プラスチックのパイオニア

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2013年
9月のP-プラス青果物 JA新潟みらい【シャインマスカット】

JA新潟みらい【シャインマスカット】

7月、8月と猛暑続きの日本列島にも、9月ともなれば、嬉しいことに確実に秋が訪れます。さあ、秋といえば本格的なブドウのシーズン。夏の暑さに疲れた消費者は、店頭に並ぶブドウたちをみてホッと一息。秋の訪れを知るのです。

9月のブドウ売場を彩るのは、巨峰やピオーネなど黒系のブドウに混じって、近年とくに増え始めた爽やかなグリーンのブドウたちです。なかでも最近、めきめきと頭角を現してきた「シャインマスカット」がその代表格でしょう。粒も巨峰並みで、やさしい甘さと、爽やかなマスカットの香りが特徴のこのブドウは、近年のトレンドである“皮ごと食べられる”品種。タネもなく渋みも感じない食感は、他の新品種のブドウから頭ひとつリードしている感がありますが、そこには理由があるのです。

シャインマスカットは、早いものは6月下旬ごろから収穫が始まりますが、なんといっても食べごろは、露地物に切り替わる8月中旬以降から。まさに9月が“シュン真っ盛り”という月です。各産地では、少ない酸味とストレートな甘さが特徴のシャインマスカットを、これから大切に育てて拡大していくために、産地間で協議して出荷に適する糖度基準を決めています。糖度基準に満たない早出し販売を抑制して、消費者に「おいしいブドウ」との評価を定着させるための措置です。

そんなシャインマスカットの産地のなかで、とりわけ「おいしさ」にこだわっているのが、JA新潟みらいでしょう。新潟県の代表的な落葉果樹産地であるJA管内では、すでにシャインマスカットが品種登録された2006年当時から試験栽培を始めていますが、数年前からの本格栽培に伴って結果樹も増え、現在は収穫量が年々、倍増するペースで拡大しています。

JA新潟みらいは、ブドウ産地としては中小規模なのですが、合言葉は「おいしいものを、おいしい状態で消費者のもとに」というもの。この食味本位のスタンスを貫いていることで、流通業界から大きな評価を得ているのです。シャインマスカットについては、青さを強調するためだけの早出しをせずに、房の肩の部分に黄ばみが出るまで熟成させ、甘さがいちばん低い房尻の糖度が17度以上になってから出荷する、というルールを厳守しています。通常は500g1房をパック包装していますが、このうち最高品質のものを1房1房、MA包装(P-プラス)した化粧箱品が話題になっています。産地で熟成させた品質をそのまま保持できることと、軸が枯れやすいシャインマスカットの欠点をカバーできる技術でもあります。

ブドウの包装資材としてP-プラスフィルムを採用する事例は多くありませんが、同JAでは5年前に、香港にピオーネを試験輸出をした際、船便で1週間もかかる輸送を経て現地の店頭販売に至るまで、P-プラス包装品は軸枯れも脱粒もなく、現地の小売店も驚いたという経験をしています。このP-プラス効果を再検証するために、さまざまなケースで実験を重ねた結果、「おいしいものを、おいしい状態で」届けられる包材だ、との結論を得たといいます。

一般に新しい品種は、その珍しさを武器に高く売るだけの販売に陥りがち。せっかくいい特質を持ちながら、品質がばらつくことで消費が定着しない、という悪しき前例がたくさんあります。そんな事例を見ているだけに、JA新潟みらいは「おいしさ」本位の生産、販売にこだわり続けるのです。シャインマスカットは、誰もが思わず笑顔になる芳醇な甘みが、口いっぱいに広がる…、まさに次世代エースと言われるのにふさわしいブドウといえますが、それを生かすも殺すも、生産して流通・販売する産地の姿勢いかんだといってもいいでしょう。

JA新潟みらいでは、より多くの消費者に賞味してもらうために、房売りだけでなく、房から粒を切り離した“粒売り”品「粒シャイン」(250g入り)を商品化しています。おしゃれなパックで“お手ごろ価格”。コンビニ商品として最適な「粒シャイン」は、これからは若い世代からも支持されていくでしょう。