取締役 専務執行役員 小林 孝

セグメント別事業概況 高機能プラスチック

HIGH PERFORMANCE PLASTICS

製品ポートフォリオを変革し、
社会的価値の高い製品を創出

取締役 専務執行役員小林 孝

2024年度振り返り

2024年度は、中国・アジア地区で電機部品や自動車用途の成形材料、成形品の需要が堅調に推移し、欧州ではブレーキパッド用のフェノール樹脂の販売が好調でした。反面、北米でフェノール樹脂関連事業の環境が悪化し、北米子会社で減損損失を計上しました。航空機部品は顧客ストライキの影響を受けましたが、第4四半期には需要が回復しました。
こうした事業環境の中、中国に最新鋭設備を有する新工場が稼働し、北米フェノール関連事業の身の丈化、国内生産拠点の最適化を進めるなど、生産性を高める施策をグローバルに展開しました。また、北米では不採算製品の価格適正化により、収益性の改善を図りました。
さらに高付加価値品への製品ポートフォリオ変革では、強化領域に定めた電動車、半導体、航空機、環境対応の各分野で、当社の技術力を活かした製品を開発、販売しました。AI半導体向けで採用されたシクロオレフィンポリマー「COPLUS®」やパワーモジュール用放熱絶縁シート材料など、今後の販売拡大を期待できる素材が実績化されています。

2025年度の取り組み

2025年度は、北米フェノール樹脂関連事業の構造改革を進め、また中国・南通工場の自動化プロセスを他地域の工場にも導入し、生産性向上によって収益性を高めます。強化領域の分野では、「COPLUS®」や放熱絶縁シート材料に加えて、航空機部品の欧州での販売拡大を目指します。さらに、環境対応材である超低モノマー水溶性フェノール樹脂、電動車のバッテリーへの適用を目指す高電圧・高耐熱成形材料など、高付加価値品の販売比率を増やし、本セグメントの収益性を高めていきます。

業績の推移(実績・業績予想・中期経営計画)

2024年度のセグメント業績

地域別売上収益構成

主なSDGs目標

事業の特徴・強み

  • 熱硬化性樹脂のパイオニアとして築いてきた独自素材を生み出す技術力
  • 樹脂、成形材料、成形品の一気通貫のバリューチェーン
  • 主要市場に対応したグローバル事業体制
  • リグニン変性フェノール樹脂、バイオマスベースポリマーなど、環境対応技術と製品群
  • 自動車、エレクトロニクス、航空機といった主要産業のサプライチェーンとの強いつながりと顧客との信頼関係
  • 「One Sumibe活動」による事業横断でのソリューション提案

機会とリスク

機会
  • パワー半導体の高機能化に伴う熱マネジメントに対するニーズの高まり
  • AI半導体など先端半導体の市場伸長
  • 環境規制の強化による環境対応製品の需要増
  • 中国内製化の加速
  • 航空機需要のさらなる拡大
リスク
  • 米国を中心とした各国の関税政策の変更による景気後退
  • xEV市場の停滞
  • 主力製品の競争激化、また市場成熟化による成長の鈍化
  • カーボンプライシング導入による製造コストの増大

2025年度の事業戦略と強化領域

01.収益力強化のための構造改革

  • ①北米フェノール関連事業の利益重視運営への変革
  • ②高付加価値品へのポートフォリオ変革の推進
  • ③生産拠点の最適化、生産性改善
工場外観とAGVによる運搬作業

02. 強化領域製品の取り組み
高付加価値品へのポートフォリオ変革
【強化領域製品の拡販・開発】

電動車

バッテリー、e Axle、各種電動パーツ
電動車の進化に対応する高電圧、高耐熱材を開発、サンプル出荷開始

半導体

COPLUS®( シクロオレフィンポリマー)がAI半導体向けで採用

パワーモジュール向け液状エポキシ注型材のビジネス拡大

放熱シート材料が車載パワーモジュールで実績化。次世代向けも評価中

航空機

欧州向けカーゴライナーを量産開始。バイオマス材料の積極提案を実施

環境対応材

超低モノマー水溶性フェノール樹脂が半導体関連用途に採用

ユーロ7規制対応ブレーキ向け環境対応新製品を顧客に提案開始

超低モノマー水溶性フェノール樹脂で
新用途開拓

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