
Hepatocytes differentiate into intestinal epithelial cells
through a hybrid epithelial/mesenchymal cell state in culture
Shizuka Miura, Kenichi Horisawa, Tokuko Iwamori, Satoshi Tsujino, Kazuya Inoue, Satsuki Karasawa, Junpei Yamamoto,
Yasuyuki Ohkawa, Sayaka Sekiya and Atsushi Suzuki
Nat Commun 15, 3940 (2024). | https://doi.org/10.1038/s41467-024-47869-2
Copyright © Authors 2024
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培養環境における肝細胞の上皮/間葉ハイブリッド状態を介した腸管上皮細胞への分化
背景
肝細胞は肝臓の80%を占め、代謝、胆汁形成・分泌、薬物解毒、グリコーゲン貯蔵、タンパク質合成などの重要な機能を持ちますが、単層培養では迅速に機能を失い、上皮間葉転換を介して前駆細胞様の未熟な状態へ脱分化します。この脱分化はHippoシグナル経路、特にYapの活性化によって制御され、Wntシグナルの活性化やTGF-βの抑制などによって支持されることが知られています。しかし、脱分化の詳細な動態や維持機構、さらに脱分化細胞の分化能力については未解明な点が多く存在します。
本研究の成果
著者らは先行研究において確立された「マウスの肝臓から肝細胞を単離し、肝前駆細胞培養に脱分化する方法」を本研究に使用しました。得られた脱分化肝細胞(dediHeps)の再分化能を調べるためにPrimeSurface® 96Uプレートを使用して凝集塊を作製しました。その結果、 dediHepsはハイブリッドな上皮/間葉表現型を示し、この表現型が脱分化と維持に必須であることが明らかになりました。さらに、dediHepsは成熟肝細胞への再分化だけでなく、腸上皮細胞への分化能力を持ち、オルガノイド形成や結腸組織の再構築が可能であることが判明しました。これにより、dediHepsの再生医療への応用可能性が示されました。 |
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本研究におけるPrimeSurface®の使用方法
プレート: PrimeSurface® 96Uプレート
細胞: 脱分化された肝細胞(dediHeps)
播種密度: 3 × 103 cells/well
培地: 凝集塊作製用培地
解析: 培養開始5日後に凝集塊の免疫染色を行った。また単層培養との遺伝子発現比較も行った。また培養開始3日後、凝集塊をトリプシン処理してシングルセルにして、マウスへの移植試験に用いた。
※詳細は 論文 をご参照ください
品番 | 品名 | ウェル数 | 色 | ウェル 底形状 |
ウェル 容量 |
包装 | 参考単価 (円) |
参考ケース 価格(円) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
MS-9096U | PrimeSurface® 96Uプレート |
96 | 透明 | U | 300 μL | 1/包, 20/ケース | 1,730 | 34,600 |
注記
- 放射線滅菌済
- 保管温度: 室温, 有効期限: 製造後2年
- 参考価格(本体価格・税抜)
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