腫瘍抑制遺伝子FBXW7はがん幹細胞特性を抑制し、KCa1.1阻害(カルシウム活性化カリウムチャネル)がその機能に関与しますが、KCa1.1阻害によるFBXW7の転写調節や細胞内シグナルの詳細はまだ分かっていません。
今回はInternational Journal of Molecular Sciencesに発表された論文Transcriptional Up-Regulation of FBXW7 by KCa1.1 K+Channel Inhibition through the Nrf2 Signaling Pathway in Human Prostate Cancer LNCaP Cell Spheroid Modelをご紹介します。本研究ではヒト前立腺がんLNCaP細胞の3Dスフェロイドモデルを用い、KCa1.1阻害がAkt-Nrf2シグナル経路を通じて腫瘍抑制遺伝子FBXW7の転写活性を促進することを明らかにしました。
PrimeSurface® 96Uプレートで培養したスフェロイドにKCa1.1阻害剤を処理するとFBXW7の発現が有意に増加し、多能性マーカーc-Mycは減少しました。さらにsiRNAによるFBXW7抑制実験から、その転写制御が細胞のがん幹細胞性抑制に重要な役割を果たすことが示されました。これにより、新たな治療ターゲットとしての可能性が示唆されました。