
High-throughput differentiation of human blood vessel organoids reveals overlapping
and distinct functions of the cerebral cavernous malformation proteins
Dariush Skowronek, Robin A. Pilz, Valeriia V. Saenko, Lara Mellinger, Debora Singer, Silvia Ribback, Anja Weise, Kevin Claaßen, Christian Büttner,
Emily M. Brockmann, Christian A. Hübner, Thiha Aung, Silke Haerteis, Sander Bekeschus, Arif B. Ekici, Ute Felbor & Matthias Rath
Angiogenesis 28, 32 (2025). | https://doi.org/10.1007/s10456-025-09985-5
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ヒト血管オルガノイドのハイスループット分化解析が明かす
脳海綿状血管奇形タンパク質の機能
背景
脳海綿状血管奇形 (CCM) は、脳や脊髄に生じる血管病変で、けいれんや脳出血を引き起こす比較的有病率が高い脳血管疾患です (約200人に1人)。ほとんどのCCMが孤発性ですが、2割ほどが家族性で、原因遺伝子 (CCM1、 CCM2、CCM3) も同定されています。CCM3変異を持つ患者さんは重篤な症状を示しますが、そのメカニズムは解明されていません。現在、CCMに対する承認された薬物治療は存在せず、症状が重い場合は手術が唯一の選択肢です。新薬開発を加速するためには、ヒトの病態を忠実に再現できる実験系と、ハイスループットスクリーニングに対応できる技術が求められています。
本研究の成果
著者たちがヒトiPS細胞から血管オルガノイドを96ウェルフォーマットで大量作製できるプロトコルを確立しました。CCM1・CCM2・CCM3の各ノックアウトと単一細胞RNAシーケンシング・ハイコンテンツイメージングを組み合わせることで、3つのCCMタンパク質に共通する機能 (線維芽細胞における遺伝子発現変動の重複) と、それぞれに固有の機能 (CCM1は神経細胞、CCM2は間葉系細胞、CCM3は内皮細胞における特異的な遺伝子発現パターン) を同時に明らかにしました。さらに、蛍光標識した野生型細胞とノックアウト細胞を混合したモザイク血管オルガノイドの解析から、CCM1およびCCM3ノックアウト細胞では異常な増殖亢進が認められた一方、CCM2ノックアウト細胞では増殖が低下していることが可視化され、CCM2変異を持つ患者さんで臨床経過が比較的軽症である理由を細胞レベルで説明できる可能性が示されました。この製造効率の高い血管オルガノイド系は、CCM疾患の分子・細胞メカニズムの解明にとどまらず、ハイスループット創薬スクリーニングへの応用も大いに期待されます。

High-throughput (HT)-compatible and nearly xeno-free synthesis of vascular networks and blood vessel organoids from fluorescently tagged human induced pluripotent stem cells (hiPSCs).
本研究におけるPrimeSurface®の使用方法
本研究において、 PrimeSurface™ Slit-well Plate 96Sは細胞凝集塊形成時の遠心・培地交換の効率化と、血管ネットワーク形成後のマトリックスの溶解という2つの場面で使用されました:hiPSCの凝集塊を作製する際にSlit-wellプレートを使用することで培地交換が簡便に行えました;Day12形成された血管ネットワークを含んだマトリックスゲルプラグをピペッティングのみでSlit-wellプレートへ移し、培地とプラグをピペッティングすることで手動でゲル抽出することなくマトリックスを溶解させることができました。
※詳細は 論文 をご参照ください




