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2012年9月のP-プラス青果物
JA全農あきた【えだまめ】

ご紹介

猛暑の夏も、いよいよ後半戦。9月を迎えると、まもなく気持ちのいい季節が巡ってきます。大陸の高気圧が日本列島を覆い始めると、夏の高湿度からようやく解放され、秋の乾燥した空気が嬉しい季節。この、暑さが残りながらも空気が乾燥するシーズンこそ、もっともビールが美味しい季節だともいいます。そんな9月に、秋田県産エダマメがもっとも美味しくなり、本格的な出荷時期を迎えるのです。ビール好きにはもちろん、子供たちにとっても待ちに待ったシーズン到来です。

秋田県は、在来種を含めて10数種類のエダマメ品種が栽培されている“エダマメ王国”。早い品種は7月下旬から始まりますが、8月下旬から9月にかけて青豆品種から湯上り娘、あきたさやか、あきた香り五葉など“香り豆”、晩生の秘伝など、登熟したエダマメが次々に出荷されて、10月下旬まで「100日出荷」されるのが、秋田県エダマメの特徴。エダマメ好きの秋田県民のために、その後も11月いっぱいまで県内限定出荷される極晩生品種も健在です。

秋田県はいま、そうしたエダマメに対する熱い想いを、「エダマメ日本一運動」に結実させようとしています。JA全農あきた、系統農協とJAエダマメ部会、そして県行政が一体になって、8年前より県の重点作物として位置づけ、3年前から進めるこの「日本一」運動は、作付け拡大、生産・出荷量増大、県オリジナル開発品種の導入、そして品質保持のための全量MA包装化などが推進され、大きな成果をもたらしました。

平成22年度では485ha、1435tだった規模(全農あきた扱い)が、23年度では541ha、1845t、今年24年度の計画は580ha、2200t。この2年間だけをみても、面積で2割増、出荷量ではなんと5割増という、どこの産地にも見られないような急成長ぶり。

また、食味の乗った中生~晩生種のエダマメの品質保持のためのMA包装(P-プラス)は、すでに10年前から各JAで採用されていたことから、生産農家も集荷・販売するJAでも利用のノウハウを持っています。全県的な「日本一」運動に伴って、6年前から全県統一のMA包装袋を導入しましたが、利用する生産・出荷現場でも、出荷先の卸売市場でも、評判は上々。とくにエダマメ産地は全県に広がっており、栽培するエダマメ品種も豊富、出荷期間も初夏から初冬までという長期間等々、品質の統一が難しい諸条件を、MA包装がみごとにクリアしているともいえます。

目標とする「エダマメ日本一」に向けて、着々と歩を進める秋田県では、全農と県行政が協働して独自のエダマメブランド化戦略を進めています。その一環として、8月までのエダマメを「あきた夏豆」、9月以降のエダマメを「あきた秋豆」とネーミングしてブランド化。全国の量販店などでシーズンを通して売場を確保してもらう試みです。同時に、スーパー、コンビニ用商材として、生鮮エダマメがレンジで温めて食べられる「レンジ・エダマメ」もテスト中。この商品は、秋田県特産の「男鹿の塩」が添えられた県商品コラボ企画でもあります。販売現場では、手軽に“蒸したて”のエダマメが作れる、秋田の塩との相性もバツグンで食味も申し分ない、といった若い女性や男性たちの声も聞かれるそうです。

今夏は、順調な天候推移でエダマメは豊作基調ですが、9月を迎えて秋田県産エダマメは他県を頭ひとつリードの様相。エダマメ好きの秋田県民が勧める「秋田のエダマメ」を、その想いとともに是非とも賞味したいものです。