方針・基本的な考え方
環境方針
リスク管理
当社グループに関わる環境課題(資源循環・廃棄物削減・汚染防止を含む)に関するリスクおよび機会の識別、評価、ならびに管理は、下記のページに記載のリスクマネジメント体制・リスクマネジメントプロセスに沿って実施しております。
指標と目標
マテリアルロス低減の推進
当社グループは、環境負荷低減は収益向上の機会と捉え資源の有効活用率の向上に取り組んできました。廃棄物と有価物を含めたマテリアルロスの増加は、処理にかかわる負荷の上昇とともに、資源ロスの増加につながります。当社グループは、MFCAへの取り組みを通じて、マテリアルロスの削減による、負荷削減と使用原料の有効利用向上を推進しています。
2023年度は生産量がやや減少しており、マテリアルロス発生量も生産量と連動して減少となりました。 各事業所でのMFCA※1 活動によるロスの発見と削減策の推進により、2024年度も引き続き資源の有効活用と無駄の削減を進めます。
- ※1 用語集参照
住友ベークライトグループ全体
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主な取り組み
廃棄物管理
当社グループでは、環境関連法規を順守し、地球環境に与える負荷を最小化しながら事業活動を行っております。廃棄物については廃掃法に基づく処理委託業者の現地確認ルールを設定し、マニフェストの発行をベースとした発生量の管理と集計を継続しています。これらをもとに、発生量の最小化と有効活用(再利用・リサイクル)を推進し、有価物も含めたマテリアルロスの削減活動を進めています。
製品・サービスを通じて社会全体の環境負荷を低減する取り組みも重要と考えており、環境ビジョン2050(ネットゼロ)の「02.サプライチェーンを含めたCO2削減に貢献します」において「ライフサイクルのCO2削減を考慮した製品開発」に取り組んでいます。この中で、軽量化(減容化)、高寿命、リサイクル、モノマテリアル化は、CO2削減とともにサプライチェーンの廃棄物削減に通じた取り組みでもあります。
一方、ポリ塩化ビフェニル(PCB)廃棄物については、「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」に従い、計画的に処分を進めており、高濃度PCBについては、各地域の日本環境安全事業(JESCO)の能力に合わせ順次処分を進めており、2024年度中に処分が完了するよう進めています。低濃度PCBについても、2017年度から計画的な処分を実施しており、法令で定められた処分期限までに処分が完了するよう進めています。
国内事業所における廃棄物の処理先別の推移を右のグラフに示します。埋立と単純焼却を合わせた廃棄物は各所の削減取り組みにより2013年度には18tまで減少しましたが、その後の海外への廃プラスチック輸出の制限や、国内リサイクル業者の能力不足などにより徐々に増加しています。

- ※カウントしているのは、外部リサイクル、埋立量、内部焼却量、外部焼却量の合計です。2012年度以降は、国内事業所では内部焼却を実施していません。
資源循環への取り組み
海洋プラスチック
海洋プラスチック問題については、政府のプラスチック資源循環戦略に基づき、使用する原材料や製造するプラスチック製品についての日常管理や、それらのリサイクルを進め、さらに製品開発の段階からLCAの検討を実施することで、プラスチック海洋ごみの削減に貢献すべく努めています。
現在、化学業界をはじめ流通・小売業界も含め、広くプラスチック製品のサプライチェーンにかかわる事業者が業種を超えた連携を目指して設立したクリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)への参画を通じて、サプライチェーン全体でのプラスチック廃棄物の抑制、プラスチック製品の3Rによる資源循環の推進を目指し、さまざまな課題に取り組んでいます。
リサイクル
資源の有効活用のため、リサイクルを推進しています。製品の製造工程でのフェノール樹脂反応廃液からのフェノール回収再利用や、フェノール樹脂積層板・メラミン樹脂化粧板の端材微粉砕によるフェノール樹脂成形材料用充填材としての使用、成形品副生物(スプルーランナー)を成形材料用原料に戻しての再利用などのほか、活性汚泥排水処理装置の余剰汚泥のコンポスト(有機肥料)としての再利用も行っています。
再生可能原料
当社グループは、従来より主にフェノール樹脂や成形材料の原材料として、非可食の植物由来原料(カシュー・ナット・シェル・オイル、ロジン(松脂)、木粉等)を再生可能原料として使用しており、その比率は全使用原料の約2.7%におよびます。
2022年度はバイオマス原料を使用した食品包装用フィルムおよび医薬品包装用フィルムを、2023年4月には植物由来のリグニンを活用した環境対応フェノール樹脂成形材料をラインナップしました。今後もさらに再生可能原料の使用比率を高めるための取り組みを進めていきます。
大気への放出
国内事業所では、2004年度から継続してボイラーの燃料転換(重油から都市ガスへ)を進めてきました。2019年途中に静岡工場で重油からの燃料転換が完了したことにより、グループ全体のSOx排出量はさらに減少しました。また、NOxの排出量についても都市ガスの窒素含有率低下や燃焼状態の安定化により大きく削減することができました。
都市ガス供給のない一部の地域の事業所で重油の使用が残っていますが、燃焼条件の最適化に努めることで、SOx、ばいじんともに排出量を低いレベルに抑えることができています。
重油の使用に関しては、現在ガスへの転換についても検討中です。
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- ※ NOxの集計対象は、統合報告書の編集方針記載の国内全事業所のうち、法令等で測定義務が生じる事業所。
水域への排出
工場からの排水のうち、汚水系(生産工程からの排水、生活排水など)については、高精度フェノール回収装置、活性汚泥処理装置などの処理施設の設置と、監視装置による常時監視により、国の排水基準、条例および地域協定の順守に努めています。また、冷却水を含む雨水系への漏洩についてもリスクアセスメントを実施し、突発的な負荷の上昇を予防しています。
代表的な水質の指標であるCOD負荷量は、2023年度は前年度よりわずかに増加していますが、長期的に見て低い排出レベルでの推移となっています。

- ※ 集計対象は、統合報告書の編集方針記載の国内全事業所のうち、法令等で測定義務が生じる事業所。
土壌・地下水汚染への対応
当社グループは、化学物質の漏洩リスクアセスメントを全事業所で行い、予防的なしくみづくりとその実践を進めています。一方、過去の漏洩事故が原因で汚染が確認された場合は、環境影響・健康被害の拡大を防止するため、自主的な調査と対策を積極的に行っています。
2024年度は、重大な漏洩事故はありませんでした。
土壌、地下水調査結果と処置およびモニタリングの状況
サイト | 調査結果 | 処置、モニタリング |
---|---|---|
尼崎工場 | 2009~2010年、土壌含有試験で鉛を検出(最大500mg/kg(基準値150mg/kg以下))。なお、地下水汚染はない。 | 土壌汚染対策法の基準値を超えて重金属等が検出された左記事業所で地下水のモニタリングを毎年、自主的に継続実施しており、いずれも基準値以内であることを確認している。 |
秋田住友ベーク株式会社 | 2005年、土壌溶出試験で鉛を検出(最大0.032mg/L(基準値.01mg/L))。なお、地下水汚染はない。 | |
山六化成工業株式会社 | 2016年1月、冷却排水から基準濃度を超える1,4-ジオキサンが検出され、使用していた敷地内取水の井戸水に同程度の濃度を確認した。行政と協議し、取水を中止し循環式冷却に切り替えた。当該物質は同社で使用履歴はない。 | 定期的に大阪府が行う地下水質継続監視調査に協力するとともに、自主検査も継続している。なお、最新の測定結果は、7.3mg/L(基準値0.05mg/L)であった。 |
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