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抗体医薬品の糖鎖分析のための全自動糖鎖調製装置を発売

2018年11月15日


住友ベークライト株式会社(本社:東京都品川区、社長:藤原一彦)は、抗体医薬品の糖鎖分析のためのサンプル調製を行う全自動糖鎖調製装置「GlycoAutoPrep™」の販売を9月より開始しましたのでお知らせいたします。製薬企業などで行われている抗体の糖鎖分析の時間短縮、効率化に寄与します。

抗体医薬品の糖鎖分析の現状と課題

近年活発に開発が行われている抗体医薬品では、抗体に結合した糖鎖が医薬品としての効果や安定性に関与することが知られています。そのため、抗体医薬の糖鎖分析は研究・開発から製造・品質管理に至るまで様々なステージで幅広く必要とされます。また、抗体医薬などの後続品であるバイオシミラーの開発においても、先行品との糖鎖の比較試験が品質管理項目の一つになっています。

抗体は抗体産生細胞の培養液中に含まれますが、培養液には夾雑物(抗体以外のタンパク質、培地由来の物質など)が多く含まれており、下記のような複数の工程を経て糖鎖分析が可能となります。

培養液からの抗体精製
抗体からの糖鎖切り出し
糖鎖精製
糖鎖の蛍光ラベル化

従来はこれら①~④の工程を単独で行うことが多く、それぞれ数時間~1日程度の時間がかかるため、トータルで1~2日程度の時間を要し、迅速化・簡便化が求められていました。

これらの課題を解決するため、当社では2016年に「抗体の糖鎖分析キットEZGlyco® mAb-N kit with 2-AB」(以下「EZGlyco®」)を発売しました。このキットは上記①~④の工程を約2.5時間で完了することができるもので、国内外の製薬企業等での活用が進んでいます。一方で、本キットはマニュアル操作で使用するものゆえ、取り扱う抗体サンプル数が多くなるとマニュアル操作では対応が難しくなり、自動化の要望を受けておりました。

全自動糖鎖調製装置「GlycoAutoPrep™」について

住友ベークライトは、参画する次世代バイオ医薬品製造技術研究組合(MAB組合)の研究テーマとして、EZGlyco®を用いた抗体糖鎖サンプル調製の自動化の実現に取り組み、このたび、全自動糖鎖調製装置「GlycoAutoPrep™」として製品化、上市するに至りました。本装置の特長としては下記が挙げられます。

  • 抗体精製から蛍光標識糖鎖の調製まで完全自動化
  • 調製されたサンプルは液クロ(HPLC)、質量分析(LC-MS)での分析が可能
  • 培養液からスタート可能で、抗体精製工程は不要
  • 最大24サンプルの同時処理が可能
  • 所要時間4.5時間(24サンプル処理時)
  • 装置専用の消耗品キット「Auto-EZGlyco®」をご提供

今後の事業展開

まずは国内の製薬企業等への販売を行い、海外販売についても準備を進めてまいります。本装置の上市により、キットと装置を組み合わせたシステムを顧客に提供することとなり、糖鎖分析のトータルソリューションプロバイダーとして事業を拡大してまいります

全自動糖鎖調製装置「GlycoAutoPrep®」

全自動糖鎖調製装置「GlycoAutoPrep™」
寸法:幅110cm、奥行き70cm、高さ132cm
価格:オープン

自動機用キット「Auto-EZGlyco®」

自動機用キット「Auto-EZGlyco®」


バイオシミラーとは

バイオシミラーはバイオ医薬品の後続品です。 特許期間、再審査期間が満了した医薬品(先行バイオ医薬品)と同等・同質の品質、有効性、安全性が確認され、先行バイオ医薬品と類似のものであるとして承認された医薬品です。

糖鎖とは

糖鎖は私たちの体を構成する重要な生体高分子の一つです。生体内のタンパク質の多くには糖鎖が結合しており、糖鎖によってタンパク質の性質や機能が制御されていることが知られています。

MAB組合について

次世代バイオ医薬品製造技術研究組合(MAB組合)は、日本のバイオ医薬品製造に関わる企業・大学・公的研究機関が結集し、複雑で多機能なバイオ医薬品(抗体医薬品など)を国際基準に適合して製造する高度・高効率な次世代の製造技術開発を目的としています。



関連情報

本件に関するお問い合わせ

住友ベークライト株式会社 ヘルスケア営業本部 バイオ事業開発部
Tel:03-5462-4831    E-mail: s-bio@sumibe.co.jp