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静岡工場のビオトープ「憩いの杜」

地域とともに生態系を育む 静岡工場のビオトープ「憩いの杜」

地域とともに、生態系を育む

住友ベークライトの静岡工場では、造成候補地の動植物調査の結果、希少動物など潜在的な価値が確認されました。
そこで、豊かな自然環境を守り、育むために、5カ年計画でビオトープの造成を行いました。

5年の時間をかけて造成し、一般公開へ

住友ベークライトは、生物多様性保全活動の一環として企業ビオトープの検討を進めてきました。検討の準備段階として、2011年に候補地となる静岡工場敷地内の動植物調査や地域の生態系を調査した結果、希少動物などが確認されました。これを受け潜在自然や復元目標などを設定し、水辺を中心とした造成を翌2012年から5カ年計画で開始しました。

常葉大学 山田辰美教授の監修の下で水辺を中心とした整備を実施、2014年からは従業員およびご家族を対象として観察会を開始しました。2016年には、ビオトープの愛称を社内公募し「憩いの杜」と命名、また、ビオトープ同好会を発足し、保全作業や外部のお客さまへのご案内などを行いながら一般公開の準備を進めました。2017年4月に一般公開を開始し、以降も見学会・体験学習などで地域とのコミュニケーションを行っています。

これまでの活動

「彩りの丘」造成

「彩りの丘」造成
盛土により高さ約4mの丘を形成し、ビオトープが眺望できるようにしました。ここは、秋の七草やササユリなどの貴重な草地植物の生育地として整備し、またカワセミの営巣地を造成しました。

外来種対策

外来種対策
外来種対策としてホテイアオイを除去。調整池の水質調整を目的に浮島の設置を行いました。


「きらめきの湿地」造成

「きらめきの湿地」造成
大池と隔離した水面の波浪がない水域を作り、トノサマガエルやメダカ、トンボ類などの生息場所を形成しました。また、浅瀬、深瀬を設けて、抽水植物や浮葉植物(ハスなど)が生育できる環境を整備しました。

園路整備

園路整備
オギ原を整備し、「彩りの丘」や「ドングリの林」から「きらめきの湿地」までの経路を整備し、園路を形成しました。

ビオトープで育まれる、たくさんの生き物たち

ビオトープ鳥類

ビオトープ昆虫

ビオトープその他の動物

ビオトープ植物

生き物の命を守りながら、ステークホルダーとの関わりも生み出すビオトープ

ビオトープを多くの方にご理解いただくために、従業員や家族・地域の方々とのかかわりにも取り組んでいます。

社内では、ビオトープ委員会を中心とした施設内の整備活動のほか、従業員とご家族をお招きした観察会では常葉大学 山田教授のご指導と常葉大学学生の皆さまのご協力を得て、自然との触れ合いの場を企画しています。

社外へは、市役所とのコミュニケーションや近隣企業の方との情報交換に取り組んでいます。

憩いの杜みどころマップ
常葉大学 山田辰美教授

常葉大学 社会環境学部
山田 辰美 教授

「憩いの杜」は生物多様性や自然環境の保全に大きな貢献が期待されます。これまで地域固有の環境や懐かしい景観が失われる原因と考えられていた工場の存在が、地域生態系の豊かさを取り戻す大切な拠点として役立つことは画期的だと思えます。

例えば、水路のコンクリート化などで市内では見られなくなった地域固有のメダカが、大きな群れで生息しています。また、珍しくなったトノサマガエルなども湿地の水辺で繁殖しています。他にも、たくさんの野鳥や昆虫なども、ビオトープを拠点として数を増やし、地域の野生生物が守られるようになります。

また、美しい水辺や森の中をめぐり、いろいろな野生生物を見つけ出すワクワクする体験を楽しめます。ふるさとの原体験の場として子どもの環境教育にも役立てたいものです。

このビオトープを初めて訪れた2年前の観察会の時、驚きました。フジバカマやオミナエシなどの希少な植物、色鮮やかなカワセミが飛ぶ姿な ど、市街地の工場に自然環境が復元されている様子を目の当たりにしたからです。何よりも、バッタやチョウを追いかけ駆け回る子どもたちを見て、このビオトープが生き物や自然に対する大切な学びを与えてくれる場になると確信しました。子どもたちの自然との触れ合いの場として生かされることを期待します。

常葉大学 西塚氏

常葉大学 社会環境学部4年生
西塚 宗太郎 氏

藤枝市役所 環境水道部 市川氏

藤枝市役所 環境水道部
生活環境課主幹兼環境保全係長
市川 彰 様

このたびは、ビオトープ「憩いの杜」が完成し、一般公開されましたこと、誠におめでとうございます。「憩いの杜」の空間に入ると、街の騒々しさとは無縁の、昔懐かしい風景が、いつもと違った時間を感じさせてくれます。メダカやトンボ、カワセミ、ドングリなど、昔からこの地に生息していた多様な動植物を実際に見て、自然環境、生物多様性の大切さについて学び、多くの人に笑顔で楽しんでもらえたらと思います。

昨年の5月に、住友ベークライトより絶滅危惧種のミナミメダカを分けていただき、メダカ保護の取り組みを開始いたしました。お陰様でメダカたちは1年で3倍にも増えました。

私どもの保護池は、住友ベークライトのビオトープに比べれば “超ミニサイズのビオトープ”ですが、“大先輩”に負けじ、と頑張っております。

日清紡テキスタイル株式会社 六本木様

日清紡テキスタイル株式会社
藤枝事業所 藤枝総務課
六本木 博 様

静岡工場 ビオトープ委員会 堀江

静岡工場 ビオトープ委員会
堀江 あづさ

ビオトープの案内係を担当しています。敷地内には石を積んで隠れ場所を作ったり、浅瀬を作って水温を上げたりして暮らしやすい環境を 作ることで、多くの生き物を呼び寄せる工夫がいくつもあります。ただ歩くだけでは気づきにくいこれらの工夫を漏らすことなく伝え、多くの方に楽しんでいただきたいと思っています。


今後も、地域とともに育つ場として

この「憩いの杜」には、ビオトープを所有している先輩企業様から分けていただいた古代ハスの「大賀ハス」をはじめ、昔から志太平野に生息していた 多様な動植物が生育・生息できる環境を保全しています。 また、ビオトープ内を流れる水は工場排水を排水処理施設により無害化したものです。

今後、訪れたお客様や地域住民の方々に生物多様性の大切さに触れていただき、環境意識を高める場、あるいは環境教育の場としてご活用していただくことを目指します。

取締役専務執行役員 稲垣昌幸

住友ベークライト株式会社
取締役 専務執行役員
稲垣 昌幸


住友ベークライトの生物多様性保全の取り組み

住友ベークライトの事業活動は、自然からの恵みに依存しており、生物多様性の保全が重要であることを認識し、環境負荷低減の推進や調達方針に反映しています。製品ライフサイクルの取り組みでは環境対応製品の開発をテーマに掲げ、海外では希少植物の植樹など地域の取り組みに参加しています。

さらに、経団連生物多様性宣言推進パートナーズに参加し、この宣言に沿って当社グループで可能な取り組みを行っています。


当社のホームページで「ビオトープ」を紹介しています。
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