5月のP-プラス青果物 株式会社アースマインド伊万里【パプリカ】 | 住友ベークライト株式会社

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株式会社アースマインド伊万里【パプリカ】

ご紹介

今月ご紹介するのは、アースマインド伊万里のパプリカです。

佐賀県伊万里市でオランダ式の最新技術を導入した野菜工場を中倉大介さん、啓介さんが兄弟で運営されています。国産の完熟パプリカだからこそ感じられる、甘味やみずみずしさ、そして豊富な栄養を保持して消費者へ届けたい。その思いを叶えるためにP-プラスを採用していただています。



オランダ式の最新技術を導入した新しい農業を追求

アースマインド伊万里は、佐賀県伊万里市出身の中倉大介さん、啓介さん兄弟が運営しています。ITによって温室内環境を制御して、農作物にとって最適な環境を作り出すという、農業先進国オランダの最新技術を導入。そこに日本独自のモノづくりのノウハウをプラスするという新しい農業のカタチを追求する農業法人です。

一際目を引く、色鮮やかなサインを掲げたハウスで生産されているのは、赤、黄色、オレンジと色鮮やかなパプリカ。最先端技術を導入した野菜工場で生育されたパプリカの果肉は柔らかく、甘くてみずみずしいという特徴を持っています。一度、食べた消費者からは、「これまでのパプリカのイメージとは全く違う」との声が多く届いているのだとか。中には、「ピーマンが食べられなかった子どもが『大好き』と言っている」というような、嬉しいエピソードも寄せられているといいます。現在は、全国の百貨店やスーパーはもちろん、一部直販、地元の学校給食にも採用。大きな反響が寄せられています。

「僕たち兄弟は、元々、農業とはまったく関係ない仕事に就いていました。ところが、地域の農家が後継者不足に悩んでいるという話を聞く機会があって、何らかのかたちで地域貢献できないだろうか?と考えたときに出会ったのが、このオランダ式のパプリカ工場でした」というのは、同社代表取締役を務めるお兄様である中倉大介さん。『キツい』『汚れる』『休みがない』『仕事量の割に儲けも少ない』という、これまでの農業のマイナスイメージが微塵も感じられない点に、新たな農業の可能性を見いだしたといいます。

「多くの農家が抱える課題に対して、どのような解決手法があるだろうか。そのヒントとなる情報を探していたときに、宮城県にある野菜工場の存在を知りました。そこで展開されていたのは、システムによって野菜に最適な環境を自動的に調整、維持されるという、まったく新しい農法。土ではなく、養液で栽培するので、農業従事者はGパン、ポロシャツのようなラフな格好で作業が可能です。ITを活用し環境をコントロールしているので、日曜日にはしっかり休むこともできます。この農法が普及すれば、従来の農業が持つマイナスイメージは払拭され、後継者問題を根本から解決できるのではと感じました」

まずは、元々、設備技師であった弟の啓介さんに生産責任者になってもらおうと考え、宮城県の農業工場に派遣。ノウハウを学んでもらったのだといいます。大介さんは事業計画書作りを担当。作業内容を把握するために、弟さんが就農した2年後、追いかけるようにして研修に出たのだとか「結局、そこで弟は6年、私は3年の年月を費やして、まったく新しい農法を習得。同時並行で、各種助成や融資を受けるために必要となる事業計画書を約一年がかりで作成、地域が抱える課題解決に向けた取組を支援するための国(農林水産省)の事業『強い農業づくり交付金』の助成を受けて、念願のオランダ式高性能ハウスを建設しました」


果肉のみずみずしさを失いたくないという思い

パプリカはハンガリーで品種改良されたピーマンの一種で、肉厚で甘いものをパプリカと呼ぶようになりました。日本で輸入が解禁されたのが1993年(平成5年)、それから25年ほどで、一般家庭でも使われる野菜として定着してきました。しかし現在でもパプリカの国内流通量は80%以上が韓国、オランダ、ニュージーランドなどからの輸入ものです。

まだまだ国産パプリカは生産量が少ないのですが、収穫してから店頭に並ぶまでの期間が長い外国産に比べ、より完熟に近い形で収穫・出荷できる国産のパプリカは、新鮮で栄養価も高く、本来の甘みや味わい深さを感じることが出来ます。さらにアースマインドでは天敵昆虫(=害虫を食べる昆虫)の導入により農薬の使用回数を通常の半分以下に抑え、昆虫たちが生き続けられる程度の弱い薬を散布することで、大人から子供までがより安心して食べられるパプリカが育つのだといいます。そして先述のITを活用した膨大な栽培データに基づく生育に最適な条件の下で丁寧に作られるパプリカは、病害の発生も少なく健やかに育ちます。そのため、露地栽培ものに比べ、肉厚で美しく、みずみずしい食感を楽しめるのです。

パーフェクトともいえる、この生産システムの中で育てられたパプリカは当然、安定した品質で供給可能だったのですが、商圏が広がったことで遠方への出荷も増え、経時変化によって、国産の完熟パプリカの最大の特徴である果肉のみずみずしさが損なわれることがありました。どんなに新鮮なものを出荷しても店頭に並んで数日が経つと、芯の部分の変色や果肉の表面に皺が発生。とれたての新鮮さおいしさをそのまま届けたいという信念の中倉さんにとっては、とても気になる部分であったといいます。

「そんな悩みを取引のある資材屋さんに相談したときに紹介を受けたのがP-プラスでした。早速、住友ベークライトの営業にコンタクトを取り、まずは実証実験をしてみようという話になりました」

最初は、住友ベークライトの評価CSセンターにパプリカを送付しました。後日パプリカ用にカスタマイズした専用の袋がサンプルとして送られてきました。そこでP-プラスの効果を目の当たりにして、非常に驚いたと言います。

「いただいたサンプルを使って、私たちのほうでも実験をしてみました。2週間経っても、パプリカの見た目はもちろん、食感も変わらない。これはすごいと思って、すぐに採用することを決めました」


理想の農業を追及し地元へ貢献したい

アースマインド伊万里を立ち上げてから5年が経過。鮮度の良いパプリカを多くの消費者に届けたいと考える一方で、むやみに農場や事業を拡大するつもりもないと大介さんはいいます。

「僕らは地元に貢献したいと思って、この事業を立ち上げたわけですから、まずは、この会社が地域の方々に愛され、そして、この農法を確立させる。それを地元の多くの若い農業従事者と共有して、社会に貢献したいという目標があります。自分たちだけが、大きく事業を拡大するといううつもりはありません」

社名に“マインド”という言葉をいれたのも、拡大志向ではなく、“心を込めたビジネスをしたい”という思いがあったから。それを地球規模で拡大するという意味をプラスして、“アースマインド”という社名を掲げたのだといいます。

「現在は、地域の皆さんに応援していただいていて、やりがいは感じています。でも、地域貢献という大きな目標の達成度はわずか5%足らずと自覚。もっと生産を効率化して、収穫量とクオリティを同時にアップしていく必要があると感じています」

まったくの未経験から農業へとチャレンジした中倉兄弟ですが、いっさい妥協のない“こだわり”があるからこそ、理想の農業を実現するために、常に新しい情報を収集し、トライ&エラーを繰り返しながら着実に前進している。その情熱は、消費者はもちろん、多くの関係者の胸を打ちます。

「“完熟”に限りなく近い状態で収穫し、即出荷しているため、甘くておいしいパプリカを消費者の下にお届けすることができます。この農法にこだわりぬいて、これからもずっと継続していきたいと考えているので、鮮度保持をサポートしてくれるP-プラスの存在は欠かすことができないと思っています」

中倉さん兄弟が実現したいと考える、新しい農業のフレーム作りに、P-プラスが協力できることは、まだまだたくさんありそうです。

お客様の情報

株式会社アースマインド伊万里

    〒849-4217
    佐賀県伊万里市東山代町長浜2498-35
    TEL: 0955-29-8008

アースマインドのパプリカは、農業先進国オランダの栽培技術を取り入れ、そこに日本人特有のものづくりに対する意識の高さと情熱をプラスすることで、新しいカタチの農業を確立しようとしています。

24時間の徹底した温度管理や栄養管理で一つ一つ丁寧に育てられた、他の何処にもないパプリカをお届けします。