研究開発本部長 R&D企画推進部長
技術の厚みと展開力が強み
森:
住友ベークライトの技術的な強みとして、有機ポリマーの配合設計や、有機と無機の複合技術が非常に優れている点が挙げられます。それにより、単一素材では実現できない付加価値を持つ製品が生まれ、利益に結びついているのだと考えています。
大西:
私も同感で、当社の強みの一つは、合成や樹脂配合といった素材設計から加工までを一貫して自社で行える点です。また、製品設計の中核をなす樹脂や触媒などを自社で合成・加工できる点は、他社との大きな差別化のポイントだと考えています。さらに、半導体を主とした電子材料、自動車や航空機、医療や医薬分野、食品、建築やエネルギーといった非常に多くの分野に、製品を展開していることも強みです。
高本:
たとえばパワーモジュールに使用される放熱絶縁シート材料は、ベースとなる素材を先端材料研究所で設計し、応用研究所でその素材を用いて商品を開発するなど、各研究所がそれぞれの強みを活かすことで他社が真似できない独自性を実現できています。また、事業領域が広いということは、それだけ幅広い研究開発の知見があるということです。近年では、その経験値を社内に蓄積し、データを効果的に活用するマテリアルズ・インフォマティクス(MI)の取り組みにより、迅速かつ高品質な製品開発が可能になっています。