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2011年9月のP-プラス青果物
弘前中央青果株式会社【ハローキティバナナくん】

ご紹介

青森県の弘前中央青果が販売する、P-プラス包装された「ハローキティバナナくん」は、いまや年間72万パック(4~6本入り換算)もの実績をあげるまでに成長しました。地元青森県は1人当たりのバナナの消費量が日本一といわれるほど、全国でも珍しいバナナ好きで知られますが、そんな青森県を中心に、北海道、秋田、岩手、山形、宮城の東北各県まで販売されており、さらに2年前からは、同社独自のバナナ色づけ加工法とP-プラス包装した「ハローキティ」キャラクターバナナは、東京、和歌山、四国、九州地区など全国展開されています。これらの地区での販売数量は合計20万パック程度であるため、いまや「ハローキティ」キャラクターバナナは100万パックもの量が広域流通していることになります。

「ハローキティ」キャラクターバナナの人気の秘密は、特殊な加工をしている点です。これをP-プラスフィルムで密封包装することで、色が全体に回った状態で流通させても、完熟の目安である「シュガースポット」(茶色の斑点)が出るのを抑制するだけでなく、密封包装内でさらに果肉を追熟させるため、食味が飛躍的に向上するのです。そのため、「フィリピン産の高地栽培のバナナよりおいしい」という評判さえあるほど。とくに弘前中央青果から販売される「ハローキティバナナくん」は、すべてエクアドル産の大振りで太いバナナを使用しており、〝ねっとり〟して熟成度の高いバナナとして、青森県民にはとくに好評だといいます。

いまや不動の地位を確立している「ハローキティバナナくん」ですが、ここに至るまでには弘前中央青果の試行錯誤の歴史があります。
平成6年ごろ、バナナの相場が低迷し投売りが続いていました。当時は、とくに夏場のスーパーでの販売において、食味が悪いうえに高温のため日持ちが悪いため、バイヤーや仲卸業者から「店もちが何とかならないのか」「おいしいバナナはないか」という声が高まっていたのだといいます。

県内でもバナナ加工販売のシェアが高かった弘前中央青果は、自社で研究・試験に取り組むことにしました。何とか店もちを良くする方法がないか、とパックバナナを試験してみましたが、全て手探り状態だったため失敗の繰り返し。その結果、やっとたどり着いたのがP-プラス包装だったのです。ただし、地元青森県はフィリピン産より、エクアドル産の甘味の強いまろやかなバナナが好まれますが、フィルム包装だけでは甘味が乗りません。そこで発案されたのが、特殊な加工を施してP―プラスでパックする方法。

これなら、店頭に並べてみると日持ちがするばかりか、店頭で陳列している間にもさらに甘味が増し、味がまろやかになるという現象が生まれました。結果的には、P―プラスで店持ちが良くなった分、バナナの熟成が進み、美味しいバナナが誕生したのです。

この手法を開発したのが平成8年ごろのこと。当時は、これを「完熟バナナくん」という名前をつけ、P-プラスフィルムに、バナナがサングラスをかけてサーフィンをしているキャラを印刷して使っていました。しかし、販売した当初はあまり売れず、1日30ケースが限度だったといいます。

そこで、思い切ってお客様のターゲットを若年層に絞ろうと、「ハローキティ」のキャラクターを採用することにしたのが平成11年11月のこと。ここに現在の「ハローキティバナナくん」が誕生したことになります。その効果は徐々に表れ、14年から16年へと非常に伸びました。平成17年ごろからは、各ブランドがフィリピン産の現地パック物を増やしてきましたが、人気は衰えず、18年12月には、P-プラスを利用したキティバナナくん誕生10周年を記念して、テレビCMなどを利用したプレゼントキャンペーンを実施。CMの効果はてきめんで、期間中に10万7千パックの販売を上げたほど。また、キャンペーンの応募が、県内だけでなく東北各県からも多数の応募があったことでも、「ハローキティバナナくん」の人気が当時すでに広く普及していたことを裏付けています。

今年の11月に、「ハローキティバナナくん」は満15年を迎えます。この節目の年を記念して、今年は包装フィルムのデザインを変えることにしました。これまで利用していた四角い形状の袋から、バナナの形状に合わせた、見栄えのいいコンパクトなフィルム包装に変更することになります。また、「ハローキティ」の意匠もマイナーチェンジすることを計画しているといいます。この包装デザインの変更のお披露目を兼ねて、今年のクリスマスには大々的なキャンペーンを展開する予定。ファンにとっては楽しみな年の瀬になりそうです。