
環境・社会価値の創造 サステナビリティ担当役員メッセージ
VALUE CREATION
SDGs貢献製品と
GHG排出量削減で
環境・社会価値を創出し、
持続可能な未来へ
サステナビリティ推進部長
SDGs推進委員会 委員長 沖 博美
KPIを定め「環境・社会価値の創造」に貢献
環境・社会に貢献する新たな価値の創出を通して、既存事業および新規事業が将来にわたって利益を生み出せる構造を築くことを目指しています。その一環として、当社グループは、SDGs貢献製品売上収益比率と温室効果ガス(GHG)排出量削減率の2つをKPIとして設定しています。2030年の目標達成を見据えて年度ごとに目標を定めており、2024年度は両KPIとも達成しました。
SDGs貢献製品創出の取り組み
当社グループの環境・社会価値創造活動を牽引するSDGs推進委員会では、SDGs貢献製品・貢献技術・貢献活動を認定しています。2024年度は12回開催しました。当社グループの製品はほとんどがBtoBであり、複数の顧客を経て最終製品となり市場へ供給されます。そのため、SDGs貢献製品の認定にあたっては、どのターゲットに、どこで、どのくらい貢献するのか、実測または公開データに基づく客観的数値を判断基準とし、委員会で討議しています。特にSDGsゴールの7(エネルギー)、13(気候変動)の認定では、原料から最終廃棄までの「製品のライフサイクルにおけるカーボンフットプリント値」が重要な判断基準です。SDGsへの貢献実績があるように装う、いわゆる“ウォッシュ”にならないように、厳格な審査を心がけています。また、開発中の製品は“卵案件”と呼び、各研究所長をメンバーに加えた委員会で、毎月活発な意見交換を行い、メーカーとして開発段階からSDGs貢献を意識する文化を醸成しています。
温室効果ガス(GHG)排出量削減の取り組み
2020年3月に策定した「環境ビジョン2050」に基づき、カーボンニュートラル技術検討部会とライフサイクル(LC)部会を率いるカーボンニュートラル推進委員会で、GHG排出削減に取り組んでいます。2024年度は、年2回開催される委員会で当社グループの毎年の目標とそれに基づく拠点ごとの目標を共有し、加えてe-ラーニングなどの教育を繰り返し実施することで、当社全体での理解が進んだと感じています。具体的には、太陽光パネルの設置促進、再生可能エネルギー由来の電力採用について、委員会から導入や継続方法を指導しました。その結果2025年5月には、当社グループの掲げる「1.5℃目標」に適合した温室効果ガス削減目標(Scope1+2)が、SBTiから認定を受けました。Scope3については、カテゴリー1、4、5、12の削減を目指します。中でも、CO2排出量の7割を占めるカテゴリー1は個社では解決できない課題であるため、サプライヤーとの連携をさらに深める考えです。
サステナビリティの客観性と透明性を維持
当社グループは、「環境・社会価値の創造」を含めたサステナビリティの課題に今後も真摯に取り組んでいきます。その取り組みの一環として、外部機関による客観的な評価も重視しています。具体的な活動として、科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標の設定を推進する「SBT(Science
Based
Targets)」や、企業の社会的責任を推進する「国連グローバル・コンパクト」といった国際的なイニシアチブに参画しています。これらの活動を通して、サステナビリティへの取り組み姿勢を社内外に明確に示しています。
また、企業のサステナビリティに関する情報開示を推進する国際的な非営利団体である「CDP」や、世界的な株価指数プロバイダーである「FTSE
Russell」による評価を受けています。これらの評価結果を参考に、自社のサステナビリティへの取り組みを客観的に見つめ直し、継続的な改善に努めていきます。
さらに、顧客、従業員、投資家、地域社会など、多様なステークホルダーの皆さまとの意見交換や情報共有も積極的に行い、透明性と信頼性の維持・向上に努めていきます。