社外取締役インタビュー

社外取締役インタビュー SPECIAL INTERVIEW

多様な視点から企業価値向上を支え、
持続的な成長へ導く

社外取締役は、独立した立場から経営を監督するとともに、
多様な経験や専門性を生かし、中長期的な企業価値向上に向けた助言を行っています。
2030年のありたい姿の実現に向けて、事業ポートフォリオ改革や資本効率、
グローバル戦略、品質、人材育成など幅広いテーマについて建設的な議論を重ねています。
今回は4名の社外取締役に、住友ベークライトの現状と今後への期待を伺いました。

社外取締役 松田 和雄
社外取締役
松田 和雄
社外取締役 永島 惠津子
社外取締役
永島 惠津子
社外取締役 若林 宏之
社外取締役
若林 宏之
社外取締役 星 正幸
社外取締役
星 正幸

松田取締役に伺います

2025年度の社外取締役としての活動を通じて、特に印象に残る案件やエピソードはありますか。

2025年度は鍜治屋新社長のもと、中期経営計画2年目の課題や施策を着実に進め、時価総額が大きく増加するなど、企業価値向上に顕著な成果が表れました。これは執行部隊の弛まぬ努力の賜物と高く評価しています。
また、2030年に向けた事業ポートフォリオ最適化の一環として、京セラ株式会社のケミカル事業の譲受を決定しました。顧客基盤の拡大、市場環境、シナジー効果を見据えた重要なプロジェクトであり、大いに期待しています。M&Aの要諦は買収後にあると考えますので、社外取締役の視点で体制の整備状況を検証し、フォローアップしていきたいと思います。

取締役会の実効性について向上が図られていますか。また今後さらに改善すべき点はありますか。

今年度より社外役員会で、経営会議の論点や結論に至った経緯を可視化する取り組みが行われ、執行部隊と社外役員の情報格差は徐々に縮まっています。さらに、社外取締役向けの管理部門報告が年間を通じて実施されたほか、若林取締役は製造・開発拠点の視察で現地との意見交換も行うなど、スキル・マトリックスに応じた情報の非対称性の解消が進んでいます。
一方で、経営会議のテーマや取締役会議案に対する社外役員の意見や考え方のフィードバックは、改めて検討が必要です。主な案件を事前に社外役員と共有したり、社外役員から提案することで、一定のアジェンダを年間計画として設定することも考えられます。そうすることで、論点をあらかじめ整理し、執行部隊とともにPDCAサイクルを効果的に回す体制を築けるはずです。

2026年度は現行の中期経営計画の最終年度となりますが、次期中期経営計画を策定していくにあたり取締役会でどのような議論を行っていくべきとお考えですか。

2030年のありたい姿の実現に向けて、次期中期経営計画では次の2点について、取締役会でしっかり議論したいと考えています。
まず地域戦略です。地政学的リスクや為替リスクを踏まえ、グローバルな視点で生産拠点の最適化を今一度議論する必要があります。当社のコアテクノロジーを支える製造・開発拠点のあり方や、SB-ROICで示された低収益事業の改革にもつながっていくはずです。
次に、投資方針・株主還元の見直しです。現中期経営計画で掲げた方針の成果をSB-ROICも踏まえて検証し、次期に結び付けてほしいです。業績向上に伴うキャッシュの配分は、株主視点で厳しくチェックしていきたいと考えています。

社外取締役 松田 和雄
社外取締役
松田 和雄
1971年 4月
株式会社富士銀行(現株式会社みずほ銀行)入行
2000年 4月
富士証券株式会社(現みずほ証券株式会社)専務執行役員
2000年10月
みずほ証券株式会社常務執行役員
2009年 6月
日本精工株式会社取締役代表執行役専務
2011年 6月
日本精工株式会社特別顧問
NSKワーナー株式会社常勤監査役
大同メタル工業株式会社監査役(現任)
2015年 6月
当社監査役
2016年 6月
当社取締役(現任)

永島取締役にお聞きします。

2025年度の社外取締役としての活動を通じて、特に印象に残る案件やエピソードはありますか。

2025年度の取締役会においては、京セラ株式会社のケミカル事業の譲受が特に重要な意思決定だったと思います。情報が限られる中で金額の大きなM&Aの方向性を決めていく必要があり、難しい局面が続きました。社外取締役は社内役員と比べて得られる情報が限られますので、どうしてもリスクを幅広に捉えてしまいます。また、過去の経験でもM&Aの成功例は少なく、損失が大きくなるケースもありますので、慎重な判断が求められました。
取締役会では、「現在の論点」「目指す着地点」「状況」といった最新情報が適宜提供されたほか、当社とのシナジー効果も数字として提示され、最終的に承認に至りました。買収価額の妥当性の評価は、これからの事業運営にかかっていますので、皆さまの活躍を期待しています。

取締役会の実効性について向上が図られていますか。また今後さらに改善すべき点はありますか。

社外取締役は月に一度の取締役会に参加していますが、その間の会社の業務については、社外公表されたものを除き、情報を得る機会が限られています。このギャップを埋めるために当社では、取締役会の前に社外役員会が開催され、取締役会で上程される議案を中心に、社内の議論の経過や詳細を伺うことができます。また、社外役員会は、参加者同士が自由に意見交換できる場でもあり、大変有意義な機会になっています。
一方で、取締役会の実効性を向上させるには、議案として提示されたものだけでなく、議案に選定されなかった案件もその理由や過程の妥当性を検討しておく必要があると考えます。

2026年度は現行の中期経営計画の最終年度となりますが、次期中期経営計画を策定していくにあたり取締役会でどのような議論を行っていくべきとお考えですか。

社外取締役の役割は、経営陣から独立した立場で、企業の監督や助言を行い、コーポレート・ガバナンス強化と企業価値向上に貢献することだと考えています。社内の経営陣は自身の担当事業の背景や過去の経験をもとに判断しがちですが、社外取締役は異なる視点で意見を述べることが重要だと思います。
次期中期経営計画の策定にあたっては、特定の地域や市場にウエイトを置くのではなく、リスクを分散させる意味で、当社の業績を支える新たな柱を育成し、グローバルでの生産拠点や顧客の最適化に向けた議論を進めたいと考えています。

社外取締役
永島 惠津子
1978年10月
等松・青木監査法人(現有限責任監査法人トーマツ)入所
1980年 7月
公認会計士附柴会計事務所入所
1982年10月
公認会計士登録
1988年 6月
公認会計士永島会計事務所開設 代表(現任)
2008年 4月
監査法人ベリタス代表社員
2016年 6月
ブルドックソース株式会社取締役(監査等委員)(現任)
2019年 6月
当社監査役
2021年 6月
当社取締役(現任)

若林取締役にお聞きします。

2025年度の社外取締役としての活動を通じて、特に印象に残る案件やエピソードはありますか。

2025年度には、いくつかの印象に残る出来事がありました。まず、京セラ株式会社のケミカル事業の譲受を決定したことです。買収の有効性について事業部門から熱意のある説明を受けて、取締役会で何度も議論が行われました。当社にはなかった新たな技術領域の獲得によるシナジー効果に期待しています。
次に、医療機器の低侵襲領域の拡充です。心臓大動脈用ステントグラフトは強みのある優れた製品ですが、さらに小径血管向けマイクロカテーテルの強化にも取り組んでおり、この領域のさらなる発展を楽しみにしています。ただし、人命に関わる分野ですので、品質保証体制の一層の強化は不可欠と考えています。
また、社内の研究発表会 (Tech Award) で説明を受けましたが、水溶性フェノール樹脂 (AQNOA®) による環境負荷低減や、エレクトロクロミック調光シートを電子デバイスとして応用しアイウエアに適用するなど、革新的な高機能材料の開発にも感銘を受けました。

取締役会の実効性について向上が図られていますか。また今後さらに改善すべき点はありますか。

社外取締役として2年目を迎えましたが、要望した事項にとどまらず、雑談の中の意見も取り入れられ、改善に努めていると感じます。関係者の努力により、資料の早期配信や情報共有の充実により取締役会の議論の準備は着実に改善されており、不足感はありません。今後は、経営会議のやりとりの共有をさらに進めていただくことで、取締役会の議案趣旨の理解も一層深まると考えます。

2026年度は現行の中期経営計画の最終年度となりますが、次期中期経営計画を策定していくにあたり取締役会でどのような議論を行っていくべきとお考えですか。

当社は機能性化学品メーカーであると同時に、部品・加工や、医療機器メーカーとしての領域拡大も進んでいます。次期中期経営計画では、これらに対応する設計・製造・品質保証体制の充実が重要です。また、地政学的リスクを踏まえると、グローバルでの地域平準化を進め、インドを含む各地域で納得感のある計画を策定する必要があります。2030年に向けて会社規模を大きく拡大する目標ですが、その中で現在の良好な組織風土を維持・向上させるために、現状の強みと課題の分析や議論が不可欠です。取締役会でこれらのテーマを活発に議論し、具体的かつ実効的な方向性を示すことを期待しています。

社外取締役 若林 宏之
社外取締役
若林 宏之
1979年 4月
株式会社デンソー入社
2006年 6月
同社常務役員
2013年 6月
同社専務取締役
2014年 6月
同社取締役・専務役員
2015年 6月
同社専務役員
2016年 6月
同社取締役・専務役員
2017年 4月
同社代表取締役副社長
2024年 6月
当社取締役(現任)
2026年 3月
イーソル株式会社 取締役(監査等委員)(現任)

星取締役にお聞きします。

今回どのような思いで住友ベークライトの社外取締役をお引き受けいただきましたか。

私は金融機関を経て、直近10年間は通信分野を中心とする製造業で経営に携わりました。モノづくりがデジタルに急速にシフトする流れに、強い問題意識を持っていました。日本の産業競争力はモノづくりに支えられており、特に「現場」で培われた技術や品質へのこだわりが強みだと考えていたからです。
その中で、様々な分野で産業を支える住友ベークライトから社外取締役のお話をいただきました。当社の強みが通信インフラの高信頼化と関係していることを知り、自身の経験との強い縁を感じ、当社のモノづくりに貢献したいと思いました。

住友ベークライトには、どのような強みと課題があるとお考えですか。

当社の強みは、豊富な実装評価データに支えられた高品質・安全性への信頼を基盤に、グローバル市場で高い競争力を持つ点だと考えています。単なる材料供給にとどまらず、長期にわたり顧客との信頼関係を築いてきたことが大きな強みだと思います。
一方、どんなに優れた製品でもライフサイクルの変化への対応は必要です。次世代の成長領域や新製品を創出し、成長を続けていくことが課題だと考えます。また、グローバルな競争力を高めるために、専門性の高い多様な人材や、次の成長戦略を描けるリーダー層の育成も鍵になるはずです。

これまでの専門分野、ご経験、ご見識をどのように住友ベークライトの経営に生かせるとお考えですか。

これまで携わってきた製造業では、経営環境が変化する中で、事業ポートフォリオの見直しや成長領域への経営資源配分、人材育成に取り組みました。特に、事業戦略や財務目標を、モノづくりの現場に「自分たちの本業」として結びつけることが重要だと考えます。
住友ベークライトは半導体関連材料を成長エンジンとし、攻めのポートフォリオ転換を進めつつ、北米の構造改革など守りの施策も着実に進めています。当社の技術力は顧客から高く評価され、資本市場でもその強みが認識されていますが、その信頼性や参入障壁、価格競争力は、さらに理解いただける余地があると感じています。
各事業部の取り組みと会社全体の財務価値向上を自然に結び付け、また資本市場に対しても強みが伝わるよう、SB-ROICを財務指標にとどめず事業戦略・投資判断・ポートフォリオ改革の“共通言語”として機能させるための建設的な議論に貢献したいと考えています。

社外取締役
星 正幸
1982年 4月
株式会社富士銀行(現株式会社みずほ銀行)入行
2009年 4月
株式会社みずほコーポレート銀行(現株式会社みずほ銀行)執行役員
2011年 4月
同行常務執行役員
2013年 4月
株式会社みずほフィナンシャルグループ常務執行役員
2014年 6月
同行執行役常務
2015年 5月
沖電気工業株式会社常務執行役員
2016年 6月
同社取締役常務執行役員
2017年 4月
同社取締役専務執行役員
2019年 4月
同社代表取締役副社長執行役員
2022年 6月
同社取締役副社長執行役員
2024年 4月
同社取締役
2026年 6月
当社取締役(現任)

サステナビリティに関するお問い合わせ、資料請求はこちら。

お問い合わせ・資料請求