文字サイズ

2011年6月のP-プラス青果物
北海道産【アスパラ】

ご紹介

5月中旬から6月に入ると、北海道の代表的なアスパラガス生産地である上富良野地区は、出荷・販売の最盛期に突入します。この地区で“最も忙しい”販売組織といわれるのが農業法人「フラワーランドかみふらの」。なにしろ、6月のピーク時には1日1500kg前後のアスパラガスを全国に向けて発送しているのですから、20人のパートさんたちはフル稼働。毎日、南は九州沖縄地方まで、濃いグリーンの甘くて太いアスパラとともに、初夏の北海道の涼風と香りを届けているのです。

このアスパラガスの旬の時期に、フラワーランドかみふらのから発送される数量は、なんと37t(10年実績)。1kgパックにして3万7千パックはすべてP-プラス包装を採用しています。10年前のスタート時から毎年拡大の一途をたどってきたのも、“日本一の食味”といわれる同地区のアスパラガスの鮮度をそのまま消費者にお届けしたい、という生産地の思いが大きく評価されているからでしょう。

「フラワーランドかみふらの」は、花の観賞、ショップから食堂、収穫体験などもできる大型観光施設にもなっていますが、ここを訪れる観光客は年間約23万人。本土からが6割、海外からも2割、そして地元北海道から2割。「文字通り全国各地から上富良野の地に来訪する観光客がアスパラガスをお土産にしていただくと、たちまちファンになっていただき、有難いことに、次年以降からは必ず注文してくれる人が、びっくりするほど多い」と語るのは、フラワーランド農産物販売担当で、地元農協出身者でもある高橋孝明会長です。

そんなファンたちを満足させる商品を届けるために、アスパラガスの収穫は午前と午後の2回、ただちに集荷施設に搬入されてP-プラス包装され、約半日の予冷の上、発送されるほか、夕方までの搬入されたものは一晩予冷されるなど、万全な品質管理で臨んでいます。

全国への宅配も、初夏のアスパラガスを皮切りに、続いて旬となるメロンは3万5千玉、トウモロコシは35万本、そして秋から春までジャガイモも1000トンを超えます。これらのうち鮮度・食味保持が必要なアスパラガスとトウモロコシはP-プラス包装販売が大前提。宅配用には年間6万袋以上を使っているほどです。

販売を受け持つ「フラワーランドかみふらの」に連動して、生産を受け持つのが、子会社である農業生産法人「富良野野菜クラブ」。大型選果機から貯蔵庫まで備えた大型集出荷施設をもち、大型農家10軒が参加しているほか、契約栽培農家やふらの農協の協力もあり、地域内の多くの生産農家にも満足を与える販売体制を備えることができ、上富良野地区の農業振興に大きな役割を演じています。

上富良野町は、北海道のほぼ中央部に位置し、北から東にかけて美瑛町と新得町、南富良野町、南から西にかけては富良野市と中富良野町に隣接しています。東に大雪山国立公園大雪山系の十勝岳と、西に芦別山塊といわれる山岳地帯、北も両山系の山麓と三面を山岳地帯に囲まれ、南には市街地が開け、さらに富良野盆地の平坦部につながっています。この盆地には、大雪山系の十勝岳連峰を源流とする富良野川、ヌッカクシ富良野川、ベベルイ川など清流が流れる、まさに山紫水明の地。周囲を山に囲まれているため、気温の日格差、月格差が大きい内陸性気候。夏の最高平均気温が26℃前後と低く、冬の最低平均気温はマイナス15℃前後となります。

「町木」は「アカエゾマツ」ですが、四季を通じて縁あざやかな枝葉を絶やさず熟年する樹林は、雄峰十勝岳の厳しい自然の中でたくましく成長し、その雄姿は風格と威厳さを誇ります。また、「町花」である「ラベンダー」は特に有名で、7月半ばを過ぎると真夏の陽光をいっぱいにうけ、さわやかな紫色の花を見事に咲かせます。その新鮮な芳香は、十勝岳のふもと一面に漂っているのでは…と思うほどだとか。

かれんながらも高き理想と気品を誇るラベンダーは、人の心をいやすなごやかさがあるといわれ、「人生に希望と勇気を与える」とも。上富良野町の人情深さと温かい思いやりのあるまちを象徴しているようです。

そんな気候条件と相まって、人々の豊かなメンタリティーが、野菜の糖度アップや食味向上に大いに貢献しており、春にはアスパラガスやメロンを、夏場にはトウモロコシを、そして秋には美味しいカボチャやジャガイモを育むのでしょう。そしてP-プラスは、そんな上富良野農業の応援団、サポーター役として大いに活躍しているのです。