
セグメント別事業概況 クオリティオブライフ関連製品
QUALITY OF LIFE
付加価値の高い製品群で、
次代を見据えた成長を加速
*写真の左より順番に記載
2024年度振り返り
2024年度は、ヘルスケアで注力する低侵襲治療機器では、血管内治療と消化器内視鏡治療デバイスのラインナップ拡充が進みました。血管内治療デバイスは北米で販売を伸ばしました。また、アジアでは高品質な血液バッグが受け入れられ、シェアを拡大しました。
フィルム・シートは、医薬品包装用PTP、食品包装用フィルムが堅調に推移したことに加えて、電子部品の搬送に用いるカバーテープの需要が中国・アジア市場で回復、また、拡販活動の成果も出て前年度と比べて、大きく販売を伸ばしました。
産業機能性材料は建築・産業用樹脂板の販売が増えたことや、アイウエアやヘッドアップディスプレイ(HUD)向けの光学製品、車載向け難燃絶縁材などの高付加価値品の拡販が奏功しました。防水シート関連についても、住宅向けが過去最高の売上収益を上げ、工事効率化により収益性も向上しました。
2025年度の取り組み
ヘルスケアでは、ラインナップを拡充した低侵襲治療機器の拡販と事業の構造改革を進めます。また、MPS※デバイスの市場拡大へプロジェクト活動を加速します。フィルム・シートは医薬品包装用で、欧州向けにモノマテリアルPTPの提案を進めます。また、カバーテープに加えて、ダイシングテープで先端半導体向けの販売拡大を目指します。産業機能性材料ではAGC株式会社より譲受するポリカーボネート事業の統合を進め、競争力を高めます。防水シート関連では高耐久防水システムを提供し、高寿命化でさらに商品価値を高め良質な住宅の普及に貢献していきます。
※ MPS(Microphysiological System:生体模倣システム)
業績の推移(実績・業績予想・中期経営計画)


2024年度のセグメント業績

地域別売上収益構成

主なSDGs目標

事業の特徴・強み
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ヘルスケア
低侵襲治療分野における医療機器の製品開発力
ポリマー設計、微細加工、アッセンブリ技術を活用した創薬支援や再生医療、診断薬への展開
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フィルム・シート
各ニッチ市場での高シェア、顧客ニーズへのカスタム対応力、DX活用による営業・モノづくりの効率化
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産業機能性材料
偏光・光学制御技術を用いた光学製品、電気特性がトップレベルの難燃絶縁材などの高付加価値製品
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防水シート関連
住宅メーカー向け高シェアに加えて、太陽光パネル設置における付加価値の高いアンカー製品の展開
機会とリスク
機会
- 医療の高度化・低侵襲治療領域の進化、再生医療業界の市場拡大、MPSニーズの高まり
- フィルム・シートにおける先端半導体の進化への対応、環境対応材のニーズ拡大、フードロスに対する意識の高まり
- ヘッドアップディスプレイをはじめとする光学製品および電動車への採用が増加する難燃絶縁材の車載市場が成長
- 建築後20年以上が経過した住宅の改修(リフォーム)需要の急増
リスク
- ヘルスケア製品における価格の下落、外科手術の減少、医療機器薬事許認可の長期化
- フィルム・シートでのプラスチック包装製品への逆風、主力製品の競争激化
- 国内の新規建築・住宅市場の停滞
- 原材料価格ならびに物流・外注費用等の高騰
2025年度の事業戦略と強化領域
01. ヘルスケア
① 低侵襲治療機器のラインナップ拡充
・消化管ステント:胆管・食道・十二指腸・大腸用にラインナップ拡充
・血管マイクロカテーテル:脳領域への拡販を開始



② 体外診断薬リブリア®トリプシン
膵炎に関する診断薬を自社開発で初めて商品化
③ MPSデバイスの開発強化
プロジェクト化により開発を加速
膵炎に関する診断薬を自社開発で初めて商品化

02.フィルム・シート
① 医薬品包装:モノマテリアル材を欧州市場で評価開始

② 食品包装:牛肉・豚肉向けでスキンパックの新規採用拡大

③ 電子部品・半導体:カバーテープ、ダイシングテープ
新製品を展開


03.産業機能性材料・防水シート関連
① 車載向け光学製品、難燃絶縁材:新製品およびAGC株式会社から譲受する事業の技術的シナジーによるモビリティ領域での競争力向上

② 建築・産業用樹脂板:データセンター向けに強い中空ポリカーボネート(ツインカーボ®)の積極展開

③ 防水シート関連:高耐久防水シートやソーラーアンカーなど高付加価値品を拡販
