松田取締役に伺います
2025年度の社外取締役としての活動を通じて、特に印象に残る案件やエピソードはありますか。
2025年度は鍜治屋新社長のもと、中期経営計画2年目の課題や施策を着実に進め、時価総額が大きく増加するなど、企業価値向上に顕著な成果が表れました。これは執行部隊の弛まぬ努力の賜物と高く評価しています。
また、2030年に向けた事業ポートフォリオ最適化の一環として、京セラ株式会社のケミカル事業の譲受を決定しました。顧客基盤の拡大、市場環境、シナジー効果を見据えた重要なプロジェクトであり、大いに期待しています。M&Aの要諦は買収後にあると考えますので、社外取締役の視点で体制の整備状況を検証し、フォローアップしていきたいと思います。
取締役会の実効性について向上が図られていますか。また今後さらに改善すべき点はありますか。
今年度より社外役員会で、経営会議の論点や結論に至った経緯を可視化する取り組みが行われ、執行部隊と社外役員の情報格差は徐々に縮まっています。さらに、社外取締役向けの管理部門報告が年間を通じて実施されたほか、若林取締役は製造・開発拠点の視察で現地との意見交換も行うなど、スキル・マトリックスに応じた情報の非対称性の解消が進んでいます。
一方で、経営会議のテーマや取締役会議案に対する社外役員の意見や考え方のフィードバックは、改めて検討が必要です。主な案件を事前に社外役員と共有したり、社外役員から提案することで、一定のアジェンダを年間計画として設定することも考えられます。そうすることで、論点をあらかじめ整理し、執行部隊とともにPDCAサイクルを効果的に回す体制を築けるはずです。
2026年度は現行の中期経営計画の最終年度となりますが、次期中期経営計画を策定していくにあたり取締役会でどのような議論を行っていくべきとお考えですか。
2030年のありたい姿の実現に向けて、次期中期経営計画では次の2点について、取締役会でしっかり議論したいと考えています。
まず地域戦略です。地政学的リスクや為替リスクを踏まえ、グローバルな視点で生産拠点の最適化を今一度議論する必要があります。当社のコアテクノロジーを支える製造・開発拠点のあり方や、SB-ROICで示された低収益事業の改革にもつながっていくはずです。
次に、投資方針・株主還元の見直しです。現中期経営計画で掲げた方針の成果をSB-ROICも踏まえて検証し、次期に結び付けてほしいです。業績向上に伴うキャッシュの配分は、株主視点で厳しくチェックしていきたいと考えています。









