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2013年4月のP-プラス青果物
ドール【カット・ブロッコリー】

ご紹介

いまや一年中、食卓を飾っているブロッコリー。代表的な緑黄色野菜ですが、平成に入ってから最も消費量が増えた野菜のひとつでもあります。何といっても茹でて簡単に食べられるサラダ材料で、しかもビタミンも豊富。同じ緑黄色野菜のピーマンと違って、お弁当に入れても子どもたちは大喜びで食べてくれます。お母さんたちの常備野菜になっているのですから、その大きな成長ぶりも納得です。

そんなブロッコリーに、花蕾の部分だけをカットして包装した「カット・ブロッコリー」商品が登場して話題になっています。スーパー、生協の店頭やカタログ販売でも、一年中買えるこの商品は「プチ・ベジ(Putit Vege)ブロッコリー」という名前で、国内産地名の表記とともに「産地でカットした手間いらずのブロッコリー」という説明つき。メーカーは、バナナやパイナップルでおなじみのドール社。赤を基調とした文字に太陽のイメージを付した「Dole」のロゴが目印になっています。

発売から2年目にして、このカット・ブロッコリーが全国で360トンもの量が売れるようになったのには、いくつもの理由があります。まずドール社は12年前から日本各地に直営農場(I loveファーム)を7ヶ所設け、そのうち、九州(長崎県、宮崎県)、岡山県、そして北海道までの4ヶ所の農場でブロッコリーを栽培。年間を通じて切れ目なくブロッコリー供給をできる体制を整えていることです。その総数は8千トンにものぼり“日本一のブロッコリー生産者”といわれています。

リレー栽培される同社のブロッコリーは、原則として、育苗から定植、収穫、出荷にいたる一連の作業を、すべて同じチームが農場を移動しながら担当するという、一貫責任生産方式を採用。それによって、工業製品のように均一な品質のブロッコリーを周年供給できる体制を確立しました。

当然、カット・ブロッコリーもリレー供給されていますが、原料の均一化とともに、カットの製造年月日を入れたうえ、消費者の手元に届くまでの品質保証のために、産地パックはすべてMA包装(P-プラス)しているのも人気の理由。「お客様相談室」の連絡先を明記して、苦情や問い合わせに対応しているのも野菜商品では初めてのことですが、寄せられる消費者の声のうち“苦情”といえるのは全体の1割強程度だといいます。これも、劣化の激しいカット野菜類では驚異的なこと。同社の商品管理体制がいかに優れているかを物語っています。

全国で4ヶ所、約500haで8000トンものブロッコリーを生産・供給しているドール社商品は、スーパー・生協店頭のブロッコリー売場に革命をもたらしつつあります。1個売りのブロッコリーの隣にはカット・ブロッコリー、そして同じ売場に今年から「国産ブロッコリー青汁」も併売するディスプレーが目立つようになりました。ブロッコリーの優れた特徴を訴求する消費者へのトータル提案なのですが、それは同時に、生産されたブロッコリーをすべて無駄なく商品化しようという、ドール社の基本思想から生まれたもの。規格が厳密な成品と、その規格から外れた商品や捨てられてしまう茎や葉の部分までを、カット品として、パウダー品として商材化、有効活用する。そのことは、環境対策にもつながるばかりか、全体のコストダウンが可能になり、商品価格を適正化するといった一連の流れが出来上がっているのです。

ドールの国産野菜「I loveブランド」は、「I Live on Vegetables」の頭文字を取ったものです。いかにも、野菜とともに生きる同社の合言葉として相応しいと思いませんか?