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公開にあたり

住友ベークライト・ビオトープ 憩いの杜 IKOINO MORI

生物多様性の大切さ

生物多様性とは


 私たち人類は地球上の生物進化の過程で誕生し、多くの生き物に支えられて生きている存在です。食べ物や呼吸に使う酸素だけでなく、住まい素材も美しい野山の景色も、たくさんの生き物が与えてくれるものです。たくさんの生物や自然とのつながりを意識し、野生の生命を大切にする考えが、生物多様性という価値観です。

 人類は自然を改変することを覚え、物質文明を発展させ、生活を取り巻く環境を人工化してきました。農村でも農薬とコンクリートを多用することで、ホタルやカエル、ゲンゴロウなどの小動物が姿を消していきました。川遊びや野遊びに夢中になった子ども時代は、現在の子どもにあるのでしょうか。大人も人工の無機的な環境ではくつろげず精神を衰弱させ、緑に包まれた環境で、落ち着いた和んだ気分になります。

 生物多様性の保全に企業が取り組む意義は、本当の幸福に向かって社会の舵を切るということです。

常葉大学 社会環境学部
山田辰美 教授

住友ベークライトのビオトープの特徴


 地域の生態系の特性や現状を調査・検討して、ビオトープを整備しました。 湧水や湿地、小川など豊かな水環境に森林(河畔林)が散在する地域(氾濫原)に、工場が建てられました。工場周辺は今では、全ての水路がコンクリート化され、土地改良された水田がわずかに残る程度に開発されています。この地域で、保全・再生したい自然は、多様な水辺と森の調和した環境です。

 そこで工場内に湿地などの水辺を整備し、トンボ類やカワセミなどの野鳥を外部から採餌場として集めるだけでなく、繁殖の場として機能させることで、工場から地域に生き物を供給することができます。同じようにどんぐりの森や榎の林からは、ヤマトタマムシやチョウ類、クワガタムシ類や野鳥類が発生し、地域の生物多様性を支えます。秋の七草が彩りをみせるなど修景的な配慮を施し、散策が憩いの場として楽しめる工夫もされています。

メッセージ


 企業ビオトープが地域の生物多様性に貢献する効果は実に大きい。
 これまで、懐かしい地域の環境や景観などを壊してきたと考えられていた工場が、生き物のネットワークの大切な拠点として地域に役立てるのは素晴らしいことです。
 例えば、周辺地域にメダカの生息地はありませんが、ビオトープ内には地域固有の遺伝子を持つ在来のメダカ群れが、維持されています。
 そこには、今では稀なアカハライモリやトノサマガエルも見られます。それらは市民や子どもの環境教育のためにも、役立ててもらいたいものです。