
経営の重要課題 副社長メッセージ
MATERIAL ISSUES
12の経営の重要課題を旗印に、
2030年ありたい姿に向けて
全社一丸で挑戦する
2030年ありたい姿から経営の重要課題を再定義
当社グループでは2015年に初めてマテリアリティを策定し、その後も見直しを行いながら、2023年まで取り組んできました。しかし、この10年弱の間にパンデミックや地政学的リスクの顕在化など、企業を取り巻く外部環境は大きく変化しています。こうした状況を受け、改めて当社グループの「経営の重要課題(マテリアリティ)」を一からつくり直し、将来に向けた持続的成長につながる取り組みを強化する必要があると判断しました。
中期経営計画2024-26の策定においては、2030年ありたい姿からのバックキャストの視点を取り入れ、財務目標と非財務目標の両輪による経営体制の構築を重視しました。この中で、重要課題の策定は、将来の社会・経済環境を想定し、サステナビリティ推進部が中心となって課題を明確にし、経営会議および取締役会で議論をしてきました。社外取締役を含む多様な視点で当社グループの社会的役割を再考したことで、より実効性と説得力のある経営の重要課題になったと実感しています。特に、非財務課題は従業員にとって、本業外の業務と受け取られることもありますが、今後の企業経営ではこれらが企業の価値を大きく左右する要素であり、未来の財務につながるものだという認識をさらに高めるため、取締役から現場レベルにまで、丁寧な対話と時間をかけた浸透活動を行ってきました。


中期経営計画と連動する「価値創造型」の経営課題
今回策定した12の経営の重要課題において、特に重視したのは「環境・社会価値の創造」です。これはSDGsの理念や、パリ協定に基づくカーボンニュートラルの方向性を踏まえたものであり、当社グループが掲げるパーパスを踏まえたビジョン「お客様との価値創造を通じて『未来に夢を提供する会社』」を実現するための課題です。また、「環境・社会価値の創造」を推進する「価値創造のアクセル」として顧客との共創、イノベーション、人的資本(人材の活躍)経営、DXの4つを、そしてこれらを支える「事業を継続する基盤」7つを重要課題に定めました。
当社グループは2024年度からの中期経営計画において利益基準の財務目標を明記しています。これは売上の量ではなく、「少ない資源で大きな価値を提供する」という本質的な価値創造に軸足を置いた指標です。カーボンニュートラルなどの環境対応には技術革新が不可欠であり、それを実現するための開発原資の確保も、利益基準による評価によって可能となります。また、技術革新を実現するためには、自律性と組織力が必要です。社内風土の変革に向けて、DE&Iを推進する専門部署の設置、従業員エンゲージメントの向上施策、リーダー層への心理的安全性に関する研修など、地道な取り組みを積み重ねています。その結果、経営層から現場まで、「挑戦を後押しし、失敗を許容する文化」が少しずつ醸成されつつあります。
経営の重要課題に対する取り組みを支えるのは、何よりも「人」です。世界中の従業員が一丸となって挑戦する風土が根付いたとき、住友ベークライトグループのさらなる飛躍が実現するものと信じています。
●12の経営の重要課題
