文字サイズ

糖鎖関連製品 O型糖鎖調製キット「EZGlyco® O-Glycan Prep Kit」

S-バイオ MENU

お問い合わせ

製品紹介

「EZGlyco® O-Glycan Prep Kit」は、タンパク質のO型糖鎖分析を飛躍的に容易化します。同梱されるプロトコル(操作手順書)に従って操作することで、糖タンパク質検体からのO型糖鎖の切り出し、精製、蛍光ラベル標識までの操作を安全かつ簡便・迅速に行うことが可能で、分析対象である糖鎖試料の調製がおよそ5時間で完了します。
本製品は、国立研究開発法人 産業技術総合研究所との共同研究成果に基づき、住友ベークライト株式会社が製品化したものです。本製品のO型糖鎖遊離工程には同研究所亀山昭彦上級主席研究員が開発されたO型糖鎖遊離法である「脱離オキシム化法(Eliminative Oximation)」を採用しています。


「EZGlyco® O-Glycan Prep Kit」操作イメージ

EZGlyco® O-Glycan Prep Kit 操作イメージ

特長

短時間でO型糖鎖を調製

約5時間の作業でO型糖鎖の切り出し、精製、2-ABラベル化までのすべての分析準備が完了、同日中に分析を始めることが可能です。
LC, LC-MS分析用の蛍光ラベル化 (2-AB) に対応します。

ピーリングを低減

O型糖鎖の切り出し反応時に生じる糖鎖の分解(ピーリング)を低く抑える試薬、反応条件を採用しています。
ピーリングの影響を最小限にすることで正確なO型糖鎖プロファイリングが可能です。

簡便・安全な操作

プロトコル化された簡便な一連の操作で糖タンパク質から標識済みO型糖鎖を調製します。
その際、専用の機器は不要です。また、毒物を使用しません。

高い回収率

独自の試薬によるO型糖鎖切り出しは、新規開発されたO型糖鎖精製ビーズと相まって高い効率でO型糖鎖を回収することを可能にします。

「EZGlyco® O-Glycan Prep Kit」の使用方法

用途

創薬研究・バイオ研究

糖鎖解析

  • ・バイオ医薬品の糖鎖修飾解析:研究開発、品質管理、工程管理
  • ・バイオマーカー探索研究:細胞、エクソソーム、血清など生体試料の大規模糖鎖解析
  • ・機能性食品の糖鎖分析:乳製品、植物、水産物の糖鎖分析

海外のお客様の声

  • “The O-glycan kit provided us with a straightforward and rapid workflow to profile O-glycans form isolated glycoproteins as well as from more complex samples.”
    Dr. Noortje de Haan, University of Copenhagen

  • “S-BIO’s EZGlyco® O-Glycan Prep Kit allows for relatively quick and reliable O-glycan analysis in support of ongoing BioPharma projects.”
    Jason Koch, Senior Analytical Scientist at a global animal health pharmaceutical company

2019年11月に開催されたSociety for Glycobiology Annual Meetingにて当社製品に関してポスター発表いただきました。
発表ポスターは こちら からダウンロードできます。

  • “I used EZGlyco® O-Glycan Prep Kit for O-glycan sample prep of fusion protein and found it to be highly sensitive in UPLC analysis. The chromatogram was comparable to hydrazinolysis method with the added advantage of good repeatability. Typically, it takes me 1 day or more for O-glycan sample preparation using traditional kits, but I was pleasantly surprised with the quick 5 hr method with this kit.”
    Senior Research Scientist, FivePrime Therapeutics

  • The operation is relatively convenient, and the protocol can be completed within 5 hours. Compared with other kits, there are fewer by-products.
    Alphamab Oncology new

  • This O-linked Glycan kit is very convenient to use, and the operation is simpler than the previous first version. It can conveniently and quickly separate the O-linked Glycan and get effective identification.
    TianQing Pharmaceutical Group Co., Ltd. new

仕様・価格

ご注文情報

医薬用外劇物

品番 品名 入数 参考価格(円)
BS-41601 EZGlyco® O-Glycan Prep Kit 10回分 114,000

注記

  • 輸送・保存条件:冷蔵(4℃)
  • 有効期限:製造日より2年間
  • 参考価格(税別)

実験例

ウシ胎児血清由来FetuinのO型糖鎖分析


ウシ胎児血清由来FetuinのO型糖鎖分析、ヒドラジン分解法との比較

よくあるご質問

Q1. O型糖鎖はどの程度遊離されますか?

A1.

ウシフェツインの解析で比較した場合、当キットによるO型糖鎖の回収量は、ヒドラジン分解法による回収の60%程度です。

Q2. なぜO型糖鎖の収率は高く、一方でピーリングは少ないのですか?

A2.

当キットではO型糖鎖遊離後に還元末端を保護することでピーリングを抑制しております。これによりある程度の回収率を保ちつつ、低ピーリングを実現しております。

Q3. どのような種類のO型糖鎖でも遊離することは可能ですか?

A3.

原理的にどのような種類のO型糖鎖も遊離することが可能です (アルカリβ脱離法に準じます)。

Q4. 分析可能な糖タンパク質の量はどの程度でしょうか?

A4.

タンパク質量として10 μg-100 μgを推奨しています。例えば、1~10 mg/mLのタンパク質溶液を10 μL未満で処理することを推奨しています。

Q5. サンプルにスクロースが含まれても問題ないでしょうか?

A5.

検体中にスクロース等の低分子化合物 (塩、安定化剤など) を多く含む場合、カラムが詰まったりシグナル値が低下する場合があります。特に単糖・二糖類を安定化剤としてサンプル中に含む場合、脱塩をかねて低分子除去ならびに溶媒置換を前処理として行うことをおすすめします。
詳しい前処理方法についてはアプリケーションノートをご参照下さい (こちらからダウンロードして下さい)。

Q6. サンプルはどのようなバッファーに溶解されているべきでしょうか?避けるべき特定の界面活性剤、可溶化剤などありますか?

A6.

安定化剤としての糖質及び塩・可溶化剤など他の成分を含まない中性水溶液を推奨します。具体的には、超純水の使用をお勧めします。SDS, Triton X-100については1%未満の濃度においてはO型糖鎖の遊離、精製において影響がないことは確認しておりますが、必要に応じてご検討ください。

Q7. ジスルフィド結合を多く持つ糖タンパク質からO型糖鎖を遊離できますか?

A7.

詳細な検討例はございませんが、低分子化合物による遊離反応であるため原理的には問題なく糖鎖は遊離されると考えています。しかしながら、各ユーザーの検体において条件の最適化などを検討されることをお勧めします。

Q8. N型糖鎖も遊離しますか?

A8.

N型糖鎖が遊離する場合も確認されています。LC分析においては、通常、溶出時間が大きく異なるためO型糖鎖解析に大きな影響はないと考えられます。

Q9. ウシフェツイン以外の糖タンパク質のO型糖鎖分析例はありますか?

A9.

ウシフェツイン以外ではエタネルセプト、ウシ乳由来カゼイン、ヒト血清、ブタ胃由来ムチンなどでO型糖鎖分析の実績があります。
アプリケーションノートをご参照下さい (こちらからダウンロードして下さい)。

Q10. ラベルフリーでO型糖鎖を回収可能ですか?

A10.

原理的には可能です。プロトコルのStep10)の後に、23)に移ることで無標識還元糖が回収できますが、必要に応じて条件検討をお勧めします。

Q11. 質量分析において2-ABラベルではMS感度が十分ではない場合、何か改善する方法はありますか?

A11.

Procainamideのご使用をお勧めしております。
アプリケーションノートをご参照下さい (こちらからダウンロードして下さい)。

Q12. LCクロマトグラム中の各ピーク#はどのようにO型糖鎖にアサインされていますか?各モデルタンパク質について論文情報と整合性はとっていますか?

A12.

各ピークのm/zとデータベースを照合し、O型糖鎖に帰属されたものについてはアサインしております。それ以外のピークにつきましては同定しておりません。一部の糖タンパク質、例えばFetuinでは論文情報との整合性は確認されています。(参考文献:K. Yamada et al.: "Rapid and sensitive analysis of mucin-type glycans using an in-line flow glycan-releasing apparatus", Analytical Biochemistry, Vol. 371, Issue 1, pp. 52-62 (Dec. 2007) )

Q13. Glycan Capturing Beads単体で購入可能ですか?

A13.

Glycan Capturing Beadsはキット付属品としての販売のみとなっております。