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EZGlyco®論文紹介

Predicting Biochemical and Physiological Parameters:
Deep Learning from IgG Glycome Composition

Ana Vujic, Marija Klasic, Gordan Lauc, Ozren Polašek, Vlatka Zoldoš and Aleksandar Vojta

Int. J. Mol. Sci. 2024, 25(18), 9988; https://doi.org/10.3390/ijms25189988

Copyright: © 2024 by the authors. Licensee MDPI, Basel, Switzerland.
This article is an open access article distributed under the terms and conditions of the Creative Commons Attribution (CC BY) license.

ディープラーニングを用いたIgG糖鎖組成からの生化学的・生理学的パラメータの予測

背景

IgGは糖鎖修飾により機能が変化し、Fc領域では炎症調節、Fab領域では抗原結合や血清半減期に影響を与えることが知られています。また、IgGの糖鎖構成(グライコーム)は遺伝的および環境的要因の影響を受け、特定の疾患や健康状態のバイオマーカーとして有用であることが知られています。

本研究の成果

本研究では、研究参加者から収集したIgGグライコームのデータと、それに対応する生化学的・生理学的パラメータ(年齢、性別、BMI、血圧、コレステロールレベルなど)を用いて、ディープラーニングモデルを設計しました。研究の結果、IgGグライコームから生化学的および生理学的パラメータを高い精度で予測することができることが示されました。特に、年齢、BMI、血圧などの重要なパラメータについて、従来のモデル(例:線形回帰やランダムフォレスト)を上回る性能を示しました。また、IgGグライコーム内の特定の糖鎖構成が特定の生理学的状態や疾患の指標として有効であることも確認されました。この成果は、IgGグリコームが個別化医療や疾患予測における有望なバイオマーカーである可能性を示唆しています。
本研究は、AI(特にディープラーニング)とバイオマーカー研究を統合する新しいアプローチを提示しており、バイオメディカル分野におけるデータ駆動型研究の重要性を強調しています。将来的には、この手法を他の疾患やパラメータに応用することで、より広範な個別化医療の実現が期待されます。

※詳細は 論文 をご参照ください 

【Fig.1】グライコミクスデータにおける糖鎖ピーク間の相関 【Figure 1】グライコミクスデータにおける糖鎖ピーク間の相関

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