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2013年6月のP-プラス青果物
群馬県・ヤマダイファーム【ホウレン草】

ご紹介

葉物野菜といえば、まず思い浮かぶのがホウレン草です。スーパーなどの小売店頭では、いちばん目立つところに一年中陳列されていて、必需品ともいえる存在になっている重要な野菜のひとつ。周年を通じて消費ニーズがあるホウレン草ですから、その生産地も消費地周辺に広く展開されています。最も大きな消費地である関東地区では、千葉、茨城、埼玉、栃木、群馬の各県が、首都圏3500万人の需要に応えているのです。

なかでも主産地といわれるのが、東京市場でいまや年間35%ものシェア(24年実績)を持ちダントツの1位産地が群馬県です。近年、農家の老齢化や人手不足などによって都市近郊産地の生産と出荷が減る傾向にあっても、群馬県だけは生産量を維持して、首都圏の胃袋をひとり担っているかのようです。その大きな理由のひとつが、群馬県のホウレン草産地は、平坦地から標高400~500mまでリレーして周年生産し供給を切らさないからで、ホウレン草産地としての絶対の信頼を得ています。

周年供給するにあたって、とりわけ重要なのは春から夏を経て秋に至る時期。ホウレン草は性質上“寒さ好き”の野菜であるため、暑さは苦手なのです。その点、群馬県には暑い時期の栽培に適する高原地帯が広がっており、適期の冬場はもちろんのこと、夏でも冷涼な高原産地を有する、わが国有数なホウレン草適地だといえます。

そんな群馬県にあって、そのホウレン草の品質が“ピカイチだ”と大きな評価を得ているのが、農業生産法人(有)ヤマダイファームです。同ファームは群馬県を代表する「赤城高原」に立地し、すでに20年以上前から周年供給を続けていますが、卸売市場だけでなく生協やスーパー業界まで“知る人ぞ知る”といわれる生産農家です。年間を通じて約50万パックものホウレン草を全国に出荷していますが、とりわけ夏場を中心として、遠くは九州地区まで出荷され、スーパー店頭では消費者から、また業務用需要者からも“指名買い”されるほどだといいます。

ヤマダイファームのホウレン草は、どうしてそんなに評価されているのでしょうか。とくに、「夏場のホウレン草はおいしくないし、すぐ萎れてしまう…」などと一般的に言われていますが、同ファームのホウレン草は違います。そのコクと旨み、そして鮮度のよさには「これが夏ホウレン草?」と驚きの声が…。

理由はいくつかありますが、まずヤマダイファームが立地する赤城高原は、標高400mという準高冷地で、夏でも1日の寒暖差が大きく、コクのあるホウレン草が育つ環境であること。さらに雨除けハウスで大切に栽培されるとともに、土壌中の微生物をコントロールして連作障害を出さず、さらに濃厚な食味をも育てるといわれるVS農法に、独自のぼかし技術を組み込んだ栽培方式を実践していること。それだけではありません。全国のホウレン草産地に先駆けて、20年前からP-プラス包装を採用して、鮮度食味保持に積極的に挑戦してきたことが、ヤマダイファームの現在の地位を保証しているのです。

2年前の大震災と原発事故で、不幸にも一時、ホウレン草などの軟弱野菜は風評被害に遭いました。しかしながら、多くの北関東産地がホウレン草の生産と出荷を縮小するなかにあっても、ヤマダイファームは安心・安全に最大の配慮をしつつ、生産を維持拡大してきたのです。その勇気とチャレンジ精神、さらに自分のホウレン草に対する絶対の自信には敬服するばかりです。