PrimeSurface® 96 スリットウェルプレート
96スリットウェルプレートを用いたヒト大脳皮質オルガノイド作製
アプリケーション

データ提供:米国ニューラルステムセル研究所 (NSCI) 主任研究員 テイラー・ベルチュッチ博士

はじめに

ヒト多能性幹細胞 (hPSC) 由来の大脳皮質オルガノイドは、人間の脳発達や神経疾患の研究に役立つ有用なモデルです。これらのオルガノイドは、神経新生やグリア新生といった重要な発達過程を再現し、皮質の構造と機能を長期間にわたり研究可能にします。しかし、従来のプロトコールは生産効率が低く、hPSC系統間でのばらつきが大きいことから再現性に課題がありました。本研究では、PrimeSurface® 96スリットウェルプレートを用いた改良プロトコールを開発し、複数のドナー由来細胞での作製効率および再現性を向上しました。これにより、疾患関連の代謝異常を敏感に検出でき、神経変性疾患のメカニズム解明に貢献できます。

方法

96スリットウェルプレートを使用してhPSCから大脳皮質オルガノイドを作製しました。ウェル内でスフェロイドを形成し、その後特定のパターニング因子を用いて培養を行いました。対照群はマルチディンプルディッシュでスフェロイドを形成後、24時間後にディッシュに移し替えてオルガノイド培養を行いました。培養期間中、オルガノイドの形態とサイズを定期的にモニタリングし、神経マーカーの発現を評価するために免疫染色を行いました。96スリットウェルプレートを使用することで、効率的かつ再現性のある大規模なオルガノイド作製が可能となりました。

結果

・96スリットウェルプレートで培養されたオルガノイドは、数の減少が最小限で、高い生存率、均一なサイズ、安定した成長を示しました

・スフェロイド形成時点で96ウェルスリットウェルプレートで生成されたスフェロイドは、対照群に対し多能性関連遺伝子が有意に高く、複数のhPSCラインで対照群と比較し均一なサイズ分布を示しました。

考察

96スリットウェルプレートを用いた培養により、オルガノイドの生産効率とサイズ均一性が著しく向上し、従来法よりも安定した培養が可能となりました。これにより細胞株間および実験間のバラツキが低減され、再現性と信頼性の向上に寄与します。初期スフェロイドの形成の均一性も、培養の再現性を支える上で重要な役割を果たしました。

96スリットウェルプレートは、均一で安定した培養環境を提供し、
大規模かつ効率的なオルガノイド生産を可能にします。
実験のばらつきを低減し、オルガノイドベースの疾患モデルの標準化に貢献します。