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頭部形状の個人差に対応した、リボン型脳波測定用樹脂製ドライ電極を開発

2020年02月17日


住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、社長:藤原一彦)は、金属並みの低接触抵抗(導電性ジェル不要)で痛みや違和感がなく長時間使用可能な樹脂製脳波測定用柔軟ドライ電極の開発(特許出願中)に成功しました。


開発の背景と特長

近年、脳科学の発展とともにその知見を活用するBrain Machine/Computer Interface(BMI/BCI)技術が注目されています。BMI/BCI技術では、脳波・脳血流などの脳活動をセンサーで検知し、解析することにより、身体動作を伴わずに機械操作する、コミュニケーションが不可能な患者と意思疎通する、被験者の心理状態を読み取りマーケティングに反映する等の活用が模索されております。

一方、BMI/BCI で脳波を測定する際には一般的にキャップやヘッドギアを装着して、被験者の頭部に電極を固定させる必要がありました。そのため、装着に手間がかかることによる被験者の負担、さらには頭部を覆うことによるファッション性の低下が実用化への障害とされてきました。また、頭部形状は個人差が大きいことから電極が頭部に接触せず、計測に不具合が生じることも多々ありました。

住友ベークライトでは、これまで金属電極並(約20kΩ)の低い接触抵抗で脳波を測定可能な樹脂製柔軟ドライ電極の開発に成功しております。 この度、新たにリボン形状の脳波測定用樹脂製ドライ電極を開発いたしました。リボン形状電極はこれまでと同様導電性ジェルを用いずに測定が可能であり、柔軟性を有していることから、頭部に追従して変形することで頭部形状の個人差に対応 可能です。また、上記電極を用いて安静閉眼時のα波の検出にも成功しました。

「樹脂製 脳波測定用ドライ電極」

リボン型脳波測定用樹脂製ドライ電極

装着例


今後の展開

今回開発したリボン型脳波測定用樹脂製ドライ電極の更なる構造改良により接触抵抗の安定化、および更なる接触抵抗低減を目指します。また、実用化に向け安全性、耐久性の確認および外部との連携も含めより多くの被験者での脳波取得検証を進めて参ります。



本件に関するお問い合わせ

コーポレート・コミュニケーション部

Tel:03-5462-4818