薬剤誘発性腎障害(DIKI)は創薬研究における主要な課題で、従来の動物実験では感度が低く、予測能力の高いヒト由来のin vitroシステムが求められています。腎近位尿細管上皮細胞(RPTEC)はDIKI評価に有用ですが、二次元培養モデルでは薬物トランスポーターの発現が不十分で課題がありました。
今回はJournal of Pharmaceutical Scienceに発表された論文Three-dimensional culture of human proximal tubular epithelial cells for an in vitro evaluation of drug-induced kidney injuryをご紹介します。本研究では、PrimeSurface® 96Vプレートで作製された三次元RPTEC(3D-RPTEC)モデルを用いて腎毒性試験を実施しました。3D-RPTECはヒト腎皮質に匹敵する薬物トランスポーター発現を示しますので、細胞内ATPレベルを指標に評価を行いました。
その結果、3D-RPTECの腎毒性予測性能が従来モデルや腎細胞株HK-2を上回ることが確認されました。本モデルはDIKI評価において有用なツールであることが示されました。
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