2020年12月1日
住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤原一彦)は、ポリエチレン(PE)を基材とするモノマテリアル構成でリサイクルに適し、熱成形(深絞り包装)が可能な包装用フィルムの開発(特許出願中)に成功しましたのでお知らせいたします。
開発の背景と新製品の特長
近年、プラスチック全般に環境負荷低減が求められており、環境省の「プラスチック資源循環戦略」においても、戦略の1つに「2030年までに容器包装の6割をリユース・リサイクルすること」が掲げられています。
従来、包装用フィルムは多岐にわたる用途に対応するため、異種材料による積層構成をとっています。異種積層により高機能を発現する一方、各種材料の分離が困難でリサイクルできないことが課題となっていました。
住友ベークライトは、1976年より40年以上にわたり食品用包装フィルム・シート事業を営んでまいりましたが、この度、密度・分子量・構造等の異なるPEを積層することにより耐熱性・耐ピンホール性に優れたPEモノマテリアルフィルムを開発しました。 モノマテリアルフィルムの特長
これらの特性はPE単層フィルムでは実現が困難であり、従来はナイロン等の異種材料を積層する必要がありました。開発したPEモノマテリアルフィルムは、破砕・溶融することで再度PEとして利用できることも確認しており、リサイクル性にも優れています。この新しい特長によりSDGsが掲げる資源利用の効率化の効率化や環境配慮型技術拡大や廃棄物の発生を大幅に削減するという目標の達成に貢献できるうる商品です。 |
|
※従来品1…CNY/PE、従来品2…ONY/PE
バリア性は劣るが、実用性は問題なくリサイクル性が向上
想定する主な用途
冷凍・チルド食品の個包装用フィルム、医療機器・衛生用品の包装用フィルムとして、「容器包装のリサイクルしやすさ」の向上に貢献します。
今後の展開
今回開発したPEモノマテリアルフィルムを、住友ベークライトの多層フィルム・シート「スミライト®」CELのラインナップに加えます。さらに、酸素バリア性を向上したモノマテリアル材料の開発を進め、2025年度に10億円/年の売上を目指します冷凍・チルド食品の個包装用フィルム、医療機器・衛生用品の包装用フィルムとして、「容器包装のリサイクルしやすさ」の向上に貢献します。
補足資料
・耐ピンホール性について
突刺強度 | : | 先端0.5Rの針を押付け、穴が開いた時の 荷重を測定(針速度:500mm/分) |
---|---|---|
耐屈曲性 | : | ゲルボフレックステスター、測定条件:25℃×100回 |
耐摩耗性 | : | テーバー式摩耗試験機 、測定条件:サンドペーパーで外面を摩耗、5.2N、60rpmで500回転 |
関連情報
本件に関するお問い合わせ
住友ベークライト株式会社 フィルム・シート営業本部
TEL: 03-5462-4220