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JAにしうわ川上共選【味ピカみかん】

ご紹介

今月ご紹介するのは、愛媛県八幡浜市川上地区のJAにしうわ川上共選「味ピカみかん」です。3つの太陽と呼ばれる豊かな日光の恵みをうけた美味しいみかんを生産しています。

「味ピカ」は川上の生産者にとって特別な農産物です。この自慢の一品を一人でも多くの方に届けたい、そして長くその味を楽しんでほしい。という思いからP-プラスを採用していただいています。



100年以上もの歴史を有する一大産地


愛媛県の南西部に位置する八幡浜市川上地区。おだやかな内海に面した海岸線から、みかんの栽培限界線である標高350m地点まで続く急斜面に、石積された段々畑が広がっています。ここは明治時代からの歴史と伝統を重ねてきた日本屈指のみかんの栽培地。今では歴史はあっても衰退していく生産地が多く見られる中、一定の数量と品質を維持し続け、全国的にみても大変希有な存在となっています。


この川上地区が100年以上もの時を経て、いまだに発展を続けている理由のひとつに、風土および立地的な条件があることは間違いありませんが、それ以上に、長きに渡り積み重ねられてきた農業関係者の努力の証でもあります。JAにしうわ川上共選を中心に展開してきた営農指導と販売網の拡充が実を結び、後継者となる若い世代にアピールできる収入の確保と生産負荷の軽減が実現できているからにほかなりません。

「現在は173戸のみかん農家が川上共選に所属。243ヘクタールもの農園を徹底管理しています。雨が少ない年には30~10mmの雨を人工的に降らせたり、逆に雨が多い年には灌水を徹底するなど、生産者全員が一丸となって対策を講じています。これまでもみかん価格の暴落やオレンジの輸入自由化など、幾多の試練がありましたが、全員の絆から生まれる知恵と工夫により乗り越えてきました」とJAにしうわ川上共選の事務所長である野本康司さんは言います。

まさに伝統と革新をバランスよく配しながら、この産地を守っていこう、そして発展させていこうという生産者の高い意識が、美味しいみかんの産地を守ってきたといえます。

本当に美味しいみかんが個包装で付加価値を生む


川上共選が自信を持って提供する「味ピカ」は、今から20年前ほど誕生した特選みかんです。

その特徴は、200日以上をかけ、しっかり樹上で完熟することで生まれる果肉の“甘さとコク”にあります。糖度と酸度のバランスがよく、さらに内袋が薄いため、舌の上でとろりと溶けるような上品な口当たりに。

一年を通じて温暖かつ晴天日が多いという気象条件に、「3つの太陽」と言われる空から降り注ぐ直射日光に加え、海面や石垣で乱反射した光をたっぷり浴びるという立地条件と、絶好の時期に収穫するタイミングを見計らう生産者の目も、この川上のみかんの味わいを維持する大切な要素となっています。


さらに徹底した品質検査を実施。「糖度12度以上を基準としたセンサーによって選別する前に、生産者が厳しい目で外観をチェックしながらより分けています」(野本さん)。

品質に対する意識の高い生産者の妥協のない姿勢により、天皇杯受賞経験のあるにしうわ川上共選が自信を持って消費者の届ける最高級のみかんの味と品質が維持されるのです。

そんな川上共選がP-プラスを採用したのは2007年のこと。みかんの品質保持に適した袋と言うことで、以前には別な品種で採用していたのですが、費用面で断念したという経緯が。

ところが、この「味ピカ」は川上の生産者にとって特別な農産物であり、一人でも多くの方に品質の良いみかんを届けたいという思いから個包装を採用したのだといいます。

「ただ袋に入れただけでは売れませんし、商品の味や品質が個包装に耐えうるものでなければ消費者の失望を生み、逆効果となる恐れがあります」(野本さん)。

個包装という付加価値は、肝心なみかんの品質が担保されてはじめて評価されるもの。特に川上の特選みかんである「味ピカ」は、一般的なスーパーというよりは、年末年始の贈答品需要の高い高級果実を販売し、舌の肥えた消費者の支持を集める“こだわりの店”の店頭に並ぶケースが多く、そのため消費者の期待値が高くなっているのだといいます。

「当初は品質保持を目的として個包装を行っていましたが、今では流通から『P-プラスに入った“味ピカ”を送ってほしい』とのリクエストが寄せられるようになっており、袋入りのみかんが美味しいといったイメージが定着した感があります。注文数に対して生産量が追いつかない状況となっており、うれしい悲鳴を上げています」

歴史のバトンを受け継ぐ後継者を生む魅力的な農産物


野本さんが自覚する川上共選の未来への使命。それは、この歴史と伝統のある農地を未来永劫、維持していくことにあるのだといいます。

「10年、20年先も品質の高いみかんを安定して供給できる産地にしたい。そのために、考えられることすべてをやっていくつもりです。もちろん、高齢化の波は避けて通れない事実ですが、その中で歴史のバトンを受け継ぐ後継者を確実に作っていきたいと思います。そのためには魅力的な農産物を生産し、付加価値を付けて販売。利益を生み出す農業モデルを構築することです」

生産者にとっても消費者にとっても魅力的な農産物づくりは、一朝一夕にはいきません。JAにしうわ川上共選を中心とした生産者のチャレンジと品質維持に対する意識の積み重ねがあって、はじめて成立するものなのかもしれません。P-プラスもまた品質保持の面から、産地維持の一助となればと思います。

お客様の情報

JAにしうわ川上共選 様

    〒796-8050
    愛媛県八幡浜市川上町川名津1020-1

    TEL: 0894-27-0333

JAにしうわ川上共選のみかんは、気象・風土・気質・歴史・技術の総合力によって糖度・酸度のバランスとろける様な舌触りが特徴の「うまいみかん」としてご好評をいただいています。「11月中旬~12月下旬の完熟・味ピカ」「1月上旬~2月上旬の越冬袋掛・小太郎」など、匠たちが手塩にかけた多彩な個性豊なみかんをお届けしています。