人に頼らないモノづくりの進化
スマートファクトリー化により、人に頼らないモノづくりのさらなる進化を目指し、国内5事業所と海外5拠点への生産技術デジタル化を進め、生産開始時の条件設定の自動化、オートパイロット制御、ロボティクスなど、デジタル技術を積極的に活用することで、効率化と高度化を実現していきます。
製造業では、少子化による人手不足や熟練作業者の退職による技能の損失が深刻化しており、デジタル技術の活用が喫緊の課題となっています。生産ラインでの横持ち移動など付加価値を生まない作業のロボティクス技術の利活用をさらに拡大させ、また生産主要設備のデジタルデータをフル活用したオートパイロット制御のさらなる適用範囲拡大、進化を実行していきます。
今後は、国内事業所のさらなる進化、およびM&Aなどにより子会社化した欧米生産拠点にも順次展開していきます。このため、各国の異なる文化や価値観に対しても十分に考慮し、世界規模でのモノづくり体制の構築を進めます。

DX人材育成
DX推進を支えるのは、それを担う人材です。当社では、全従業員のDXリテラシー向上を目的に、スキルアセスメントを実施し、個々のレベルに合わせた研修プログラムを提供しています。
デジタル技術活用に関する実践的な研修に加え、対面での交流会を開催し、成功事例の共有や活発な意見交換を実施。全従業員に向けた活用事例の配信も行い、組織全体のDXリテラシー向上を図っています。さらに、デジタル技術活用の自走化を支援するため、個別相談やコミュニティ活動支援など、多様なサポートを提供しています。
これらの取り組みを通じて、DX推進を担う人材育成を強化し、競争優位の源泉となるDX推進体制を構築します。
Research Transformation(RX)の推進による研究・開発力アップ
当社では、人とデータが協奏しながら社会課題を解決する素材創造力の向上を目指し、研究・開発のDX ―「Research
Transformation(RX)」を推進しています。この取り組みは、当社のビジョンである「お客さまとの価値創造を通じて、『未来に夢を提供する会社』」を実現するための重要な柱です。
RXの一環として、研究者の勘や経験に強く依存することなく、複数の要求特性を満たす高機能材料を設計・提案できる技術を開発しました。具体的には、オープンデータベースを活用した分子生成AIによる新規分子構造探索技術で、人では思いつかなかった革新的な材料を創出することを可能にしています。また、この技術に逆合成解析を組み合わせることで、合成可能性が高い分子を提案し、新商品や新ソリューションの創出に向けた現実的かつ実用的な高機能材料の設計が実現しました。実際に当技術を駆使して発見した新規材料の検証も複数件進んでいます。

特筆すべき成果として、環境負荷低減が期待される次世代パワー半導体用封止材の開発において、研究者の知見とインフォマティクス技術を組み合わせることで、バイオ原料を使用しつつ、従来トレードオフ関係にあった熱伝導性と流動性の両立に成功しました。この取り組みである「バイオベース原料を用いた高熱伝導・絶縁性複合材料の開発」は、第73回ネットワークポリマー講演討論会(主催:合成樹脂工業協会)で発表され、ベストプレゼンテーション賞を受賞するという高い評価を得ています。

樫野さん
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