識・経験・能力など
企業経営 グローバル 営業・
マーケティング
製造・
生産技術
研究開発 サステナビリティ・ESG DX・
情報システム
財務・会計
藤原 一彦 代表取締役社長
社長執行役員
         
稲垣 昌幸 代表取締役
副社長執行役員
         
朝隈 純俊 取締役
副社長執行役員
         
小林  孝 取締役
専務執行役員
         
倉知 圭介 取締役
専務執行役員
         
平井 俊也 取締役
常務執行役員
         
阿部 博之 社外取締役          
松田 和雄 社外取締役          
永島惠津子 社外取締役          
  • ※本表は、当社の取締役会が必要とする知識・経験・能力などのすべてを表すものではありません。
    また、各取締役の知識・経験・能力などは、主なものに●印をつけています。

また、当社の監査役会は、財務・会計・法務に関する知識を含む適切な経験・能力を有する者からなる多様な構成を維持し、公正不偏で効率的な監査活動を実施していく方針であり、監査役会が必要と考える重要な知識・経験・能力などと各監査役との関係は以下の表のとおりとなります。

2023年6月22日現在
氏名 会社における地位 知識・経験・能力など
企業経営・組織運営 財務・会計 法務・コンプライアンス 内部統制・リスク管理 グローバル
竹崎 義一 常勤監査役    
青木 勝重 常勤監査役    
山岸 和彦 社外監査役    
川手 典子 社外監査役    
  • ※本表は、当社の監査役会が必要とする知識・経験・能力などのすべてを表すものではありません。
    また、各監査役の知識・経験・能力などは、主なものに●印をつけています。

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