資源循環・廃棄物削減・汚染防止

方針・基本的な考え方

環境方針

当社グループは、環境課題(資源循環・廃棄物削減・汚染防止を含む)に取り組む方針として、環境方針を策定しており、下記のページに記載しております。

体制・ガバナンス

当社グループにかかわる環境課題(資源循環・廃棄物削減・汚染防止を含む)に関する監督・管理の体制は、下記のページに記載しております。

リスク管理

当社グループにかかわる環境課題(資源循環・廃棄物削減・汚染防止を含む)に関するリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、下記のページに記載のリスクマネジメント体制・リスクマネジメントプロセスに沿って実施しております。

指標と目標

マテリアルロス低減の推進

当社グループは、限りある資源を有効活用するため、廃棄物だけでなく有価物を含めたマテリアルロス全体の削減に積極的に取り組んでいます。

現在も、MFCA (Material Flow Cost Accounting) ※1の手法を活用した独自の製造工程分析やマテリアルロス削減活動を通じて、環境負荷の低減と資源の有効活用を継続的に推進しています。

今後も、徹底した無駄の発見と削減策の実行により、事業拡大に伴う生産量の増加とマテリアルロスの削減を両立させることを目指してまいります。

住友ベークライトグループ全体:マテリアルロス発生量

マテリアルロス発生量

化学物質排出量の削減

当社グループでは、化管法 (化学物質排出把握管理促進法) で定められた化学物質に加え、日本化学工業協会が独自に定めた化学物質についても削減対象として目標を設定しています。

国内の事業所においては、一部の事業所で有機溶剤を使用しない生産方式への切り替えが進められた結果、化学物質の排出量削減に寄与しています。

一方、海外の事業所では、特定のプロセスにおいて品質維持などの観点から化学物質の使用が避けられない状況が続いていますが、中長期的な視点で排出量を削減するための方策を引き続き検討・実施しています。

住友ベークライトグループ全体:化学物質排出量

化学物質排出量の削減

主な取り組み

廃棄物管理

当社グループでは、環境関連法規を順守し、地球環境への負荷軽減を目指した事業活動を行っています。国内事業所の廃棄物については、廃棄物処理法に基づき処理委託業者の現地確認ルールを設定し、マニフェストに基づいた発生量の把握と管理を継続しています。これらをもとに、発生量の最小化とリサイクルを推進し、有価物も含めたマテリアルロス全体の削減活動を進めています。

また、ポリ塩化ビフェニル (PCB) 廃棄物については、PCB特別措置法に従った対応を継続しており、高濃度PCB・低濃度PCBともに法令で定められた期限までに確実に処分を完了できるよう計画的に進めています。

一方、当社グループは、製品やサービスを通じて社会全体の環境負荷低減を重要視しており、「ライフサイクル全体におけるGHG削減を視野に入れた製品開発」に積極的に取り組んでいます。軽量化(減容化)、高寿命化、リサイクル可能設計、モノマテリアル化(単一素材化)などを実現する製品開発を通じて、GHG削減に加えサプライチェーン全体の廃棄物削減にも貢献します。

2024年度は、生産プロセスにおける突発的な要因の影響などにより、廃棄物の排出量が前年度比で増加しました。この課題に対し、廃棄物削減に向けた対応を着実に進めるとともに、長期的な目標達成に向けた取り組みを継続してまいります。

国内事業所:廃棄物排出量推移(処理先別)

国内ゼロエミッション対象物の推移
  • ※カウントしているのは、外部リサイクル、埋立量、内部焼却量、外部焼却量の合計です。
    2012年度以降は、国内事業所では内部焼却を実施していません。

資源循環への取り組み

リサイクル

資源の有効活用のため、リサイクルを推進しています。製品の製造工程でのフェノール樹脂反応廃液からのフェノール回収再利用や、フェノール樹脂積層板・メラミン樹脂化粧板の端材微粉砕によるフェノール樹脂成形材料用充填材としての使用、成形品副生物(スプルーランナー)を成形材料用原料に戻しての再利用などのほか、活性汚泥排水処理装置の余剰汚泥のコンポスト(有機肥料)としての再利用も行っています。

再生可能原料

当社グループでは、従来より主にフェノール樹脂や成形材料の原材料として、非可食性の植物由来原料(カシュー・ナット・シェル・オイル、松脂、木粉など)を「再生可能原料」として積極的に使用しています。

また、バイオマス原料を使用した食品包装用および医薬品包装用フィルムや、植物由来のリグニンを活用した環境配慮型フェノール樹脂成形材料を製品ラインナップに加えています。これら再生可能原料の使用比率は、現在、当社グループの全使用原料の約2.8%を占めています。

今後も、再生可能原料の特性を最大限に活かしながら、さらなる使用比率の向上を目指してまいります。

海洋プラスチック

海洋プラスチック問題については、政府のプラスチック資源循環戦略に基づき、使用する原材料や製造するプラスチック製品についての日常管理や、それらのリサイクルを進め、さらに製品開発の段階からLCAの検討を実施することで、プラスチック海洋ごみの削減に貢献すべく努めています。

現在、化学業界をはじめ流通・小売業界も含め、広くプラスチック製品のサプライチェーンにかかわる事業者が業種を超えた連携を目指して設立したクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)への参画を通じて、サプライチェーン全体でのプラスチック廃棄物の抑制、プラスチック製品の3R + Renewable による資源循環の推進を目指し、さまざまな課題に取り組んでいます。

大気への放出

当社は、長年にわたりボイラーの燃料転換(重油から都市ガスへの切り替え)を継続的に推進し、SOx排出量を大幅に削減してきました。
また、ボイラーの運転状態の最適化・安定化を図る対策を継続的に実施し、NOxやばいじんの排出量削減にも着実に取り組んでいます。
現在の低い排出レベルを維持するとともに、残存する重油の都市ガスへの転換計画を進め、環境負荷のさらなる低減を目指してまいります。

ばいじん排出量(国内事業所)

NOx排出量
  • ※集計対象については、住友ベークライトおよび国内連結子会社の事業所のうち、法令等で測定義務が生じる事業所。

NOx排出量(国内事業所)

SOx排出量
  • ※集計対象については、住友ベークライトおよび国内連結子会社の事業所のうち、法令等で測定義務が生じる事業所。

SOx排出量(国内事業所)

ばいじん排出量
  • ※集計対象については、住友ベークライトおよび国内連結子会社の事業所のうち、法令等で測定義務が生じる事業所。

水域への排出

工場からの排水のうち、汚水系(製造工程からの排水、生活排水など)については、高精度フェノール回収装置や活性汚泥処理装置などの処理設備を設置し、監視装置による常時監視を行うことで、国の定めた排水基準、条例および地域協定の順守を徹底しています。

また、冷却水を含む雨水系についても漏洩リスクアセスメントを実施し、突発的な負荷上昇の予防に努めています。

代表的な水質指標であるCOD負荷量は、長期的に見て低いレベルでの排出にとどまっていますが、今後もこの状態の維持および改善に向けた取り組みを継続してまいります。

COD負荷量

COD負荷量
  • ※集計対象については、住友ベークライトおよび国内連結子会社の事業所のうち、法令等で測定義務が生じる事業所。

土壌・地下水汚染への対応

当社グループは、化学物質の漏洩リスクアセスメントを全事業所で行い、予防的なしくみづくりとその実践を進めています。一方、過去の漏洩事故が原因で汚染が確認された場合は、環境影響・健康被害の拡大を防止するため、自主的な調査と対策を積極的に行っています。

2024年度は、重大な漏洩事故はありませんでした。

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