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高寸法精度フェノール樹脂成形材料SUMIKON®PM "SiON™" シリーズの開発ついて

2020年01月15日


住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、社長:藤原一彦)は金属加工部品に匹敵する寸法精度を一般的な射出成形で達成できる高寸法精度フェノール樹脂成形材料SUMIKON® PM ”SiON™”シリーズを開発し、販売を開始致しましたのでお知らせいたします。本製品は自動車部品を中心とした金属部品の樹脂代替を加速させます。

適用部品例

  • 部品:電動パワーステアリング用ギアプーリー
  • 要求特性:成形寸法精度、寸法安定性、耐クリープ性、耐熱強度

    電動パワーステアリング用ギアプーリー

これまでのフェノール樹脂の取組み

フェノール樹脂は元来、熱可塑性樹脂に比べ、耐熱性(熱間強度、剛性、寸法安定性)、耐薬品性、寸法精度等の特性とコストとのバランスが良いことから、「軽量化」、「低コスト化」といった金属代替材料としてのニーズに適した材料です。樹脂材料が金属を代替するようになった初期の頃には、電気絶縁性を要求される重電関係で実績のあった材料をベースにして、各種モータ関連部品を中心とした電装部品への適用がほとんどでしたが、その後、耐熱性、耐クリープ性、寸法精度、機械的強度等の特長を活かして、金属代替用の素材としてエンジン周辺機器、ポンプ関連部品、ブレーキ関連部品などで広く用いられています。

これまでのフェノール樹脂の課題

自動車の機構部品、構造部品に使用されるフェノール樹脂成形材料は、主にガラス繊維で強化した材料が使用されています。このようなガラス繊維が配合された樹脂材料は成形時の流動に伴い繊維が流れ方向に配向することで、強度や寸法などの特性に異方性が生じます。その結果、実際に部品が曝される環境下では設計した寸法から外れてしまい、寸法が重要な部品の場合、部品の機能を発現できなくなる課題がありました。そのため、多くの部品で強度面では樹脂材料で成立することは分かっていても金属を樹脂に代替することができていませんでした。

高寸法精度フェノール樹脂成形材料SUMIKON® PM "SiON™" シリーズ

当社はこの課題に向き合い、金属代替を可能とするために「成形精度」、「等方性」、「耐熱寸法安定性」、「高弾性率」といった4つのコンセプトに基づき、当社独自の樹脂合成技術と配合設計技術を駆使して、耐熱寸法変化が小さい樹脂配合、材料配合とすることで、幾何寸法精度の向上、部品の使用環境での寸法安定性を付与することに成功しました。

開発された材料は、等方性があるため、成形時の金型転写性が良く、連続成形時の寸法ばらつきを従来のガラス繊維強化材料の3分の1に抑えることが可能です。また、線膨張率や機械的特性にも等方性があり、最弱であるウェルド部の強度も高い状態を維持するといった特徴があります。さらに、耐熱寸法変化が小さく、高弾性率ゆえに外力を受けたときの変形も小さいことから、通常の熱可塑性樹脂ではボルトの締結に不可欠な金属カラーを必要とせず、ボルトを直に締付けることも容易となりました。

成形時の寸法精度、自動車の機構部品、構造部品の使用環境での寸法安定性を両立した本製品は、アルミダイキャストや焼結金属を削って寸法精度を出している部品の金属代替用の素材として適用範囲の拡大が期待されます。従来金属部品から20~60%の「軽量化」が可能となることが、エネルギー効率の改善を可能とし、SDGs 7.3の達成に寄与します。また、これまで金属を加工して精度を確保していた部品を樹脂化する場合、加工工程削減による大幅な「低コスト化」に貢献できるものと考えています。

当社は、「等方性」を特徴とした高寸法精度成形材料 "SiON™" シリーズを種々開発しております。フェノール樹脂に限らず、それ以外の熱硬化性樹脂にも適用することで、これまで寸法精度が課題となり適用が難しかった用途に展開を進め、将来的に10億円以上の売り上げを見込んでいます。


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本件に関するお問い合わせ

住友ベークライト株式会社 高機能プラスチック製品事業本部 成形材料・成形品営業部
Tel:03-5462-4101    E-mail: info@sumibe.co.jp