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ジョイファーム小田原【菜の花】

ご紹介

今回ご紹介するのはジョイファーム小田原の「菜の花」です。

年が明け、梅のたよりが聞こえてくるようになると、パルシステム生協連合会に加入する消費者は、いよいよ小田原から春を告げる野菜「菜の花」がやってくるシーズンだと、心待ちにするそうです。
ナバナといえば、一般には早春の千葉の南房総産が有名ですが、生協の共同購入用の「菜の花」は、小田原の産直組織である「ジョイファーム小田原」の田中康介さんほか30人の農家が生産している「菜の花」こそが、春を告げる「菜の花」だといいます。

菜の花は施設などで時期をずらして作るのが難しいことから、今では数少ない本当に季節を感じることができる作物となりました。そんな春の味覚の採れたての品質をいちばん美味しい状態で消費者に、という認識からMA包装(P-プラス)の採用にも積極的です。


採れたての品質を、いちばん美味しい状態で消費者に

ジョイファーム小田原は神奈川県小田原市曽我岸に本部をおき、1994年に有限会社として設立されました。現在、10支部119人が参加しています。無農薬栽培のキウイフルーツや、ネーブル、青島みかん、ハウスみかん、ゴールデンオレンジなど柑橘類を中心に、青梅、菜の花などの野菜類を含めて生協などへの産直品を生産しています。

パルシステム生協連合会とは、80年代に江戸川生協やふれあい生協と産直を始めてからの交流があり、そうした実績を踏まえて2002年には、小田原市内の生産者をまとめた農事組合法人小田原産直組合を設立。
環境保全型農業推進の施設として、神奈川県の補助を受け建設された集荷場には冷蔵施設も完備するなど、鮮度、品質保持には細心の注意を払っています。

過去20年近くにわたって、消費者との産直活動を続けてきた「ジョイファーム小田原」との、“顔の見える”関係が信頼感を与え、それゆえに消費者からの信頼感に応えたい、という生産者たちの責任感が商品に現れています。

ジョイファーム小田原の、通常の「菜の花」の出荷期間は12月末から3月末まで、つまり真冬から春先までの3か月間ということですが、この期間を通じて、全量をMA包装(P-プラス)して消費者に届けています。常に、採れたての鮮度を届けたい、シーズンを通して変わらぬ高い品質でとどけたい、というと気持からです。

シーズンを通して一定の品質で届けるためにどうしても必要な包装

一般に、厳寒期にはMA包装は不要だと思われがちですが、意外に冬は乾燥がきついために、菜の花は萎れやすいのです。
また、外気温こそ低くても、室内はかなり温度が高く設定してあり、菜の花にとっては想像以上に過酷な環境なのです。
しかも、出荷は真冬から始まって、温度が徐々に上がっていく春先まで続くなか、シーズンを通して一定の品質で届けるためには、P-プラスが必要な包装と評価頂いています。

シーズン中、どんなときに注文しても、開花していたり、葉が黄化していたりすることのない「ジョイファーム小田原」の「菜の花」は、収穫時間の指示、作業場の温度設定、充分な予冷といった厳しい管理体制と、生産者たちのそんな消費者本位の心遣いによって支えられているのです。

だから、1回の注文で4000パックもの希望が殺到する、人気野菜になっているのも無理からぬこと。

輸送距離や流通形態が変化しても、常に安定した商品性と評価を保てるのは、生産者たちの徹底した消費者本位の姿勢と、それを陰でサポートするMA包装によってもたらされているのでしょう。

「菜の花」は、年明け~春先にかけて出荷される、“旬の季節野菜”

「菜の花」は、年明けから3月にかけてがピークの野菜です。
5月には、入荷はガタ減りして6月から9月はお休み。
その後は、12月に向けて徐々に増えるというパターンとなっています。

かつては、“春を告げる野菜”として、千葉県の南房総が生産、出荷を独占していましたが、いまでは、南の立地を利用した九州(福岡)、四国(香川)の産地の勢い強まっています。
それでも、やはり千葉や茨城、神奈川産などの関東の産地の「菜の花」が、マーケットの中心を占めています。

冬場に甘いホウレン草とは違って、やや苦味のある「菜の花」はそれなりに食味面での差別化商品になっています。
またこの品目は、中華系の炒め料理によくあう特性があり、一般にいわれる葉物類には見られない特徴を有しています。

商品形態としては、20cmくらいの菜の花を束にして紙で巻いてある伝統的な千葉・南房総産のほかに、最近では長さも25cmくらいでフィルム包装された、他産地ものが増勢傾向にあります。
おなじ「菜の花」なのですが、価格帯でも利用形態でも別の野菜というイメージで受け取られ、受け入れられているようです。
しかし、この新しい包装形態のものが、千葉産だけでは衰退したであろう「菜の花」需要を救ったともいいます。

「菜の花」は、年明け~春先にかけて出荷される、“旬の季節野菜”です。夏場にはほとんど生産、流通していませんが、これだけ季節野菜としての地位を確立していれば、夏場に産地が出現しても十分に売れていく品目だといわれます。

なかなかそんな動きがみられないのは、それだけ高温期での栽培技術が難しいことと、「菜の花」は春のもの、というガンジガラメの“常識”に縛られているだけのことでしょう。

同様に、炒めて美味しい野菜というターサイや空心菜などは、すでに高温期にも生産、流通し、実際に成長中です。産地には、なんとか周年供給体制を前提とした作型づくりができないのでしょうか、とお願いしたいところです。

お客様の情報

ジョイファーム小田原 様

有限会社 ジョイファーム小田原
〒250-0203
神奈川県小田原市曽我岸531