応用研究(フィルム・シート)
2011年入社
工学研究科 材料化学専攻修了
2011年に入社し、フィルム・シート研究所の研究部に配属されました。以来、電子部品を搬送するための包装フィルムやカバーテープの研究開発に従事し、7年間に渡って同じ製品分野を担当しています。
学生の頃から無機材料よりも有機材料の多様性に可能性を感じ、プラスチック製品の開発をしたいと考えていました。企業研究を進めていく中で、どの企業も多彩な事業を展開していることから具体的に働くイメージをつかみづらく、志望先を選択するのが難しいと感じていました。そんな中、大学の研究室の複数の先輩が住友ベークライトで働いており、業務内容や会社の雰囲気などについて魅力的な情報を得ることができたので、当社を選びました。
スマホや自動車の回路基盤に搭載される、多数の電子部品を搬送するための包装フィルムを開発しています。具体的な業務は、目標特性に見合う原料候補を選定し、試作、特性を評価するという流れです。
電子部品の業界は動きが早く、早い場合は数か月、長くても2年程度の期間で既存フィルムの改良や新製品の開発を行う必要があります。ユーザーの要望や今後の動きを正確にくみ取り、使い易い製品をタイミングよく開発することが求められています。
当社の開発では自分で作った製品が、お客様からその出来栄えを厳しく評価されることから、要求特性や仕様を満たすという高評価を得て採用に至った時には、大きなやりがいを感じられます。もちろん採用に至らなかった場合もあり、それがまた発奮材料になります。このように製品開発の魅力は、モノづくりを楽しめることだと思います。自分でフィルムの構成を考え、原料を選び、加工方法を工夫して思い通りの特性が出た時にはとても嬉しいですね。
以前、米国の大手半導体メーカーから静電気対策の要望を受けて開発をした案件が、心に残る大きな仕事でした。発生する静電気を逃がす特性を要望するまでのユーザーが多い中、静電気を発生させない特性までも要求されたことから、開発の難易度が格段に高かったのです。
しかも半年程度の短期間での開発。研究・製造・品質保証の3部門で密に打ち合わせを進め、何とか要件をクリアできました。最後まで諦めずに挑むことを学んだ、非常に良い経験になりました。
私が研究・開発担当として期待されていることは、既存の電子部品包装フィルム製品を、次の段階までに性能をレベルアップさせる業務だと捉えています。
そこで、既存製品をより良いものに改良・発展させる開発に日々取り組んでいるのですが、結果として担当している製品群の販売量のうち5割を自分の開発品に持っていくことを当面の目標として置いています。
住友ベークライトには長い歴史のある製品が多く、そうした製品は改良が続けられ、設計は複雑なものになっています。多くの先輩たちが培ってきた設計思想を受け継ぎつつ、ユーザーの新たなニーズに応じて改良していく開発業務には、細心の注意と数多くの検証が必要になります。ですから、真面目にコツコツ積み重ねることが得意な人が向いているのではないかと思います。ただ、一番大切なのは、もの作りをしたいという強い気持ちだと思います。
尼崎工場全体では関西圏出身の社員が多いということもあり、非常に明るく、にぎやかな雰囲気があります。
その中にあるフィルム・シート研究所は、意外に関西出身以外の人が多い職場ですが、工場全体の雰囲気の影響か風通しが良く、上司との距離感も近く、誰とでも気さくに会話ができるような職場です。
学生のころから釣りが趣味なので、昼夜を問わずよく釣りに出かけています。
車がなくても公共交通機関で移動できるので、兵庫の西から滋賀の中部くらいまで釣り歩いています。
京都・大阪・神戸といった大きな都市が近いので、時間ができたらその日に開催されるイベントを調べて、ちょっと出かけてみるということもやっています。