取締役 専務執行役員 小林 孝

セグメント別事業概況 高機能プラスチック

高付加価値製品へのポートフォリオ変革を進め、持続的な成長基盤を強化

取締役 専務執行役員小林 孝

2025年度振り返り

2025年度は、北米のフェノール関連事業の採算性改善やアジアの生産拠点の再配置などの構造改革が進展し、収益性が前年度から好転しました。各地域の事業環境に関して、日本、中国、東南アジアは自動車向けの成形材料やブレーキパッド用摩擦材などの高付加価値製品の販売が増加しました。欧州市場は市況が停滞したものの価格の是正などで前年と比べ、増収となりました。北米市場は自動車向けが振るわなかったものの航空機の需要が回復したことから、前年並みの販売となりました。
高機能プラスチックでは高付加価値製品への製品ポートフォリオ変革を推し進めており、2025年度は強化領域として定めた電動車や半導体向けなどの製品の売上収益比率で17%となりました。パワーモジュールに使用される放熱絶縁シートは、世界で初めて※1車載用有機基板に採用されました。当社独自のモノマー技術を活用したCOPLUS® は、AI半導体用や次世代ディスプレイ用などで順調に量産実績を増やしました。さらに世界初※2の超低モノマー水溶性フェノール樹脂AQNOA® は、建築材料や塗料、燃料電池、半導体用など幅広い分野で実績化が進んでいます。

※1 自社調べ2026年4月

※2 自社調べ2026年9月

2026年度の取り組み

高機能プラスチックの収益性を向上させるため、北米フェノール関連事業を中心とした構造改革をグローバルで継続して取り組みます。一方で、高付加価値製品では、AI半導体向けに需要が急拡大しているCOPLUS®の増産投資を進めるなど将来に向けた投資も積極的に行います。自動車向けでは放熱絶縁シートに加えて、エポキシ注型材などパワーモジュールの進化に必要な材料を拡大します。航空機向けは伸長する欧米の需要に対応するだけでなく、バイオ由来のPFAレジンの顧客評価を推進します。

業績の推移(実績・業績予想)

主なSDGs目標

2025年度のセグメント業績

地域別売上収益構成

事業の特徴・強み

  • 熱硬化性樹脂のパイオニアとして築いてきた独自素材を生み出す技術力
  • 樹脂、成形材料、成形品の一気通貫のバリューチェーン
  • 主要市場に対応したグローバル事業体制
  • リグニン変性フェノール樹脂、バイオマスベースポリマーなど、環境対応技術と製品群
  • 自動車、エレクトロニクス、航空機といった主要産業のサプライチェーンとの強いつながりと顧客との信頼関係
  • One Sumibe活動による事業横断でのソリューション提案力

機会とリスク

機会
  • パワー半導体の高機能化に伴う熱マネジメントに対するニーズの高まり
  • AI半導体など先端半導体の急速な拡大
  • 環境規制の強化による環境対応製品の需要増
  • 航空機需要の伸長
リスク
  • 中東情勢の悪化をはじめとした地政学リスクの顕在化
  • xEV市場の停滞
  • 主力製品の競争激化、また市場成熟化による成長の鈍化
  • カーボンプライシング導入による製造コストの増大

2026年度の強化領域

高付加価値製品へのポートフォリオ変革

半導体・モビリティ等の強化領域について、売上比率上昇を目指す

2025年度実績 17% → 2026年度目標 20%

放熱絶縁シート材料
  • 電動車向けに樹脂放熱基板として世界初の採用
  • 海外拡販、新用途(インフラ、産業機械等)へ拡大
放熱絶縁シート材料の特長
  • セラミックス基板代替
  • モジュール構造の設計自由度UP
半導体向け COPLUS®
  • AI半導体や次世代ディスプレイで順調に実績化
  • 幅広い用途で引き合い強く、2026年度生産能力増強へ

独自のモノマー技術を活かした高耐熱かつ透明な樹脂。分子設計自由度が高く、さまざまな機能をプラス(PLUS)

環境対応 AQNOA®
  • 2025年度より販売実績化
  • 新規用途開拓・ラインナップ拡充でグローバル展開(建築・塗料・燃料電池・半導体関連等)

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