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5G対応低誘電率・低誘電正接基板材料の開発について

2020年09月25日


住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:藤原一彦)は、第5世代移動体通信システム(5G)の高周波回路基板用として誘電特性が優れ、かつ低熱膨張、高弾性率の基板材料「LAZ-4785KS-LE(コア材)」「LAZ-6785KS-LE(プリプレグ)」シリーズを開発し、サンプル供試を開始致しました。


背景

第5世代移動体通信システム(5G)はわが国でも商用化がスタートし、高速・大容量、低遅延、多数接続等、これまでの通信システムと比べ大きく進化しており、日々の暮らしやビジネスを便利にしていくと考えられています。5G通信ではより高い周波数の領域が使用されますが、AiP※1、RFモジュール※2、メモリーなど、それらを支える高周波アプリケーションの回路基板材料に対しては、低消費電力、低遅延のために低誘電率、低誘電正接が求められています。

これまで当社は、半導体パッケージ基板材料(LαZ®シリーズ)の生産・販売を行ってきましたが、その特徴である低熱膨張、高剛性、高弾性率の特性を維持しつつ、新たな樹脂設計や配合技術により誘電率3.4、誘電正接0.003(@10GHz)を達成しました。加えて、一般的に通常の基板材料に比べると悪化するビア※3形成プロセス(レーザー加工・ビア底のクリーニング性)についても、十分な性能が確保されており、顧客での加工性とバランスのとれた材料です。また、銅配線との密着性にも優れており、微細配線および銅表面の低粗度による信号伝送損失の低減が期待できます。

すでにいくつかの基板メーカー、エンドメーカーで評価が開始されており、2021年に、製品の量産化を予定しています。

当社は、半導体パッケージ基板関連材料全体で2023年度に売上50億円を目指します。


特性

各品番特性一覧表

品番名 LAZ-6785GS-FG
(当社一般材)
LAZ-6785KS-H
(当社従来低誘電材)
LAZ-6785KS-LE
(新規開発材)
ガラスクロス仕様 Eガラス Low Df Low Df
Dk 10GHz - 4.0 3.6 3.4
Df 10GHz - 0.007 0.005 0.003
ピール A kN/m 0.8 0.6 0.6
熱膨張率 50-150℃ ppm 13 14 13
弾性率 30℃ GPa 17 17 16
Tg DMA 240 230 215

主な関連製品用途例

  • アンテナ基板、高周波RFモジュール、AiP、メモリー

  • ※1 AiP(アンテナインパッケージ):アンテナをICパッケージの上に設置したもの。
  • ※2 RFモジュール(高周波モジュール): 無線のICチップと周辺回路(コンデンサ、抵抗、SAWフィルタ)を小型基板に実装した電子部品
  • ※3 ビア:多層基板の層間の電気的導通を目的とした微細な穴。レーザーで開口して銅メッキで埋められた構造が一般的。



関連情報

本件に関するお問い合わせ

住友ベークライト株式会社 情報通信営業本部
Tel:03-5462-4015