2023/2 【CARTALK】第15回 国際カーエレクトロニクス技術展 会場レポート | 住友ベークライト株式会社

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第15回 国際カーエレクトロニクス技術展 会場レポート

第15回 国際カーエレクトロニクス技術展 会場レポート

ご紹介

ご紹介(国際カーエレクトロニクス技術展会場レポート)

第15回カーエレクトロニクス展示会に“樹脂化”新たな価値の創造を共に!をテーマに出展致しました。会期の3日間は、10年に一度と言われる大寒波が全国各地で猛威を振るうなか、想定以上に多くのお客様に当社ブースに足を運んでいただくことができましたこと、御礼申し上げます。
今回は、出展製品の中から注目の集まった展示について、アテンドメンバーから紹介いたします。


“樹脂化”新たな価値の創造を共に!をテーマに

―― 樹脂化の可能性を実感していただける提案を

1月25日~27日オートモーティブワールドが東京ビッグサイトにて盛大に開催されました。展示会には3日間で約75,000名が来場し、同展示会のカーエレクトロニクス展に出展した当社ブースにも昨年比200%の約2,800名が来場されました。
今回は、プラスチックの可能性を追究する姿勢を“樹脂道”と名付けたプロモーション用のTシャツを着用して、アテンドスタッフが樹脂の可能性をPRしました。

樹脂道

樹脂化e-Axleソリューション

当社の樹脂技術をふんだんに盛り込んで作製した、「樹脂化e-Axle」を展示しましたが、常に人だかりで、非常に多くの反響があり大変うれしく思います。熱マネジメント大幅向上の他、一括成形によるプロセス及び部品コスト低減、小型・軽量化、低振動・低騒音に貢献できるよう引き続き開発を続けます。

メイン展示は、インバータ、モータ、ギアボックスを統合化した「樹脂化e-Axle」ですが、周辺に個別の部品も並べたところ、多くの来場者の方に手に取って頂き、実感頂けたと思います。またこの場で実機を駆動させることはできませんでしたが、軸が回転する工夫を施して、来場者の方に臨場感が伝わり、樹脂でここまでできるんだと、興味を持って頂けたと思います。

個別部品の展示で特に印象に残ったのは、樹脂製インバータ筐体の展示品で、表に高度なメッキ処理技術によって優れた電磁波シールド性を付与しています。通りがかった人は一目見て普通の金属のケースだと思うのですが、手に取ったら、「軽い……樹脂なのか!面白い!」と言って頂けたことです。

次世代電動アクスル事業推進プロジェクトチーム 西川敦准

次世代電動アクスル事業推進プロジェクトチーム
西川 敦准

樹脂化e-Axleソリューション

樹脂化e-Axleソリューション

めっき処理を施した樹脂製インバータ筐体

めっき処理を施した樹脂製インバータ筐体


大型部品成形&熱硬化性ガラス長繊維材料

大型の成形技術と熱硬化性ガラス長繊維材料を紹介します。熱可塑性樹脂と比較してフェノールに代表される熱硬化性樹脂の成形機は、小さいものが多く、大きくてもせいぜい部品当たり400グラムのものぐらいまでしかありませんでした。
これに対して我々は、今後、自動車の電動化等で樹脂化したい部品も大きくなり、需要も増えると予想、その時に大型の成形機と成形技術がなければビジネスが広がらないと考えました。
将来的には5キロ/500tクラスのものも視野に入れ、まずは1.5キロぐらいのものが成形できる280tの成形機を成形機械のメーカーと一緒に開発させていただきました。
このような成形品に我々が持っている材料の技術を駆使してお客様に大型の製品を提供できることができるようになりました。

また、一般的にフェノール樹脂は堅いけれど、衝撃に対して少しもろいという特徴があります。当社の長繊維材料を使うと、高剛性+耐衝撃+高強度を実現できます。具体的には現在主流のアルミダイキャストと同等の耐衝撃性を実現し、尚且つ割れたとしても飛び散らないため、車が事故で衝突しても感電などの人への2次災害防止の点で利点となります。このインバータカバーを模した展示では、錘を落下させた実験データと共に紹介しています。
このよう電動車関係の小型軽量化に寄与する、金属に代わり得る特性を持った熱硬化性長繊維材料を新しい樹脂材料として提案してまいります。

HPP技術開発研究所 井川亮一

HPP技術開発研究所
井川 亮一

パンクチャー衝撃試験

パンクチャー衝撃試験

圧倒的な耐衝撃性を付与

圧倒的な耐衝撃性を付与


絶縁用のノンハロ難燃ポリカーボネートフィルム

絶縁用のノンハロ難燃ポリカーボネートフィルムを紹介します。電子機器の内部で短絡(ショート)の懸念がある箇所に、打抜き、曲げ、熱成形といった加工を行った絶縁シートを挟み込んだり、両面テープで固定して使用されます。
当社製品の優位性はノンハロ難燃ポリカーボネートシートでは唯一、最高ランクの耐トラッキング性を持っており、使用することで沿面距離を小さく設計できお客様の製品の小型化、薄型化に貢献できることです。

これはバスバーと呼ばれる銅板と銅板の間に絶縁材として使用した場合で、バスバー間の距離を縮められることでインダクタンスを低減でき、電気的信頼性が高くできるというお客様のメリットがあります。また基板と金属ケース間の使用でも沿面距離短縮により小型化へ貢献できると考えています。この優位性を車載電源関連システムや高電圧装置などへの適応をPRしており、多数のお客様に検討ご評価いただいているところです。

産業機能性材料営業本部 機能性材料営業 神田裕功

産業機能性材料営業本部 機能性材料営業
神田 裕功

絶縁用ノンハロ難燃ポリカーボネートフィルム

絶縁用ノンハロ難燃ポリカーボネートフィルム

セル間絶縁向け材料

セル間絶縁向け材料


カタログ『AUTOMOTIVE SOLUTION 2023』を公開しました。

カタログ

カーエレクトロニクス展で配布しました、自動車関連の製品をまとめたカタログ『AUTOMOTIVE SOLUTION 2023』を公開しました。
PDF形式ですのでPCで見たいという方にお薦め致します。