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2014年2月のP-プラス青果物
フレッシュリミックス【旨味茸】

フレッシュリミックス【旨味茸】

冬といえば、鍋物のシーズン。その鍋物には、ハクサイやネギと並んでどうしても外せないのがキノコ類でしょう。鍋物用のキノコ類といえば、最近ではエノキダケやマイタケなどもよく使われるようになりましたが、何といっても欲しいのはシイタケです。独特の香りと風味、食感には、古くから根強い支持があり、とくにファンの多いキノコだといえます。

そんなシイタケの美味しさを、さらに引き立てる新商材が登場しました。その名も「旨味茸」といいます。現在、全国のスーパー100店以上で品揃えされているこの「旨味茸」は、傘の直径が1~2cmの“ミニ・シイタケ”です。その愛称の由来は、旨味成分であるグルタミン酸が、一般のシイタケに比べて、傘の部分で2.5倍、茎の部分はなんと3.6倍も含まれているから。ちっちゃな身に、旨味と風味がぎゅ~っと濃縮されているのです。

デビューして4年目となる「旨味茸」が、いまや全国どこの地域のスーパーでも売られるようになったのは、全国各地で野菜や果物の“隠れた名品”を発掘し、それをスーパーに差別化商材として紹介する事業を展開するフレッシュリミックス㈱が、「逸品シリーズ」として採用したからです。同社では、全国の約400社のスーパーを顧客として、さまざまな企画提案や店頭調査、プロモーション活動を行っているため、各地で、その地域だけにしかない珍しい品種、新しく開発された品種などに出会う機会が多いのです。そうやって発掘して商品化された「逸品シリーズ」は、いまや野菜・果実類合わせて50品目以上にも上りますが、この「旨味茸」は岡山県でこだわり栽培をする頑固なキノコ農家に出会って、その“旨み”に一目ぼれ。「逸品」として商品化した初めてのキノコ商材だったといいます。そして「旨味茸」の愛称もここで生まれました。

ところで、本来、キノコは秋の深まるころ野山に自然に発生していたもので、多くは個性的な香りが特徴です。しかし現在流通しているキノコ類は、ほとんどが工場生産されているため、年間を通じて消費できるようになったのですが、やはり人工のものの弊害として、天然物にあった香りが薄くなってしまいました。同様にシイタケもいまや、菌床といわれる人工培土を使っての栽培が主流になってきているのですが、それでもシイタケだけは、人工栽培されていても独特な香りが残っているといわれます。

ただし香りや風味は、収穫から時間がたつほど薄れてしまうもの。そこでキノコ類でも、流通から販売、そして家庭までに至る鮮度保持が必要になるのです。従来、キノコの鮮度保持は、トレーパックや密封包装、脱気包装する方法が主流だったのですが、密封包装は外部からの酸素を遮断してしまうため、時間がたつと、嫌気発酵してアルコール臭など異臭がするようになります。これが、キノコ類包装の課題でした。

フレッシュリミックスでは、全国に向けて流通させることを前提に、「旨味茸」にはMA包装(P-プラス)を採用することにしました。包装内の酸素と二酸化炭素をバランスよく安定させることで、時間がたっても特徴ある風味を損なわないようにするためです。いま、「旨味茸」を品揃えしている約100店のスーパーは、産地から近い地域だけでなく全国に展開しています。そんな広域を対象として、寒い冬だけでなく高温期にも流通させなければなりません。どこの店舗でも、どのシーズンでも同じ品質のキノコとして品揃えするためには、MA包装は必要不可欠な資材だったのです。

「旨味だけ」とMA包装は、いまや差別商材キノコとして売場をにぎわす名コンビ。この冬には、来店する主婦たちからの“指名買い”が増えているそうですよ!