IgGは糖鎖修飾により機能が変化することが知られています。また、IgGの糖鎖構成は特定の疾患や健康状態のバイオマーカーとして有用であることが知られています。
今回はInternational Journal of Molecular Sciencesに発表された論文Predicting Biochemical and Physiological Parameters: Deep Learning from IgG Glycome Compositionをご紹介します。論文ではIgGの糖鎖修飾が生化学的・生理学的パラメータ(例:年齢、BMI、血圧など)に与える影響に着目し、ディープラーニングモデルを活用して解析を行いました。
その結果、IgGグライコームからこれらのパラメータを高精度で予測可能であり、従来の手法(線形回帰やランダムフォレスト)を上回る性能を示しました。また、特定の糖鎖構成が疾患や生理学的状態の指標として有効であることを確認しました。この成果は、IgGグライコームを個別化医療や疾患予測の有望なバイオマーカーとして活用する可能性を示しており、AIを活用したデータ駆動型研究の重要性を強調しています。
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