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JA広島ゆたか【大長レモン】

ご紹介

 今月ご紹介するのは、JA広島ゆたかの『大長レモン』です。瀬戸内海に浮かぶ島々から、温暖な瀬戸内の気候と水はけの良い石積みの段々畑で、太陽と潮風の恵みをいっぱいに浴びて育ったレモンを出荷しています。

 10月、11月は緑色の鮮やかなグリーンレモンとして、12月から5月はおなじみのイエローレモンを出荷しています。最も需要の高まる6~8月は、国産レモンの出荷はなくなってしまいますが、冬場のイエローレモンをP-プラスに個包装し、低温で貯蔵することによって夏場の出荷が可能となり、国産レモンの周年供給体制が整いました。

麦わら帽子をかぶったおじさんのついたパッケージが目印です。


「塩レモン」ブームも国産レモンを後押し

 国産レモンの販売が好調です。流通の主力である米国産が港湾労働者のストライキの影響で品薄高となっている影響が大きいのですが、国産の引き合いが強まったことで、市場入荷量が平年を上回っているのにもかかわらず、2月には平年の6割高近くまで上伸しています。

 国産レモンの価格は昨秋から平年を上回る水準で推移。年明け1月の場合、販売量は2倍以上なのに単価は平年比36%高、と「入荷増の単価高」が続いています。国内に出回る輸入物の数が減少し、さらに円安の影響もあって単価が押し上げられているようです。

 昨夏から続く皮ごと漬け込む調味料「塩レモン」ブームも国産を後押しています。国内最大のレシピ検索サイトでも「国産レモン」をタイトルに含めたレシピの投稿が増え続け、いまや400件近くが掲載されているほどで、検索件数も増加しています。「塩レモンをきっかけに安心・安全な国産レモン自体への関心が高まっているのでは」言われています。

国産レモンブームの立役者

 こんな“国産レモンブーム”への高まりを作ったのは、明らかに広島県の果樹農家です。10数年前から増えてきた国産にこだわる消費者のために、広島県のレモン農家は意欲的に生産してきました。しかし当時は、多くの課題を抱えていました。その課題に大胆に、積極的にチャレンジしてきたのがJA広島ゆたかです。

 レモンは、とくに消費が増えるのが夏場で、それに合わせて輸入数量が増えるというパターンをみせます。ただ、国産レモンは輸入レモンの1割程度の量しかないこともあり、肝心の需要期である夏場には、国産はほとんど供給できない状況に置かれていました。せいぜい5月までくらいしか収穫・販売できない国産レモンを、上手に貯蔵しながら夏場まで販売する技術が確立されていなかったからです。

 「レモンを周年供給したい」という願いは、国内産地にとって長年の夢でしたが、それを現実のものにしたのが、国産レモンの代表的な産地、「大長レモン」ブランドのJA広島ゆたかです。これまで販売の切れ目だった6月から8月期に、レモンをMA包装(P-プラス)で個包装して出荷することで、この念願の周年化を達成したのです。

 「大長レモン」の故郷、JA広島ゆたかは、内海で温暖、台風被害も受けにくい地形を生かした、国産レモン発祥の地のひとつといわれる土地柄です。同JAでは、国産レモンへの強い追い風を受けて「日本一のレモン産地計画」を打ち出し、当面、4000トンという生産規模を目標に、新植を含めて規模を拡大し着々と目標実現に近づいています。

「レモンを周年供給したい」という長年の夢がMA包装で現実に

 「日本一」になる条件は、単なる生産規模だけでなく、周年供給が実現できるかにかかっています。これまでは、8~9月にハウス栽培の販売が始まり、10月~4月までは露地栽培で収穫して、5月くらいまでは出荷していました。しかし、6月から8月の需要期は出荷ができなかったのです。同JAでは、このスキマをなんとか埋めようと、貯蔵技術を含めて様々な検討と試験・研究を繰り返してきました。そんなとき出会ったのが、MA包装技術でした。

 柑橘の一般的な貯蔵法である冷蔵方式では、腐敗などロスが出過ぎます。かといって輸入品のように防カビ剤を使うわけにはいきません。そんなとき「密封包装して冷蔵で貯蔵する」ことができる包材、P-プラスに出会ったのです。長期貯蔵に適する体質の強い高品質レモンを1月から3月の期間に収穫したものの中から選別し、最初から個包装してその形態のままで出荷、店頭販売するなど、の独自のノウハウを確立。出荷先の市場や小売店、生協からの評価は合格点でした。

「P-プラスレモン」という愛称で呼ばれる貯蔵レモン

 地元では「P-プラスレモン」という愛称で呼ばれる貯蔵レモンは、露地物の2倍近い単価が取れるとあって、レモン農家の生産意欲は高まる一方だといいます。しかし、レモンの果実生理が解明されていないこともあり、さらにロスを少なくするため、試験場やメーカーとともに連携して試験・研究を継続しています。

 スーパーや生協にとっても、最需要期の夏場に体質のしっかりした国産レモンが欲しかっただけに、「もっと増やしても充分売れる」と太鼓判。今年はとくに「塩レモン」ブームもあり、小売店だけでなく、加工・業務関係の新しい取引先からの、問い合わせや引き合いも増えており、マーケットからの強い需要を裏付けています。

 「品質に絶対の自信を持てるレモンだけを供給していきたい」というレモン農家の姿勢は、これからの国産レモンの明るい将来を保証するものでしょう。

お客様の情報

JA広島ゆたか 様

  〒734-0301
  広島県呉市豊町大長5915番地8

JA広島ゆたかでは、瀬戸内海に浮かぶ島々から、温暖な瀬戸内の気候と水はけの良い石積みの段々畑で、太陽と潮風の恵みをいっぱいに浴びて育った大長みかんとレモンを皆さまにお届けしております。