人に頼らないモノづくりの進化
スマートファクトリー化により、人に頼らないモノづくりのさらなる進化を目指し、国内外の拠点で生産プロセスのデジタル化を進めています。生産開始時の条件設定の自動化、オートパイロット制御、ロボティクスなど、デジタル技術を積極的に活用することで、効率化と高度化を実現していきます。
生産ラインでの横持ち移動など付加価値を生まない作業に対し、ロボティクス技術の利活用をさらに拡大させるほか、生産主要設備のデジタルデータをフル活用したオートパイロット制御のさらなる適用範囲拡大、進化を実行していきます。
中国に新たに建設した半導体関連材料の工場などにもこれらの最新技術を導入しており、生産性向上や品質の安定化に貢献しています。
今後は、国内事業所のさらなる進化、およびM&Aなどにより子会社化した欧米生産拠点にも順次展開していきます。
各国の異なる文化や価値観に対しても十分に考慮し、世界規模でのモノづくり体制の構築を進めます。
DX人材育成
DX推進を支えるのは、それを担う人材です。当社では、全社員のDXリテラシー向上を目的に、スキルアセスメントを実施し、個々のレベルに合わせた研修プログラムを提供しました。
その結果、全社員のスキルアップが確認できており、2026年度はこれらの実績をもとに「DX推進人材育成プラン」を準備しています。
また、デジタル技術活用に関する実践的な研修に加え、対面での交流会を開催し、成功事例の共有や活発な意見交換を実施。全社員に向けた活用事例の配信も行い、組織全体のDXリテラシー向上を図っています。
さらに当社では生成AIの活用にも取り組んでいます。社員が自発的に生成AIを活用することを支援するため、個別相談やコミュニティ活動支援など、多様なサポートを提供しています。これらの取り組みを通じて、DX推進を担う人材の育成を強化し、競争優位の源泉となるDX推進体制を構築します。
Research Transformation(RX)の推進による研究・開発力アップ
当社は、人とデータが協奏して社会課題を解決する素材創造力の向上を目指し、研究・開発のDX「Research Transformatio(RX)」を推進しています。
この取り組みは、当社のビジョンである「お客様との価値創造を通じて、『未来に夢を提供する会社』」の実現に向けた重要な柱です。
RXの一環として、過去の技術情報を活用した独自の新商品企画支援AIエージェントを開発しました。研究者は従来活用が難しかった社内ナレッジを参照し、生成AIやビジネスフレームワークを有効活用することで、創造的な新商品企画案を迅速に生み出せるようになっています。
現在、複数の新商品企画が本AIエージェントを活用して進行中です。加えて、研究者が数クリックで高度なデータ分析を行うようなマテリアルズ・インフォマティクス(MI)ツールも社内展開しており、環境価値や社会価値を備えた新製品の効率的な開発を各面から推進しています。
材料開発における事例としては、モビリティ領域の新製品に向けた低比重かつ高弾性率の熱硬化性樹脂開発において、物性予測と分子生成AIを組み合わせた技術により、従来比3倍以上のスピードに研究開発を加速させることができました。この取り組みである「機械学習を活用した低比重かつ高弾性率の熱硬化性樹脂開発」は、第74回ネットワークポリマー講演討論会(主催:合成樹脂工業協会)で発表され、ベストプレゼンテーション賞を受賞するという高い評価を得ています。
これらの取り組みは、社内養成したデータサイエンティストが発案・主導しており、彼らがRX推進の一翼を担っています。今後もデータサイエンティストが研究現場でインフォマティクス技術を最大限に活かした活躍ができるよう環境整備を一層進め、社会課題の解決に資する革新的な製品をより迅速に市場に届けてまいります。


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