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北研【菌床しいたけ 味じまん】

ご紹介

今月ご紹介するのは、株式会社北研の菌床しいたけです。

1961年の創立以来、日本のきのこ産業の発展に寄与してきた北研の特選しいたけ「味じまん」。

袋売りのしいたけが抱える問題「結露」を防止し、安定した流通と店頭での棚持ちの良さを実現すべく結露防止タイプのP-プラスを採用していただいています。



日本で初めて菌床栽培が可能な品種を開発

栃木県に本社を置く株式会社北研は、1961年の創立以来、きのこの菌種の製造販売、および生産機材、栽培プラントの販売を通じて、日本のきのこ産業の発展に寄与してきました。

1984年には、日本で初めて菌床による栽培が可能となる品種“北研600号”の開発に成功。旧来の原木栽培に比べて生育期間が大幅に短く、効率よい生産を可能としたことで、生産者の負担を大幅に軽減することとなりました。

1987年には全国規模の生産協議会を発足し、2010年には2,000名以上の会員数を誇るまでに拡大。それを機に『サンマッシュ』と名付けられた同社の菌床しいたけは現在、国内シェア50%以上を占めるまでに至っています。

「2004年に本格稼働となった馬頭工場は、実際にきのこ栽培を実施しながら、生産者の有益な情報を提供するという目的で設立。1日600kgの収穫高を確保しながら、新しい品種や栽培法についてチャレンジを続けています」というのは同社馬頭工場の寺内工場長代理。実際にきのこを栽培している農家の方々の現場に近い環境で生産を行うことでノウハウを蓄積し、生産者にとって最適な情報を提供しているのだといいます。

「さらに、これからきのこ生産を始めようと考える生産者や就農希望者に対する実地研修の場としても機能。さらには地域雇用の創出といった責務も担っていると自覚しています」


悩ましい結露対策としてP-プラスに注目

馬頭工場で生産されている菌床しいたけ「味じまん」は、しいたけを育成する菌床づくりからこだわりぬいた、文字通り“自慢の”逸品です。肉厚で触感も良く、大変味わい深い品種として、多くの消費者から好評を集めています。

ところが、この大変優れた農産物も流通の過程において鮮度が確保できないといった課題があったのだといいます。

「元々、袋売りのしいたけには結露といった問題が付きまとっていました。以前、完全に穴の開いた袋を試してみましたが、結露はしないものの変色しやすい。逆に、穴の開いていない袋は、例え結露の問題に目をつぶったとしても、袋をあけたときに蒸れた匂いが鼻につくといった問題が生じていました。夏場になると保管庫と店頭の温度差が激しいためすぐに結露が発生。袋に付着した水滴がきのこに浸水し、すぐに腐敗がすすんでしまう。といった問題も生じていました」

これまでもいくつか、“水滴がつきにくい”と触れ込みのあった袋を使用してみたものの、なかなか効果を実感できなかったといいます。

「私の前任の者が、以前からP-プラスに注目。“とても長持ちする袋があるから使ってみたい”と言っていました。そこで住友ベークライトに連絡を入れ、相談をする段階で、結露防止機能が付加された袋があることを聞き、何度か実験を繰り返したのちに採用に至ったと聞いています」

P-プラスを採用した理由には、もちろんこの優れたしいたけの魅力を消費者に正しく理解してもらいたいという思いもありますが、生産者や販売に従事する方、流通といった、それぞれの立場においてメリットが生じるのではという見込みもあったのだといいます。

「やはり、必ずしも生産が安定しているわけではないので、収穫量が多すぎるときにP-プラスで封入して保管し、収穫量が少ないときに補うことで生産者としても安定的な出荷量が確保できます。またスーパーさんにとっても、2日間で傷んでしまうものより、一週間は日持ちする商品の方が売りやすいわけですからね」

実際に使用してみたP-プラスの効力は誰の目にも明らかだったといいます。

「直売所に出荷すると『日持ちが良くなった』とダイレクトにお言葉をいただくことが多くなりましたし、社内販売も好評です。ご自宅で食べるのはもちろん、ちょっとした贈答用としても活用できるといった声があがってきています」


日本のきのこ産業全体の発展に寄与していく

全国のきのこ生産者に対して、新しい生産技術を水平展開する使命を自覚する同社としても、このP-プラスの価値を広く伝えていきたいとの考えもあるといいます。

「前任者がP-プラスを採用した際には、とても良い商品だということで、すでにそういった計画が頭の中にあったと聞いています。当社には生産者に対して資材を販売する部門があるのですが、そちらの営業メニューとして提案を行っていると聞いています」

株式会社北研の生産拠点のひとつとして機能する馬頭工場としても、売り上げの拡大を図っていきたい。そのためには商品の特徴を売り先に対してアピールしていく必要があるといいます。

「P-プラスという特殊な袋を使用して、棚持ちの良い商品が提供できることをアピールしていきたいと思っています。市場も仲卸もストック期間が長くなって、スーパーさんも商品寿命が延びるわけですから、きのこに関わる全ての関各所が満足できる。そんな流れを認識してもらえればいいですね」

P-プラスの技術力が、生産から流通までを繋ぐきのこのサプライチェーン全体の発展に寄与できれば嬉しい限りです。

お客様の情報

株式会社 北研

    本社:栃木県下都賀郡壬生町駅東町7番3号
    TEL: 0282(82)1100

    馬頭工場:栃木県那須郡那珂川町大山田下郷新宿平1296-4
    TEL: 0287(93)6565

きのこ類の需要はその特有の美味しさと国民の健康志向に支えられ年々増加し、今や国民の食生活には必要不可欠な食品となっております。きのこの機能性食品としての研究開発と実用化も進められており、21世紀におけるきのこの有用性は益々高くなっております。

お客様の声に耳を傾け、新鮮で美味しく安全な、そして国際競争力のあるきのこの新品種創出に向けて日々研究し、優れたきのこ種菌や栽培技術の提供を通して全国の栽培者の皆様と共に国民の皆様の食生活に貢献し、またきのこ産業の発展に寄与したいと考えております。