9月のP-プラス青果物 JAさがえ西村山【ハッピー枝豆】 | 住友ベークライト株式会社

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JAさがえ西村山【ハッピー枝豆】

ご紹介

今月ご紹介するのは、JAさがえ西村山の「ハッピー枝豆」です。

山形県の中央部寒河江市を起点に西村山地域の農業を支える同JAでは、盆地の昼と夜の寒暖差が生み出す味わい深い作物を多く育んでいます。

このハッピー枝豆は早生種の「湯上がり娘」から晩生種の「秘伝」までの6品種を8月から10月上旬まで途切れなくリレー販売しています。呼吸量が多く収穫後の鮮度の低下が早い枝豆の鮮度と旨味を守って消費者の元へ届けるため、そして店頭での棚もちをよくし、食品ロスを出さないためにP-プラスを採用いただいています。



JAさがえ西村山が誇るブランド「ハッピー枝豆」の魅力

山形県のほぼ中央に位置する寒河江市のある西村山地域は、朝日連峰・月山・葉山等の出羽丘陵を源とする最上川・寒河江川・朝日川・月布川が流れる自然の恵みに囲まれた場所です。この地域の農業を長年支えているのが、1994年に寒河江市・大江町・朝日町・西川町・河北町の1市4町のJAが広域合併して生まれたのが『JAさがえ西村山』です。JAさがえ西村山では地域の農業の発展と組合員および地域の人達の暮らしをより良いものにしていくため、幅広い事業を展開しています。

さて、山形県の代表的な農作物の一つ「さくらんぼ」。山形県は収穫量・栽培面積ともに全国1位を誇ります。山形に初めてさくらんぼが入ってきたのは明治8年頃といわれます。ちょうどその頃、全国各地でさくらんぼ栽培が試されましたが、ほとんどの地域でうまく栽培できず、霜害・台風被害が少なかった山形県だけが実績を残したのだそうです。

西村山地域の気候は地域差があり、山間・中山間地帯は全国有数の多雨多湿地帯で、夏は高温多湿、冬は寒冷と気温差が大きいのが特徴です。そして、この気候こそがさくらんぼをはじめとした、多様な農産物の食味を引き出すことに大きく寄与してします。

『JAさがえ西村山』は「ハッピー枝豆」という名前で6品種(「湯あがり娘」「ゆかた娘」「雪⾳」「⻘豊」「味ゆたか」「秘伝」)の枝豆をブランド化し、早生種の「湯上がり娘」から晩生種の「秘伝」までの6品種を8月から10月上旬まで途切れなくリレー販売しています。そんな「ハッピー枝豆」の中でも、9月20日から10月5日ごろに収穫される「秘伝」がイチオシだとJAさがえ西村山営農販売部の渡部さんは話します。ただし、「秘伝」という枝豆の名に耳馴染みのない首都圏在住の人は多いことでしょう。

「東京中心に出荷はしています。しかし、圧倒的に物量が少ないので今のところ『知る人ぞ知る、誰にも教えたくない枝豆』になっているんですよね」

数に限りがあるため、あまり広めたくないという消費者心理が働いてしまい、なかなか「秘伝」の知名度が広まらないと、嬉しいような悲しいようなジレンマがあるようです。


効率を無視した手間暇が「秘伝」の食味を支える

「秘伝」のような食味の優れた枝豆が生産できる要因のひとつには、寒河江・西村山地域特有の気候が挙げられます。

「この辺りは盆地なので昼と夜の寒暖差が大きいことが特徴です。昼は日差しが出ているので枝豆は思いっきり光合成できます。夜はぐっと気温が下がるのでしっかり休むことができるのです。この気温の差が農作物の糖度を上げ、より味わい深い作物に育ててくれます」

また、気候以外にも「秘伝」の食味を押し上げる様々な取り組みを行っているようです。

「肥料には非常にこだわっていて、“JAさがえ西村山ハッピー枝豆専用肥料”という独自にブレンドした肥料を使用しています。また、枝豆の栽培は作物の株元の土をポリエチレンフィルムなどで覆う栽培“マルチ栽培”が基本なのですが、うちでは採用していません。『秘伝』を育てる過程ですが、マルチを張らずに枝豆の株と株の間の土を機械で耕しています。そうすると、土を耕す時に空気を含ませることができるので、丈夫な根っこに育てることができます。根っこが丈夫だと育ちが良くなり、食味を良くしてくれるんですよ」

効率重視はビジネスの基本ではありますが、あえて手間を掛けることが多くの人から支持される一品を作り上げているようです。


鮮度保持に大きく貢献するP-プラス

『JAさがえ西村山』は15年ほど前からP-プラスを使用。野菜の中でも特に呼吸量が多い枝豆は、その活発な呼吸により、出荷後の流通過程において、サヤの黄化・褐変や食味の低下、また乾燥によるしおれが発生しやすく、それらに比例して食味も落ちるので、予冷や包装資材を利用した鮮度の保持が非常に重要になります。

「昔は枝豆をネットに入れて出荷していたのですが、どうしても食味が落ちてしまっていました。P-プラスは枝豆の盛んな呼吸を抑制し、鮮度を保つため、品質の維持にとても貢献してくれています。スーパーなどの店舗に陳列されても、P-プラスを使用することで棚持ちがよくなります。昔なら2日くらい経ったら色が黄色くなっていたのが、3日、4日経っても食味を落とすこと無く店頭に置いてもらえます」

近年、食品ロスが問題視されていますが、食べ物が廃棄されることを一番辛く感じているのはおそらく生産者の方々でしょう。P-プラスを使用したことで、廃棄されずに誰かのお茶の間を彩ることができた食品も少なくないのかもしれませんね。

『JAさがえ西村山』が直営している「アグリランド産直センター」でも、「秘伝」を始めとした「ハッピー枝豆」を取り扱っています。「同センターには500名を超える農家が、新鮮で美味しい農産物を出荷し、その一つひとつが顔の見える安全で安心な逸品です。また、県内最大級の売り場面積を誇り、 朝採りの新鮮な野菜や、他店では販売されてない珍しい野菜も販売しています。その他に果物、肉、花の売り場も人気とのこと。また 姉妹JA間の取引も行っており、南国の果物などバラエティーにとんだ売り場になっています。

渡部さんは「アグリランド産直センター」を運営することの重要性について説明してくれました。

「まず、仲介業者を通さずに作物を販売できるので、農家の人の収入を上げることが期待できます。2つ目は、直売所で販売すると生産者と消費者が触れ合うことで、消費者のニーズを探求することができます。生産者の皆さんに“作っておしまい”ということではなく、商売人としての視点や感性も育んで欲しいという狙いがあります」また、近くに温泉もあるため、温泉帰りに立ち寄ってくれるお客さんもいるようで、地域の消費を盛り上げる役割も担ってくれているといいます。

山形県は今年5月、同県を枝豆の全国一の産地にするため、「山形枝豆日本一産地化推進協議会」を設置し、3年計画で枝豆の生産量と販売量で日本一を目指す考えを示しました。平成29年の枝豆の産出額は、1位が千葉県(47億円)、2位は群馬県(45億円)の次の3位が山形県(40億円)という結果をうけて、山形県は県を上げ、高品質な生産戦略、鮮度保持技術、食味向上プログラムの3点を課題とし取りくんでいくことを決定し、枝豆の品質改良やプロモーション活動などに今まで以上に力を入れています。

品種をみると山形県内は、だだちゃ豆(庄内地方)、上杉まめ(置賜地方)、ハッピー枝豆(西村山地方)と3地方が独自のブランドを作っており出荷時期と食味に個性があります。当然、全国1位の獲得には3つのブランドそれぞれの力のUPも必要不可欠なので、山形県は昨年から枝豆の食味を分析する機械を導入し、食味を数値化する取り組みも始めました。先進的かつ科学的なアプローチとP-プラスの鮮度保持力が「ハッピー枝豆」と山形の枝豆のさらなる飛躍の一助となれば幸いです。

お客様の情報

  1. JAさがえ西村山
  1. 〒991-0061 山形県寒河江市中央工業団地75番地
    TEL: 0237-86-8181(代表)
    https://www.ic-net.or.jp/home/jasagae/jainfo/inf_top.html
  1. 山形県の中央部寒河江市を起点に西村山地域の農業を支えるJAさがえ西村山では、盆地の昼と夜の寒暖差が生み出す味わい深い作物を多く育んでいます。
    ハッピー枝豆は早生種の「湯上がり娘」から晩生種の「秘伝」までの6品種を8月から10月上旬まで途切れなくリレー販売しています。
    アグリランド産直センターにもどうぞ足をお運びください。